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第10章 腰痛体操のお兄さんデビュー ~公民館が熱くなった日~

ヤマトとムサシが小学校に慣れてきて、放課後にシュータ君や友達と遊ぶ時間が増えた。

ヤマトは少しずつクラスに溶け込み、ムサシは元気いっぱいに校庭を駆け回るようになった。

2人が小学校に通う時間が増えるほど、俺は一人で過ごす時間が長くなった。


朝は自宅のジムで筋肉トレーニングしたり里山をランニングしたりする。

昼からは、 2人を迎えに行く時間までは柔道場で軽くストレッチをしたりしている。

確かにトレーニング時間はたっぷり取れるようになった。

体は以前よりさらに締まってきた、でも、心のどこかで物足りなさを感じていた。


元の世界では「パーソナルトレーニングとストレッチの講師」で食っていた。

今の世界では『男性保護局に遺伝子提供する対価』で、食べていくことはできる。


だが、親としては健全な収入源が欲しい。

父親としては、ヤマトとムサシに言える仕事はしておきたい。


凛さんに相談してみた。

「凛さん、パーソナルトレーニングの講師を復活させたいんだけど……どうかな?」

凛さんは少し困った顔をした。

「タケルさん……それは、ちょっと危険です」

「危険?」

凛さんはため息をついて説明した。

「この世界の女性たちは、男性と触れ合う機会が極端に少ないんです。

もしタケルさんがパーソナルトレーニングを始めると……

女の人と2人で1対1の空間。

あっという間に押し倒されて、えらいことになりますよ」


俺は一瞬言葉を失った。

(……マジかよ)


凛さんはさらに続けた。

「男性の体に触れること自体が、女性たちにとってはすごく刺激的な体験なんです。

しかもタケルさんの体型……正直、村の女性たちには耐えられないと思います」


凛さんは、俺のコンプレッションウェア姿を思い浮かべて、苦笑した。

コンテストが終わった後の上やることもないのでトレーニングばかりしている。

その結果、腹筋や胸板、太もものラインがくっきり出ている。


元の世界なら普通のトレーニングウェアだけど、

この世界では「脱いでいる以上にいやらしい」らしい。


俺はため息をつき、

「じゃあ、何もできることはないのか……」と呟いた。

凛さんは少し考えてから提案した。

「……公民館で腰痛体操なら、少人数制にすれば安全です。

ストレッチや姿勢矯正の知識はありますよね?

男性の社会貢献という名目で実施することができれば、村の高齢女性たちも喜ぶと思います」といった。


俺は少し迷ったが、頷いた。

「それなら、いけるかもな。やってみるか」


彼女は真剣な顔で続けた。

「この世界では、女性と男性の接点を増やすのは、社会の為に成ることなんです。

男性の存在が女性たちのメンタルケアになるし、子供たちの健全な成長にも繋がります。

タケルさんが講師をすれば、村の女性たちも喜びますよ」


どことなく凛さんの目線が少し逸れている気がした。

俺は内心で(要は、独身女性へのご機嫌取りか)と合点がいった。


彼女は男性保護局の局員として、俺に社会参加を促す義務がある。

とはいえ、立派な仕事であることには変わりがない。

「腰痛体操なら、ストレッチや姿勢矯正の知識はある。

公民館でやってみるか」と答えた。


凛さんはすぐに手配してくれた。

告知は村の回覧板と掲示板だけ。

「男性講師による腰痛体操教室」

参加費1500円、定員25名。

男性による社会貢献の意味があるので、男性講師としてはリーズナブルな金額設定だ。

あっという間に枠が埋まったらしい。


当日、公民館の和室に集まった女性たちは予想以上に多かった。

若い子娘(20代)が6〜7人、30代が8人、40代以上(熟女層)が12人近く。

総勢30名近くが押し寄せ、部屋はパンパンになった。


凛さんから「女性の暴走防止の観点から、全身隠れている服装がよい」とアドバイスされていたので、

俺はトレーニング用のコンプレッションウェアを着てきた。

長袖長ズボンで、ぴったり体にフィットするやつだ。

最近トレーニングしかしてなかったので多少発達して、胸板、腹筋、太ももの筋肉がくっきり浮き出ている。


教室に入った瞬間、女性たちの視線が一斉に俺に集中した。

若い子たちは「タケルさん、筋肉すごい……」と小さな声で囁き、

熟女層は目を輝かせて、じっと俺の胸や腰を見つめていた。


俺は顔が熱くなった。

(……ものすごく見られてる……)


