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ひとりぼっちの竜

作者: 森宮 流架

ちいさな村のはずれに

一匹の おおきな竜が すんでいました。


竜は いつも ひとりぼっちでした。


なぜって

竜は とてもおおきくて

とても こわい顔をしていたのです。


だから

村の人たちは

わるい竜だときめつけて

だれひとり

竜をたずねては きませんでした。


だから竜は いつもひとりぼっちでした。




そんなある日のことです。


ひとりの女の子が

竜のところへやってきました。


女の子は まいごになってさまよっているうちに

つい 竜のところに たどりついてしまったのです。



女の子は びっくりしましたが

竜がとてもおとなしく

やさしいことがわかると

女の子は すっかり この竜がすきになりました。


竜と女の子は

日がくれるまで

木の実をたべたり

いずみであそんだりしました。


そして いつしかふたりは

つかれて ぐっすりねむってしまいました。




ちょうど そのころ

村では おおさわぎになっていました。


女の子が 森にはいったままもどってこない。


きっと竜に つかまってたべられてしまったのだろう。


きっと そうにちがいない。


あんないい子をたべてしまうなんて

なんてわるい竜なんだ。


村人たちは口々にさけびました。


そしてみんな

手に鉄砲や弓をもって

竜をたいじしようと

森へと はいっていきました。




村人たちが 

竜のところまで来たとき

まだ竜も女の子も

ぐっすり ねむっていました。


それを見た 村人たちは

女の子が 死んでいるのだと思いました。


そして村人たちは

いっせいに 竜にむかって

鉄砲をうち、矢を射ました。


竜はびっくりしてとびおきました。


竜のうろこは

とても かたかったので

竜は けがは しなかったけれど

とてもかなしくなりました。


なぜ、みんなぼくを いじめるんだろう。


竜はひと声おおきくなくと

はねをひろげ 空へとんでいきました。


そして にどと もどってはきませんでした。




女の子は竜のなく声で

目をさましました。


そしてあわててとびおきると

なきながらみんなをとめました。



「竜はとてもやさしいのに

なぜみんな竜をいじめるの。」



女の子の話をきいて

村人たちは

自分たちのあやまちに 気がつきました。


けれど、竜は いってしまったのです。





いまでも竜は ひとりぼっちで

どこかの空を さまよっているのかもしれません。


〜fin〜


最後までご覧頂きありがとうございました。

ご感想等頂けると、とても嬉しいですっ

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― 新着の感想 ―
[一言] こんにちは、アクテスです。 なんだか竜がかわいそうですね。 最後まで恐ろしい竜だと思われていた竜の気持ちがよくわかります。 かなしい物語ですね。 自分はこういう小説は好きですね
2009/05/04 20:54 退会済み
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