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新選組トリップ奇譚  作者: 柊 唯
第八章〜己が道〜

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分岐点

 慶応二年十一月



「近藤さん、今なんつった?」


 土方は、仕事の合間に「話がある」と部屋へやってきた近藤の言葉を聞き返した。


「だから、幕府から直々に幕臣ばくしんにならないかと誘いがあってだな....」


 幕臣とは、すなわち幕府直属の臣下になるという事だ。

 昔の自分なら、近藤を押上げれるならと、喜んでそれを受けただろう。

 だが、未来から来たというかなたに出会って以来、考え方が少しずつ変わっていた。


 もし幕臣になってしまったら、この先どうなるのだろうか。

 長く続けられる組織をと、かなたと一緒に積み重ねてきたことが、無駄になるかもしれない。

 京に上った時にとうに覚悟を決めたはずなのに、なぜか今その心は妙に揺らいでいた。


「いやぁ、家茂いえもち公が身罷みまかられて徳川家も大変だというのに、思い切った決断をして頂いたよ!」


 近藤の顔が喜びで輝くのとは裏腹に、土方の表情にはわずかな影が落ちていく。


「...少し、考えさせてくれねぇか」


「ん?ああ、わかった」


 近藤はそういうと、ルンルンと部屋から出ていく。

 障子を開けて外を見ると、かなたが隊士達と一緒に洗濯物を干しているのが見えた。

 あんなに近くにいたはずのかなたが、今はなぜか、ひどく遠くに感じられた。

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