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家洲という男(文責:背黒)

・・・ふぅ。


やっとここまで読み終えたわ。


俺の名前は背黒せくろ

好きな果物はザクロ、好きなスポーツはラクロス、好きな楽器はサックス、好きな衣類はソックス…以後御見知りいただきますように。


奴は文語で書くから正直読むのしんどかったよね・・・。

イマジネーション?ってもんを刺激されないっつーか、いまいちしっくり来ないわけよ。

ここまでまあ状況は説明してもらった通りだから、この章は俺が担当するよー\(^o^)/



扉を開けると、一台の大きなテーブルに腕組みした一人の男が椅子に座っていて、俺たちの様子をじっとうかがってるんだけど、何か変なにおいがその男から漂ってて、身なりはみすぼらしいし、髪はボサボサで、なにやら深刻そうな面持ちで眉間に皺なんか寄せちゃってるんだ。

掛けてる眼鏡も馬鹿にしてんのかってほど真ん丸でおまけにでかい。


なんやこのおっさん!?


あ、もしやこの方が例の天才科学者…!


もう生つばゴクリですよ。

俺たちも一応理系男子だからね。

こういうダサいほどカッコいいみたいな男の美学には通暁してるつもりですはい。

俺君も目をまん丸くして男の様子に興味津々みたいだった。


「あの…あなた方お二人は博士のアシスタントさん…かなにかでしょうか?」


!?


いや、違いますけど。

あんたマジ誰なんだよ。


「ああ、そうですか…じゃああなた方も底無そこなし博士がとうとうご完成になったと言われる念願の自動式猫型シミュレーションマシーンMEを見せていただきに来たのですね?」


猫型?ME?なんだか嫌な予感しかしない響きだぞ・・・。

理系には分かる。これは罠かもしれない。良い子のみんなはマイク◯ソフト社製の残念OS、wind◯wsMEの評判の悪さを検索してはダメゼッタイ!


「申し遅れましたが、私の名前は家洲いえすと申します。機密の関係で詳しいことは申し上げられませんが、かつて底無博士のもとで助手を務めさせていただいておりました…」


へー、見直したぜおさーん!

だけど話す時のその震え声やめた方がいいな。

しゃきっとせいや、しゃきっと。

あとその目だよ、目。

瞳孔開いちゃってるんじゃないのー?

興奮してるの?静かなのに?静かなるドンなの?そういうの俺らカタギにはちょっと怖いよ。

まあ帰ったら早速その服洗濯でもして落ち着きなよ。


俺はほとんど黙っていて、おっさんには相棒の俺君がときどき熱心に質問したり、相槌を打ったりしてたけど、その後のおっさんの話を要約すると大体こういうことだった。


家洲は底無博士の噂を聞き付けて、身の危険を知りながらの調査の末、やっとこの場所に辿り着いたらしい。

仲介を通じて、博士にアポは取ってあり、この時間を指定されたということだ。

彼は自動式猫型シミュレーションマシーンMEの研究成果を、かつての助手として、一研究者として知りたいのだけれど、同時にまた、それを使って是非ともやりたいことがある、と。


「家洲さんのそのやりたいことって何なんですか?」


興味を惹かれてつい俺は聞いてしまった。

第一その言い方は聞いて欲しいアピール以外の何ものでもないし。

家洲さんはかまっておじさんだったのだ!


続く

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