痛恨のミス
「ごめんな」
「ううう…………」
「辛いだろう」
「ヒィィー」
「すまない」
「アアァァ…………」
各部屋を回り謝罪しながら子供達に薬を塗布する。
私は学園の学生寮を預かる寮監として寮内の子供達の健康には気を付けていた。
多数の子供達が集団で生活する場所のためたった1人でも罹患すると瞬く間に集団感染に至る。
だから帰寮したら手を洗いうがいする事を規則の1つに定めた。
お陰で冬の間流行していた、インフルエンザやノロウィルスの罹患者を1人も出さずに済んだ。
それなのに。
脱衣所の足拭きマットの交換を忘れたばかりに、入寮している子供達全員が水虫になってしまった。