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異世界女子、精霊の愛し子になる  作者: サトム
二章 異世界女子、異世界で生活してみる
16/26

異世界女子、精霊の本質を見る

このお話はフィクションでファンタジーです。

 エインズワース侯爵親子との対談を終えて一息吐いたところで、千早はゆっくりと辺りを見回してみた。

 (きら)びやかなといえば言えるだろうが、定例の夜会であるからそこまで力の入った衣装ではないとラスニールは言っていた。千早からすれば十分すぎるほどの(よそお)いであるから、彼らの本気はどれだけ派手なのだろうかとちょっと興味が出た。今度柱の陰からこっそり覗き見させてもらえないだろうか。クジャクの羽根とか背中に背負っていたらどうしようと笑いをかみ殺した。


 人々は笑って語り合いながら(なご)やかに交流をしているように見えるが、常に周囲を(うかが)い、今はレスタと千早にチラチラと意識を向けてきているのが嫌でも判る。

 それを見れば下位の者から高位の者に声をかけてはならないというマナーの理由をしっかりと理解できた。人々の求めるままに会話をしてしまえば、王族などは夜会を楽しむどころではないだろう。ただただあいさつやお世辞や自分を売り込む言葉ばかり聞いていたら仕事にならないからだ。


 今回で千早は平民の契約者と認識された。レスタは精霊で地位を持たないし、平民の千早に話しかけることができるのはここにいる貴族全員だ。それなのにレスタと千早に面識のある人間以外近づいてこないのは、後見のクラウンベルド公爵と精霊王のレスタが恐ろしいからだろう。


「ラス様の御威光は凄いね」


 満足するほど食べた千早が一息吐いているときに何気なく漏らすと、レスタの青い目が優しく細められた。


「本当は千早をここに連れてきたくはなかったのだよ。そなたは貴族とは別の暮らしをしているし、そなたを利用しようと近づいてくる者もいるだろう。それに魅力的なそなたを……」


 すりっと首筋に湿った鼻を甘えるように押し付けたレスタがそのまま動きを止めて、言葉まで止めてしまった。それでも言いたいことがなんとなく判ったから手を伸ばしてレスタの頭を抱きしめると、千早は小さく笑って頬をふさふさのたてがみに擦り付ける。


「レスタ。私、王太子殿下の後宮入りすら断ったんだよ。理由は判る?」


 絶対判ってないだろうと笑う千早はお互いの体温と鼓動を感じながら思案する自分の精霊に語り掛ける。


「そこに愛がないからだよ。どんなに高い地位やいい条件を出されても、そこに愛がないなら私にとって魅力的とは言えないの。ラス様の後見を受け入れたのも、そういう流れもあったのは確かだけれど、一番はラス様が私の身分を変えることなく生活を支えると言って下さったからよ」


 妻になるとか養子になるというのは千早の身分を変えてしまうし、力のない千早はその地位に依存してしまうだろう。そうなればその地位がなくなった途端に何もできない人間になってしまう。


「それに私なんてレスタの契約者という魅力以外なにもないよ。私を欲しがる人はレスタと関わりを持ちたいという人くらいだし。精霊が契約者を(いつく)しむのは知っていたけど、レスタのそれはちょっと贔屓(ひいき)すぎるわ」


 少し着飾って夜会に出たくらいで貴族に見初められるほどここにいる人たちは馬鹿じゃない。おとぎ話と現実は違うのだ。たとえば王太子のファリシオンが夜会で初めて会う見惚れるほど美しい女性と言葉も交わさず恋に落ちるなんて、レスタが人型になるより想像できないと千早は断言できる。


 そしてここにきてもう一つ、明確に判ったことがある。

 こんなに大勢の貴族と護衛のいる中で、たとえ庭や控室だとしても人一人を殺すのは容易ではないと。それだったら日常で、千早なら図書館や王城の廊下などで通り魔的に犯行に及んだほうが成功しやすくなるだろうし捕まる確率も格段に低いだろう。