後で聞いた話だが、

コンプレッションウェアは元の世界なら普通のトレーニングウェアだけど、

この世界では「筋肉のラインが丸見えで、脱いでいる以上にいやらしい」らしい。

女性たちはさらに視線を熱くして、

俺の体を舐め回すように見つめていた。


フィジークのコンテストで見られることには慣れているつもりだったが、

彼女たちの視線は、その時の視線とは意味がちがうのがわかった。

俺は喉を鳴らしながら、

(……恥ずかしい……でも、なんか悪い気はしない……)と思った。


俺は恥ずかしさで耳まで赤くなり、

「えっと……それでは始めます」

と声を張ったが、声が少し上ずってしまった。


体操は基本から始めた。

「まずは座って腰をゆっくり回しましょう。

両手を腰に当てて、時計回りに10回……反対も10回」


次に「胸を開くストレッチ」

「両手を後ろに回して、胸を張ります。

ここで隣の人に背中を軽く押してもらうと効果的です」


ここでサポート役が必要になった。

若い女性たちは「私も手伝います!」と手を挙げたが、

凛さんが「安全のため、経験豊富な方に」と仕切り、

40代以上の熟女層が中心になった。


最初にサポートに入ったのは、バレッタで髪を止めた妙麗な熟女。

ママさんバレー経験者らしく、体は引き締まっていて若く見える。

彼女は俺の背後に回り、

「ここ、押しますね?」

と、優しく背中を押してきた。

手のひらの温かさがシャツ越しに伝わり、

さらに彼女の背中に俺の胸が軽く当たる。

その瞬間、彼女がピクッと動いた。


何かあったのだろうかと、彼女を確認すると

彼女の着ているシャツが、少し小さいのか……

(……おっぱいの形が浮き出ている……)


俺は一瞬、息を飲んだ。

彼女は全く意識していない様子で、

ただ「サポートしている」と思っているだけだ。

それが、俺にとってはたまらないご褒美だった。

心臓がドクドク鳴り始めて、

集中するのがやっとだった。


次にサポートに入ってくれたのは、グループの中では年配のスパッツがお似合いな女性だ。

テニスをやっているらしく、腕の筋肉がしっかりしている。

「タケルさん、姿勢が大事ですよ」

と言いながら、俺の肩を軽くつかんで正しい形に直してくる。

彼女は俺の前に回り、

「ここ、もっと開いて……」

と、俺の胸を軽く押す。


彼女は無防備に足を少し広げてバランスを取っていた。

スパッツがピッタリ張りついているせいで、

彼女の股間のラインがはっきり見えてしまった。

さらに、スポーツブラのラインが薄い生地越しにくっきり浮かんでいる。


(スポーツブラってこんなに小さくて良かったんだっけ……)


俺は視線を逸らしながら、

(こんなに無防備に足を開くなんて……奥さん、パンツが見えてますって……)

と心の中で叫んだ。


だが彼女は全く気づいていない。

ただ「姿勢を直してあげてる」と思っているだけだ。

俺は喉を鳴らしながら、

(この無防備さ……やばいな)と思った。


さらに別の熟女がサポートに入り、

「タケルさん、腰をここで支えますね」と、俺の腰に手を当ててきた。

彼女の指先が腰骨に触れ、

軽く押すたびに、俺の体が反応してしまう。

(……やばい、これ)


俺は必死に平静を装ったが、

心臓の音が自分でも聞こえるほどだった。


そんな感じで腰痛体操は終わった。

長い時間の体操ではなかったはずだが若い女性たちはトイレを我慢していたようで、終わると数人が慌ててトイレに駆け込んだ。


廊下から小さな叫び声が聞こえてきたが、

俺は聞かなかったことにした。

(……この世界、みんな本気すぎるだろ)


教室終了後、女性たちは興奮冷めやらぬ様子で俺を取り囲んだ。

「タケルさん、次はいつですか?」

「腰が楽になりました♡」

「またサポートさせてくださいね」

特に熟女層が熱心で、

俺は笑顔で「来週もよろしくお願いします」と答えた。


帰り道、凛さんが俺に小声で言った。

「タケルさん、人気爆発ですね。

来週は予約殺到しそうです」


俺は苦笑しながら、

「みんな熱心で助かるよ」

と答えた。

内心では、

(熟女たちのボディタッチ……危ないかも)

と思った。


家に帰ると、双子が待っていて、

「パパ、今日は何してたの?」

と聞いてきた。

俺は「村の人たちに体操教えてきたよ」

と答え、

ヤマトは「パパすごい!」

ムサシは「俺もやりたい!」

と目を輝かせた。


俺は二人を抱きしめながら、

(この世界で、家族を守る。

でも……少しだけ、楽しんでしまってもいいか)

と思った。


今日の公民館は、終わった。

でも、この世界での生活は、まだまだ始まったばかりだ。


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