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異世界で、自由を満喫します  作者: 妄想作家
10/10

7話 来客?

「今日もか·····」


 あれから毎日、朝方や訓練が終わって夕方に小屋に戻って来ると小屋の入口に必ず果物とかの幾つかの食料が置かれていた。

チラッと横目で何時もの方角を見ると、ドラゴンスライムが僕の様子を木の影から顔を出して見ていた。


「今日もありがとうね。

でもこんなに毎日取ってきてくれなくても良いんだよ。君も大変でしょ?」


 僕の問いにドラゴンスライムは、一言「クワァァ」と鳴いて何時もの様に何処かに行ってしまった。

こんな関係がそれからも続いていた。


 だけどそんな関係にも少し変わったこともあったんだ。

きっかけは気分転換も含めて入口を開けっ放しにして空気の入れ替えと掃除をしたりしてのんびりしていたら、ドラゴンスライムが入口から覗いていたんだ。

「いらっしゃい」って言って、そのまま何をする訳でもなくて僕は僕でのんびりと過ごすのを続けて、中の様子を伺っているドラゴンスライムは好きにさせることにした。

入ってくるも良いし、そのままで居るのでも良いし。

 それと、僕自身も少しだけ変わった事もあった。変わった事って言うか分かった事かな、僕が覚えたスキルなんかが、クリスタルオンラインで使っていたキャラクターの覚えていたスキルと同じだと言う事だ。

きかっけって言う事でもないけど、フッと思い出したように気が付いたんだ。もしかしたらデウスとバンデストの神様2人がスキルに慣れやすいように、クリスタルオンラインの世界の能力そのまんまじゃなくてプレイキャラクターの能力にしてくれたのかもね。


 しばらくの間ドラゴンスライムが中を覗き込んで居たんだけど、飽きたのか森に帰ろうとしたから「またおいで」って言って挨拶したら来た時と同じように「クワァァ」と鳴いて帰って行ってしまった。

それからはほぼ毎日僕が小屋に居れば入ってきたり覗き込んでいたりして、短い時間だけど一緒に過ごすようになったんだ。




 ドラゴンスライムとの不思議な関係を続けながらも訓練を兼ねた狩りをしていく日々を送っていたら、若干困ったことになってしまった。

何に困っているかと言うと。帰ってきたら僕の小屋の入口のドアが少し空いていて、人の気配のような物が感じ取れたからなんだ。確かに入口のドアは閉めたし、ここに人が来るなんてことは一度もなかったからどうしようかとビビっているんだよね。

まぁココに居ても何にもならないから、そっとドアを開けて中を覗くと部屋の奥に2人蹲る様にして居た。


「どなたですか?

ここは僕の小屋なんですけど」


 僕が気配を出さずにいきなり声をかけたからか、2人はビクッと体を震わせたと思うと1人が恐る恐るこちらに顔を向けてきた。


「・・・!

お願いです!少しだけ、少しだけで良いのでココに居させて下さい!」


 顔を向けてきたのは女の子だった。


「居させても何も、何があったか位は教えて欲しんだけど?」


 僕の質問に対して女の子はもう1人の子を自分の背に隠すようにしながら話し始めてくれた。


「私たち姉妹は、この森の近くに有る小さな村に住んでいるんです。

そこで両親に頼まれて、妹と一緒に村の外で薬草摘みをしていた時に盗賊に捕まってしまったんです。

何とか森の中で逃げ出してきたんですが、何日か動き回って疲れて動けなくなるし私も妹も怪我も負っちゃたしで。

そろそろダメかと思ってきた時に、この小屋を見つけて逃げ込んだんです。

動けるようになるまでの間だけで良いのでここで休ませて下さい!」


「うん良いよ」


「へぇ?」


 僕が即答で了承したのが勘違いだと思ってしまったのかな?


「だからここに居て良いよ。

別に悪い事をしたんじゃないんでしょ?それにその子が妹さん?ずっと震えてるし、君も怪我だらけじゃないか。ちゃんと体が休まるまで居て良いよ」


「あ、ありがとう御座います!ありがとう御座います!」


 姉の方がしきりに感謝し始めたけど、僕はそれを止めて、ある事をして上げることにした。


「そんなに頭を下げなくて良いよ。

困っている時はお互い様でしょ?それとちょっとごめんね?」


 何時でも使えるように腰に着けていた、薬草を煮込んだりして作った簡単な回復役もどきのエキスを姉に塗って上げて傷を癒して上げた。それが終わったら同じように妹ちゃんの方にも同じようにして上げた。

妹ちゃんは、僕がまだ怖いのか未だに目をギュッと閉じて視線を合わせてくれないし喋ってもくれない。

ちょっと気持ちが凹んだ。


「済みません、手当までしてもらって」


「さっきも言ったでしょ、困った時はお互い様だって。

しれと良ければお風呂入る?その奥にあるから疲れも少しは取れると思うし、気分も少しは良くなると思うよ?」


「お風呂って、貴族様が入るっていうヤツですか?」


「あれ?普通の人は入らないの?」


「普通はお風呂なんて貴族様と大成功している商人の人位しか入れませんよ。一般人の私たちは体を拭うこと位しかしませんから」


 知らなかった、でも在るんだから良いか。


「そっか~、でもここに作っちゃったから入っても良いよ?

使い方とかは適当で良いから」


「でも・・・」


「良いの良いの。入れる時に入らないと損だよ?」


 僕の一言で入る事にしたのか、お風呂と言う使ったことの無いものへの興味が優ったのか結局入る事にしたみたいだ。


「じゃ、じゃあ入らせて頂きます」


 妹ちゃんを連れてお風呂に向かっていく姉を見送ってから、彼女たちにも夕ご飯を食べさせてあげようと思っていつもよりも多めにご飯を用意していく僕だった。

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