 それならばメイサたちが心配していた事柄とは……


「失礼する。私は緑騎士団団長イライアス・サムソン。侯爵家の人間だ」


 細身で神経質そうな鋭い灰色の目、白髪の混じった金髪を後ろに撫で付けた緑騎士の制服を豪華にしたものを身に着けた男が突然割って入ってくる。この国にある騎士団で千早が会ったことのない最後の一人の団長だと名乗った男は、勧められてもいないのにソファに座ると給仕を呼んで飲み物を一口飲んでからこちらを見た。


「一つ聞きたい。なぜ青騎士を護衛に指名した」


 威圧感や機嫌の悪さをこれでもかとまき散らしながら、こちらの都合などお構いなしに質問してくる貴族騎士の態度に、千早はレスタと視線を合わせて意思を確認する。背後に立つ部下らしき緑騎士たちもあからさまに睨んできているのを知っていてこの質問をするのならば、この男は相当頭が悪い。グランバル青騎士団団長は『狡賢い』と評していたが、副団長から『貴方が単純すぎるんです!』と突っ込まれていたから本当のところは今から確認するしかないだろう。


「サムソン緑騎士団長、それは」

「これは人の話だ。精霊は口を出すな」


 いさめようとしたレスタの言葉を遮る礼儀のない男に千早の作り笑顔が歪む。言い返してやりたいと思うものの、彼らのさらに後ろで小さく首を振るラスニールの姿を見てぐっと唇を噛みしめた。


「それで? なぜ青騎士を護衛に指名した」

「信用できたので」


 なるべく平たんに感情を込めないように低く答えると、サムソンは上から見下(みお)ろしてくる。


「平民の集まりが信用できる? 貴族の子息で構成された私の騎士団よりも? さすが精霊の契約者だな。愚かなその考えは誰に吹き込まれた」


 実体験だよ、この野郎。それに言葉の意味を判ってんのか。私はてめぇの騎士団は信用に値せずと言い切ったんだぞ。それと質問は一つじゃないのか、ボケが!


「私の青騎士団への信用がそれほど気になりますか?」


 無理やり作った千早の笑みに頭の中の罵声が聞こえたかのようなレスタがかすかに反応するも、男は気付かなかったようで冷たい視線を愚かな娘に向け続ける。


「たかが平民に私の騎士団がどう思われようと気にはならん」

「そうですか」


 これ以上不愉快な思いをしたくなかった千早が一方的に話の流れを断ち切ると、その場だけ重い沈黙が漂った。


「……本来ならばお前のような者がこの場所にいることすら不敬だというのに、恥というものを知らないらしい。無知なお前に私が教えてやろう。ここは貴族の場だ。そしてこの国は我々が動かしている。精霊の契約者といえどもたかが平民の生意気な考えは捨てることだな」


 最終的に何が言いたいのか判らなくなってきたらしい男の話を聞き流していると、千早の足元で澄んだ高い声が響く。


「え? このおっさんが国を動かしてるの?」


 いつの間にか王妃から離れた黒蛇のファイが驚いたように彼を見上げていた。


「違いますよ。この国の王はサラディウス三世(サード)陛下です。まだまだほかに高位貴族はいるんですからサムソン家が牛耳ることはないですよ」


 とても人間らしい答えを落ち着いた声で返したのは、いつの間にか近くに来ていた銀狼のカイである。彼は第二王子レインナークの精霊でネズミの精霊ロイが苦手とする相手だ。


「千早はとても賢いけれど、この男は千早以上に頭が良いわけ? そうは思えない言動なんだけど」


 怒り心頭だった千早ですらそろそろ止めてあげてと思ってしまうくらいに切れ味鋭い言葉を発しているのは魔導士長のサルの精霊リューだが、彼を乗せてきたリーガが千早にすり寄りながら赤い目で男を見る。


