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幼女の世界

作者: 卯月詩句


 拝啓


 お父様、お母様


 僕、幼女になりました


 貴方達が育み育ててくれた身体がこんなことになってしまい申し訳ありません


 ただ、一言言わせてください


 幼女すっごい楽しいです






◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






 幼女の(もと)、それが発見されて世界は変わった。


 幼女の素によって人間は後天的に幼女になることができるようになったのだ。


 また、幼女の素を兵器化した幼女粒子の開発によって全人類は幼女となった。


 幼女粒子とは、名前の通り幼女の素を粒子化したものだ。ただ、それだけで全人類が幼女になるようなものではない。


 では何故、全人類が幼女なったのかというと、各国の軍部が幼女化によるデメリットの身体能力の低下を目的にこぞって幼女粒子を用いた兵器を開発したからだ。


 だがその軍部の目論見が叶うことはなかった。


 幼女粒子の大量散布により幼女化による身体能力の低下をさせることはできた。しかし幼女化により闘争意欲は低下し、戦争は子どものケンカ程度にまで成り下がったのだ。戦場に鉛玉が飛び交うことはなくなり、望まずして戦争の根絶という人類の最大目標は達成されたのである。


 幼女粒子の影響は他にもある。


 粒子が世界に満ちたことによる物理法則の一部の変化や、また、全人類が幼女化したことによる男の消滅、etc


 ここで、疑問を抱いた人も多いだろう。男がいないのなら人口は減る一方ではないか。だって子どもができないのだから。と


 しかし、問題はない。だって赤ちゃんはコウノトリさんが運んでくるのだから!


 小さい頃言われたことがないだろうか、赤ちゃんってどこからくるの?という問への答えに、赤ちゃんはコウノトリさんが運んでくるのよ、と


 それが現実となったのである。



 え?大人がいないのに、生活ができるのか?


 できるのです。なぜなら妖精さんが手伝ってくれるから。


 幼女が楽しく過ごすために、お料理、お掃除、お洗濯。それから畑のお世話なども。ありとあらゆることを妖精さんが手伝ってくれるのだ。


 そう分かって頂けただろうか、ここは理想郷である。


 誰もが夢見る優しい世界


 それがこの世界である


 嗚呼、なんと素晴らしきかな幼女とは


 なぜ、僕は最初から幼女に生まれてこなかったのだろう


 幼女とはこんなに素晴らしいのに


 幼女に幸あれ、幼女に栄光あれ


 この幸せが少しでも長く続きますように⋯⋯






◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






「⋯⋯先輩この人もですか?」


「あぁ、おそらくそうだろう」


「非合法ドラッグ『ねぇ、ようじょになりませんか?』通称『幼女の素』

 なんでこんなものに手を出すんでしょうね

 私にはわかりません」


「誰もが現実に折り合いを付けて生きていけるわけでは無いってことだ。

 お前にもいつかわかるときがくるさ」


「そうなんでしょうか」


「ああ」




⋯⋯非合法ドラッグ『ねぇ、ようじょになりませんか?』

 これは誰が作ったのか、どこで買えるのか、その一切が闇に包まれているのに、その効能だけが広く認知されている。


 曰く、服用すると幼女になることができる。


 曰く、幼女しかいない優しい世界に行くことができる。


 しかし、その事実は服用者にしかわからないだろう。

 だが服用者は決して目覚めることはなく、事実を確認する方法はない。

 

 そう、これは終わらぬ夢を見る薬である。


 現実に疲れた者のもとに人知れず届く、現実と決別するための薬。


 さぁ、次は誰が幼女になるのだろう



『ねぇ、ようじょになりませんか?』



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― 新着の感想 ―
[良い点] 独特のストーリーで面白かったです。 進め方も程よくて見やすかったです。
[良い点] 文章が読みやすい! 習いたいくらいです。 [一言] 面白かったです。 最後の展開にびっくりしましたが、これ、ある意味ホラーですね!
[一言]  コウノトリさんと妖精さん。  このコンビ最強じゃないですか!!
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