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先輩のアジテーション

先輩のアジテーション4

作者: 峠日音

#4「拐われる勇気」


それは先輩がまだ後輩だった頃のお話。当時先輩が所属していたアナーキスト集団「インフィニティ・モンキーズ」は24時間テレビ(彼らは「テレビジョン界の癌」と呼んでいる)を今年こそ中止に追い込もうと東奔西走なんのその。でも日テレのガードはカッチカチ。謎の圧力によりメンバーの数名が既にブタ箱送りとなっていた。先輩をはじめ残されたメンバーも満身創痍のあまり、回る扇風機を1時間見続けたりしていた。疲れと苛立ちから、メンバー間の言い争いも絶えない。


「ゆめにっきは気軽にやるゲームじゃないのよ!終わったら宿題やらにゃとか卒論書かなきゃとかいう雑念は全部取っ払って清らかな気持ちで臨まなきゃダメ!ダメ!」

「五月蝿いわね!何でフリーゲームやるのにラーメン二郎みたいなルール与えられなきゃなんないのよ!どう遊ぶかは人の勝手でしょ!」

「ムッキー♡そんな生半可な人が入ると民度が下がるって言ってんのよ!お子様はSCP(注:こどもむけのこんてんつだよ。おうちのひとといっしょにみてね)でも見てなさいよ!」


さぁ加熱した議論はキャットファイトに突入だ!チョップ!チョップ!チョップ!チョップ!チョップ!


「やめろ!冷静さを失った瞬間、人は獣に成り下がり敗北を意味するのだ!それを忘れるな!」

「副隊長!(注:当時の先輩の事ですよん♡)」

「日テレ軍はすぐそこまで迫っておるのだ!皆の団結が無ければ我々に明日は無い」


シュプレヒコールの渦の中、先輩副隊長は内心不安だった。ノリとタイミングと紆余曲折で副隊長にまで成り上がってしまったけど別に24時間テレビは嫌いじゃない(観ないけど)。この戦いが終わったら引退しよう(先輩の引退から9年後、急成長を遂げたインフィニティ・モンキーズは日本アメリカ中国の主要都市を破壊、資本主義経済は崩壊することになるがそれはまた別のお話)。




そして現在。

「オィィィィィ!!!!SCPは次世代クトゥルフ神話の最先端であって陰キャコンテンツじゃないだロォォォォォ!!!!」

「先輩誰ですかこの銀魂好きの女みたいな人は」

「神谷奈緒だ。イニモン(インフィニティ・モンキーズ)で同期だったんだよ」

何を好きになるかは貴方が決める事。誰に何とけなされようとも愛を持ち続けられるコンテンツのファンでありたいものである。


以上

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