「相変わらず千早はいい匂いだな。その男の腐ったような臭いが付くのは不愉快だから近づいては駄目だよ」


 この男、相当精霊に嫌われているなと千早が感心するほど精霊たちの言葉には容赦がない。


「そうよ。たかが(・・・)緑なんて気にしないで私と遊びましょ?」

「ファイ。『たかが』なんて言ったら失礼だろう。たとえ実力で選ばれる青騎士団団長とか王族からの信頼で選ばれる黒騎士と違って、緑騎士団の中で最大派閥を作ったから団長に選ばれたんだとしても、それは慣習だから仕方がないじゃないか」


 聞いているこちらが気を使ってしまいそうな容赦のない事実を、楽しそうに本人の目の前で話すファイとカイ。怒りで真っ赤になっていく緑騎士団団長にレスタが最後の爆弾を落とした。


「緑騎士などいなくなってもこの国に不都合はないが、我々精霊が消えれば存続が危うくなる事実を知らないのか? それともいじめられていて故意に知らされていないのだろうか? 心当たりがないのならそなたの両親に相談してみるといい」


 本気で心配しているレスタの言葉に精霊たちはそうだったのか!と、同情のまなざしを一斉にサムソンに向ける。千早は堪えきれずにレスタに抱き着いて体を震わせ、かろうじて笑い声を出さないようにするのが精いっぱいだ。メイサや給仕の呼吸も早く浅いのを見ると、こちらも表情には出さないだけで笑いを堪えているのだろう。


「友達いないの? 可哀想だね~」

「友人とはいいものだ。信頼の置ける者を一人でも作ることを勧める」

「それに賢くなりたいなら本を読めばいいと思うよ。王城の図書館ならタダで借りることができるから」


 精霊たちが口々に『友達がいなくて常識を知らない緑騎士団団長』へとアドバイスを送る様子は、見ていて焦りと同時にほほえましさすら感じるが、当の本人は顔を真っ赤にして黙ったまま立ち上がり足音も荒く去っていった。


「別れのあいさつすら知らないとは……可哀想に。誰か友人になってやればいいのに」

「え、やだ」

「私にも友を選ぶ権利がある」

「愚か者は嫌いだよ」


 ひんやりと冷たい体を千早に巻き付けてつぶやいたリーガだったが、彼の言葉を精霊たちは一斉に拒否する。先ほどまで同情していたというのに酷い掌返しに千早の腹筋はとうとう陥落した。


「うふっ、ふっ、ふふっ」


 口をあけて笑ってはいけないというマナーを思い出してなんとかマナー違反にならない程度に笑っていると、心配したらしいラスニールとジラール近衛騎士団長が連れ立って訪れる。だが千早をはじめとしてメイサや給仕の青年まで笑いを堪えるという異様な雰囲気に二人は顔を見合わせた。


「何があった」


 緑騎士団団長が去っても千早のそばを離れない精霊たちだが、ラスニールに説明する気はないらしく各々が自由に(くつろ)いでいる。真紅の目が説明しろと向けられたので千早は仕方なく彼との会話を詳しく話した。


「それでみんな(精霊たち)はあの人に友達がいないと思ったらしくてアドバイスをしてあげてたんですが、結局自分たちは友達になりたくないという結論に達しました」


 精霊に対する侮蔑と平民に対する差別、そして精霊王の契約者の警護を任されなかったことで尊厳を傷つけられたと責任転嫁ともいえる責めに腹は立っていたが、そんなものなどどうでもよくなるくらいには精霊たちの意見と態度は笑えたのだ。

 なにより彼らの言葉が嫌味ではなく、一部本気だったからこそ溜飲が下がった。


「ねぇ、ジラール団長。あの人、性格悪いし頭も悪いし、さようならの挨拶もできない可哀想な人だけど、誰かお友達になってくれそうな人はいないかな?」

「心配する必要はないよ。彼らを見てごらん。あれだけ人が集まっているのだから誰か一人くらいは賢い友人がいるだろう」


 王族のそばにいることが多いせいか黒蛇の精霊ファイにも慣れた様子で対処するイケオジ……ジラール近衛騎士団長のいう通り、緑騎士団長の周りには派閥らしき男性たちがこちらを睨み付けている。


