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最後には何が映る?

作者: 琉未

「私ってさ要らないよね」


そう言って笑みを浮かべた。




突然だが、わたしは今から飛び降りようと思う。



なんかね、疲れちゃった。

それに私なんかいなくても大丈夫だから。



家では、両親の絶えない夫婦喧嘩。

学校では、嘘・偽りだらけの関係。

居場所なんてない。


勉強が出来る訳でもない。

どちらかと言えば出来ない。

特にこれといった特技もない。




繰り返される、同じような毎日に嫌気がする。





生きている意味なんてない。

存在価値もない。

必要とされない。

必要とされるとして、都合のいい道具。



最近では、信頼していた君まで私のことを迷惑そうな眼で見てくる。


あーあ。

愛してたんだけどな……

好きだったんだけどな……



歪んでるって言われたって仕方ない。

でも、私なりに、愛してた。



……私は、依存してたのかもしれないね。

君の優しさに。



両親の喧嘩が絶えなくて、毎日怒鳴り声と罵声を聞いていた。

そのうち、両親の喧嘩は私の責任なんじゃないか、と負い目を感じるようになった。


友達との関係は偽りだらけ、嘘だらけ。

私なんて、いてもいなくても変わらない。


頭では理解していた。

私が要らないことくらい。

でもね。

やっぱり、寂しかった。

いくら強がっても独りぼっちは辛かった。




居場所が欲しかった。

安心したかった。





そんなとき





「無理すんな、辛いならそう言え」


なんて、君は甘い言葉を私に言ったんだ。



馬鹿だね。

哀れだね。


頼ったら迷惑になるってわかってたのにさ。

信じたらいつかは、裏切られるって知ってたのにさ。


求めちゃった。

居場所を、優しさを、安心を、言葉を……


私は君に沢山、甘えたね。

沢山、縋ったね。

沢山、頼ったね。


君は言ってくれたね。

「僕が傍にいる」って。


ありがちだけど、君らしい言葉。

嬉しかったよ。



でも、頼りすぎたみたいだね。

ごめんね。



でもさ、離れるなら優しい言葉なんて言わないで欲しかったな。


求めちゃうじゃん。



あ、涙、出てきた。

そういや最近泣いてなかったな。

といよりは、泣けなかったんだけどね。

泣こうとしても涙出ないし。



あはは



なんか、笑えてきた。





「最後くらいは、****たかったな」





私は泣きながら笑って、飛び降りた。



落ちる前に君の姿が見えた気がする。


焦ってたなぁ……


でもね、暫くしたらどうせ私のことなんて忘れるでしょう?





「さよなら」

ちょっと(いや、かなり)

現実逃避をしたかったもので……


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