歩き続ける
今回短いです(;´・Д・)スマソォ・・・・
カチッカチッと火打ち石を鳴らし、かなたは落ち葉の山に火をつける。
炎が安定すると、横に置いていた紙の束を一枚一枚、焚き火の中へと丁寧に落とした。
最後の一枚を燃やし終えると、かなたは中岡に渡された坂本の手紙を、懐から取り出す。
中身は、ごく普通の、どこにでもある内容だった。
つい最近は何を買っただとか、あそこの料亭の料理が美味しかっただとか、そんな他愛もない話ばかりで、かなたは少し笑いながら涙ぐんでしまう。
けれど、手紙の最後にはちゃんと、「この手紙は燃やしてくれ」と、最後に坂本と会った時に言われたことも書いてあった。
(…抜け目のない人だ)
そう思うと、かなたはその手紙も火の中へと落とす。
それを後ろから見ていた土方は、かなたの隣へと足を運んだ。
「もう、燃やし終えたか?」
「はい…」
土方はかなたにそう確認すると、徳利を傾け、ふたつの盃に酒を注ぐ。そして焔に照らされる場所へ、静かにそれを置いた。
「土方さん…昨日は当たってしまって、すみませんでした」
「気にすんな。誰だって、感情的になることはある」
土方は夕日に視線をやったまま、言葉を続ける。
「俺たちがあいつのために出来ることは、生きてこの時代の変化を見届けることくらいだ。だから…」
少しの間のあと、土方はゆっくりとかなたの方を向いた。
「だから前を向け、かなた。生きて、前へ歩き続けるんだ」
「はい……!」
かなたは涙を拭い、スッと立ち上がる。
寒く乾いた空気を吸い込むと、覚悟を決めたように口を開いた。
「土方さん、伏見一体の町民を避難させましょう。年明けに戦がはじまります」