「お前は大丈夫か」


 気遣うラスニールだがわざと助けに来なかったことを知っている千早は小さく肩をすくめた。


「笑いを堪えるのにたいっっっへん苦労しましたが、たぶん失言はしてないと思います。それにしてもこれだけ精霊がいるのに彼らの思想の偏りが凄いですね。ペットが懐かないからもういらないと駄々をこねる子供のようでした」

「子供ならこちらも苦労はしないさ。まったく……国王ですら精霊の契約者であるこの国で契約者をないがしろにする意味が判っていないのだろうな。精霊が政治に口を出せないことと契約者を下に見ることは同等ではないのだが」


 やれやれといった様子でグラスをあおるラスニールは面倒くさそうに天井を仰ぎ見る。


「ただアレらも精霊を(・・・)持てない(・・・・)不満を(・・・)持つ(・・)貴族(・・)を集めるのにちょうどいいからな」


 ぼそりと発せられた言葉に千早はああそういうことかと納得した。

 精霊の力は人を超える。たとえ気まぐれな性格の彼らでもそばにいれば契約者の役に立とうとするし、その力を十全に行使することもあるという。そうなれば契約者とそうでない人の間に格差が生まれ、差別が生まれるのだろう。


 精霊の契約者になる条件など何もない。精霊がその時にその人を気に入ったかどうかというなんとも適当なものだ。人によって持って生まれた才能が違うように契約者になるのも才能と運だと千早は知っているが、そこに精霊の意思が入り込むかぎり選ばれなかった者には劣等感が付きまとうのだろう。

 それが貴族で、プライドが高ければなおさら耐え難いものになる。そして精霊に選ばれなかった貴族の中に精霊を見下して自分を高く見せようとする者が出てくるのだ。


「でもそんなの自分たちだって貴族に生まれたという運でしかないものを自慢してるじゃない。あの人の実力で貴族に生まれたわけじゃないのに甘すぎない?」


 どんなに精霊たちが彼をコケにしようとも、やはりどうしても腹が立っていたらしい千早は子供っぽいと判っていながらどうにもならない正論を後見人にぶつける。

 大人な二人は苦笑いを浮かべるのみだ。


「チハヤ殿の不満は判るし、他国から流れてくる精霊を下等な生き物と見る風潮が強くなってきているのは確かだ。だが精霊という存在は自然と一緒で人にどうにかできるものではないと、この国の者ならよく知っているからね。私たちがどうにかしなくとも彼らは痛い目を見ることになるよ」


 素敵なおじ様のジラール団長に言われて少しばかり機嫌を直した。確かに精霊たちは自分たちへの悪意に鈍感だが、契約者への悪意には敏感に反応した。最近の話だとネズミの精霊ロイが契約者のジークの背中を蹴った緑騎士の男の家に入り込んで、男の秘密を妻に暴露してきたらしい。

 もちろん精霊の仕業と気付かれないようにしたらしく、彼らは家庭内別居になり婿だったこともあってあの男は肩身の狭い思いをしているという。それをロイから自慢された千早は地味に辛いだろうが、ざまぁみろとも思った。


 それに精霊のしたことは罪に問われることがほぼないのだ。なぜなら彼らを止めることもできないし、だからといって契約者に咎を負わせるわけにもいかない。それを認めれば王ですら精霊の罪を償わなければならなくなるからだ。

 国王の精霊は白鷲のスノーという名前で、彼も王族に近い人間を契約者に選ぶことの多い精霊だ。レスタやリーガと一緒で精霊にしては思慮深い方だが、それでも精霊ゆえに時折やらかしてしまう。この間は国賓をもてなす王妃のお茶会で使用される氷菓子の上に着地してしまい、包丁を持った料理長に追い掛け回されていた。

