俺の復讐計画
《召喚した魔物はどうなるのか??》
「あぁ、想像して召喚した魔物はどうなるんだ?ちゃんと使役できるのか?強すぎたら使役できない、とかあるのか?」
俺の知っているこの世界にいない魔物はあまりに強すぎてこの世界にいる生物全てで襲いかかったとしても100%の確率で負けるだろう。使役出来なければ俺は復讐を果たす間もなく死んでしまうだろう。それだけは避けたい
《普通の召喚の場合、身の丈に合わず、使役出来ずに殺されてしまう人間は少なからずいますが、想像召喚の場合話は別です。》
「じゃぁ、使役出来ずに殺されてしまうってことは無いのか?」
《えぇ、そのような事はまずありません。普通の場合は交渉が必要ですが、これに至っては全く必要ありません。》
「どんな奴でも使役出来るって事か?」
《間違いありません。》
「よしっ!」
この情報を得られたのならもう最強になったも同然!復讐するなら魔王になった方が手っ取り早いだろう。しかもここは魔族の住まう地域、魔界。これほどいい状況は無いだろう。
「フフっ」
《本当に楽しそうですね。ですが、魔王になるということはあなたの同族である勇者と戦う事になりますよ?それでもいいのですか?》
「いいさ。アイツらは俺を見捨てた。という事はそれなりの覚悟はあるはずだ」
《なるほど。》
とは言っても今はただの手ぶらの凡人に過ぎない。
「物は試しだよな。召喚をして、どれほどのやつができるのか練習がてらやるか。」
そういえば言っていなかったな。どんな所が変わり者なのか、普通に暮らしていればあまり触れることは無いもの。最近流行ってはいるが、それは1部分のもの達だけ。全てを知っているか、と聞かれれば答えられないだろう。だが、俺は知っている。なぜなら、人生のほとんどを好きな事に注いで来たからな。
『収容番号SCP-076-2。いでよアベル!』
濃い紫色の魔法陣が瞬時に開かれる。その瞬間、想像したアベルの力、性格、人格、姿をこの魔法陣に吸い取られた気がした。
ドキドキとしながら想像力を働かせ、アベルを作りあげていく。全てのアベルによる記憶を想像とともに捧げ、アベルを出現させた。緊張していたからだろうか。いつもは瞬時に思い浮かべられるはずなのに今回は時間がかかってしまった。
何かが魔法陣の中心から出てくる。
「ヴ……ァ……」
その姿は、まさに俺が思い浮かべたアベルの姿だった。
「すごい、すげぇ!マジかよ!」
《お見事です。初見でコレを使いこなすなんてさすがです。》
「そうか?じゃぁまず…アベル、命令だ。俺を守れ」
「ヴ、ヴヴヴ…ァァァ」
すると、アベルは異空間から剣を取り出し、ちょうど襲いかかってきた魔族、魔物を粉々に切り裂いた。
「うぉ、すっげぇ」
次々に襲いかかってくる。5人、10人、20人、、魔物の胆力には尊敬してしまう。だが、どんなに増えたとしてもアベルたった1人の力でどんどんと粉に化していく。
「コレが……アベルか……!こんなんのに勝てっこねぇよ!こんなんのに人間が相手しちゃいけねぇよな!アハ!アハハハハハハ!」
笑いが止まらなかった。なんてったって俺の復讐計画はもう、成功が確実になったのだから。
「待ってろよ……!クソ野郎ども!!」
自分の体はアベルに守ってもらいながら、魔王城に向かって歩いていく。その間、全知全能から召喚による様々な情報を得ていく。
《……と、言うわけです。》
「へぇ、想像なら物体であろうと召喚できるのか。そして、定期的に魔力を注ぎ込まなくても消滅することは無いと、消す時は消えるように命令すれば消えてくれる、同じ召喚対象は10体まで召喚できるのか、普通召喚はいくつでもできるって言うのにな。」
《間違いありません。》
「で、魔王城まであとどんくらい?」
実は魔王城の場所もこの全知全能に聞いていたんだ、確か大賢者ってスキルも同じ様なことできるらしいけど、全知全能の方が有力だって言うらしい
《もうすぐ着くはずです。あっ、ほらあそこ、山と山の間から魔王城が見えてますよ》
「……あれか、でも今はあまり分からないなそれにしてもさ、さっきからずっと力が湧いてくる気がしてしょうがないんだけど」
《それはきっとあのアベルってモンスター?が関係しているはずです》
なるほど、召喚したやつが倒した魔物の経験値は召喚者側に来るのか
………………………………
「やっっっとついたー!」
《長かったですね。それにしてもあのアベルって少年、凄いですね》
「あぁ、そりゃそうだ。なぜって、最強すぎる体を持った男だからな。それにSCPのkettelに任命されてるし」
《ケテル?何ですか?それは?》
「あぁ、それはな…………」
《………………なるほど、なんの支障もきたすことの無いSafe、収容はできるが世に解き放たれたら生存を疑われてしまうような存在のEuclid、収容不可能、もしくは破壊不可能、もしくは破壊対象のKettelですか。まさかあなたがいた世界にそんなものがいたとは……》
「ま、完全無欠のフィクションだけどな」
《じゃぁ、実際には存在しないという事ですか?》
「まぁな。と言うよりも、この城どーやって入んの?」
《……正門がしまっていますね。開けましょうか。》
「で?どーやって開けるの?暗証番号とか?」
《アベルに頼みましょう》
「は?」
《風穴を開けます》
「…………お前がそんな大胆なやつなんて思わなかったよ…」
《?どういう意味ですか?》
「まぁいいよ、アベル!この門ぶっ壊してくんねぇかな?」
(ドゴォォォォォォン!!)
扉が強い衝撃が加わったように大破する
「うぇ!?」
《思ったよりも速かったですね》
「あ、あぁ、そうだな……」
ビビった〜!!やりますよ〜とか言ってよ!!
でも魔王になるまでの道のりは短く縮んだ気がする。あと少しで復讐の土台が出来上がる!待ってろよ……魔王!
SCPとは、自然法則に反した『存在』、『場所』、『物体』、『現象』の事を言う。
中でも、SCPを取り扱う『SCP財団』という組織は、そんなSCPを『保護』、『研究』を世界各国の政府より委任された秘密結社である。
保護されたSCPは『SCPオブジェクト』、これらはそれぞれの『特別収容プロトコル』のファイル番号で呼称される。
財団はSCPが一般に出回ると正常な感覚を揺るがすだけでなく、場合によっては人類の生存そのものを脅かしかねないと考えている
※コレはフィクションです。