 スノー曰く、キラキラ光ってきれいだったので我慢できなかったらしい。内心カラスか!と突っ込んだ千早だが、本気でしょんぼりしていたので「あまりに綺麗だと触りたくなるよね」と慰めておいた。次からはきっと気を付けるだろう。


「そうでしょうね。精霊に行けない場所はない、ですから」


 諜報員としてならこれ以上の優秀な才能はないのだが、天は二物を与えずということなのだろう。彼らが動く理由は契約者というごく単純なものだった。


「それでも再起不能にしては駄目だからな」


 低い声で脅すように物騒な言葉を発したラスニールに千早は驚いたが、彼は精霊たちに言ったのだ。周囲を見回せば集まった精霊たちが悪い顔で笑っていて、なぜかレスタも機嫌よく尻尾を揺らめかせている。


「ダイジョウブ。傷『は』つけないよ」


 即座に反応した黒蛇。


「緑騎士団の名誉『も』汚さない」


 凛々しく言い放つ銀狼。


「あはは、家族『に』迷惑はかけないし~」


 楽しそうに笑う猿。


「一番大切なものには手『を』出さない」


 抑揚なく語る白蛇。


「精霊の前で契約者を、精霊の愛し子を馬鹿にするということがどういうことなのか、誰かが教えてあげないとな」


 最後にレスタまで加わって楽しそうに笑う精霊たちに、ラスニールは天を仰ぐように上を向いてため息を吐いてから千早を見た。

 救済を求める視線に、けれど千早はにっこり笑って首を横に振る。


「私、あの人嫌い」


 あの男に直接拷問されたわけではないが、それでも彼からの指示で下の緑騎士が動いていたのはグランバル青騎士団団長の報告で知らされていた。そして謝罪でもなくこちらを気遣うでもない今日の発言では(かば)う要素がまったくないし、千早自身慈悲深い人間でもないので彼を助けようとは思わない。

 それにどんなに千早が願おうと、大切な人を馬鹿にされた精霊たちが簡単に許すとは思えなかったのだ。今回は浅はかな行動をとった相手が悪いということにする。


「気にせずとも良いのではありませんか? クラウンベルド閣下。緑騎士団の(あたま)は誰がなっても同じようなものです」


 大柄な体で柔和で穏やかな面持ちのジラール近衛騎士団長とは思えぬ辛辣な物言いに、千早は驚いて彼を見る。そういえばこの人は千早がファリシオン殿下の寝室に落ちたことも、転移魔法の失敗で済まそうとした人物だったと思い出した。

 そんな豪胆なところも素敵だと思えてしまうあたりイケオジとは得である。


【後日談】


 その晩。王都のとある貴族邸で騒ぎがあった。簡単に言ってしまえば屋敷の数か所でボヤが上がったらしい。

 幸いにも焼けたのは小さな品で実質被害はないと報告されたが、翌日から件の屋敷の当主である緑騎士団団長が十日ほど休みを取ったようだ。

 理由は屋敷の警備の見直しと煙を吸った奥方の看病とされたが、彼が不在の間にとあるうわさがまことしやかに王城にて囁かれるようになった。


 それは屋敷で燃えたのは当主の『かつら』で、複数個所に隠してあったはずのソレが火の気もないのに燃えてしまったというものである。

 おかげで新しいかつらができるまで仕事を休んでいるのだという。


「ねぇ、レスタ。あなた達の仕業なの?」

「なんのことかな。私はサムソン邸でボヤ騒ぎがあった、と誰かが話していたのを聞いただけだが」

「そっか。それじゃ、判らないよね」

「何がだ?」

「緑騎士団団長に会った時は違和感を感じなかったから、本当にアレがかつらなんだとしたら凄いなぁと思って」

「……リューの話では事実だったようだが」

「そうだとしたらこの世界のかつら事情は凄いわ。興味出てきた」

「それは良かったな」

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