Show Must Go On?
★二正面作戦結果報告スレ その1
1:童帝
それでは今回の二正面作戦についての結果報告!
2:名無しの転生者
いぇ~い!!
3:童帝
まず最優先目標に位置付けていた管理人の救出は無事成功!
管理人たちは本拠を悟られないよう迂回してこっちに移動してる最中だけど、あと一週間ぐらいで俺たちと合流する予定です。
4:★管理人
みんな、今回はホントありがとうね~!!
5:名無しの転生者
なんのなんの。
管理人にはいつも世話になっとるからこれぐらいは(今回の作戦には不参加)。
6:名無しの転生者
というか最優先目標とはいいつつ、実際に救出作戦に参加してたのは五名以下だったしね~。
7:名無しの転生者
馬鹿ッ! それを言うなよ!
8:名無しの転生者
そうだそうだ! 管理人がいじけたらどうする!
9:名無しの転生者
じゃなくてアイツが──
10:上級国民
はっはっは!
そう! 実際に管理人救出に多大な貢献を果たしたのはこの私!
無論、作戦に参加したモブ三名の功績を否定するものではありませんが──
11:名無しの戦闘班
誰がモブだ!!
12:上級国民
私なくしてこの作戦の成功はなかったといっても過言ではないでしょう!
管理人の感謝はぜひこの私に!
そして社会人として感謝は言葉や気持ちではなく具体的な形で!
なに、手持ちがなければこちらの書類にサラサラ~っとサイ──
13:名無しの転生者
…………ん? どうした?
14:★管理人
BANした。
15:名無しの転生者
あ~……
16:★管理人
ただ掲示板を禁止したところでリアルで横にいるから普通にウザい。
一応恩人ではあるからあんまり無碍にもできないし、無碍にしたくてもニョロニョロ這い出てきてしつこいし……早くみんなに会いたいよ……
17:名無しの転生者
「会いたい=こいつ押し付けたい」なのが見え見えで草。
18:毒エルフ
ちなみに上級国民の交渉はドア・イン・ザ・フェイスで心理的ハードルを下げて、ウザさで相手の思考力を奪ってからが本番だから、油断しちゃだめよ?
19:★管理人
……ごうりゅうまで、あと、いっしゅうかん?
20:童帝
万一上級国民に変な契約結ばされてたら、しばらく本部で隔離して魂を洗浄しないといけなくなるかもしれないから気をつけてね?
21:★管理人
…………うん。
22:童帝
はい、それでは気を取り直してもう一方のアタラ領の蛇龍解放作戦について!
こちらは教授が術式の解呪方法を見つけて生贄の解放に成功しました!
拍手~!!
23:名無しの転生者
うぉぉぉぉぉっ!!
あ・ね・さ~・ん!!!
24:教授
誰が姐さんだゴラァっ!?──コホン。
改めて言わなくて皆分かってるとは思うっすけど一応──今回俺は作戦の最後の一押しをしただけっす。
作戦が成功したのは丸二日以上蛇龍の封印を守り続けた調査班、敵の拠点を制圧した戦闘班、そのサポートと情報の抜き出しをしてくれた毒エルフたち生産班、地元政府や神族との交渉をまとめてくれた商業系のみんなの協力あってこそっす。
代表して言わせてもらうっす──みなさんお疲れさまでしたっ!!!
25:名無しの転生者
いぇぇぇぇい!!
今回はマジで俺らも頑張ったし貢献した!
26:名無しの転生者
ノゥム領で天使共をぶちのめした時もアレだったけど、今回は目に見えて人命を救えたったこともあって達成感デカいよな~。
27:名無しの転生者
……そういえば、救出された連中は長時間魔力を吸われて瘴気に晒されとったわけやけど、後遺症とか大丈夫なんか?
28:毒エルフ
個人差もあるから全くないとは言わないけど、今のところ致命的な症状が出てる人はいないわね。
29:教授
俺と毒エルフのチームがしばらくこっちで治療にあたる予定っす。
肌感だと、多分一月もあれば九割方快癒するんじゃないっすかね。
30:名無しの転生者
ほ~ん?
でも千人の人間を一月面倒見るって物理的にも金銭的にも大変じゃない?
31:名無しの転生者
それにワイらの戦っとるとこを目撃した奴もおるやろうし、情報統制とかの必要もあるんちゃうか?
32:闇商人
その辺りの負担はアタラ領の政府に押し付ける予定や。
カバーストーリーとしては、国外からやってきたテロリストが薬物テロを起こしたってことにして、オカルト系の目撃情報は全部薬物による幻覚っちゅうことで押し通す方向で調整しとる。
33:名無しの転生者
……それで納得する?
34:錬金術師
毒エルフにそれっぽい幻覚剤を用意してもらう予定ですので、気難しい方に少量試してもらえば納得するでしょう。
35:毒エルフ
忙しいのに無茶振りされてたいへ~ん。
36:名無しの転生者
惚けんなや。あんたがその手のヤバい薬こっそりストックしとるのは周知の事実やろ。
37:毒エルフ
オホホ。
「こんなこともあろうかと」って、一度は言ってみたい台詞よね~。
38:名無しの転生者
……何て夢も希望もない“こんなこと”だろう。
39:名無しの転生者
まあそれはともかく。
今回人命救助が成功したってのは勿論喜ばしいが、それ以上に付随してくっついてきた成果がデカいよな~。
40:名無しの転生者
あ~。アスタ神族とかいう修羅と、アタラ領政府の取り込みだっけ。
細かい条件の詰めはこれからなんだろうけど、同盟って具体的にどういうイメージな訳?
51:童帝
うん。それなんだけど、アスタ神族とはもう粗方話がついてて、活動のための魔力を対価にした傭兵契約みたいなイメージかな。
52:名無しの転生者
俺らが雇い主?
53:童帝
形式的にはね。
彼らはとにかく派手に戦いたいって連中だけど、ハナから負けると分かってる戦いを挑むような間抜けでもない。
だから今回、とにかく自分たちが力を振るいやすい環境と整えようとして悪巧みに協力してたわけだけど……成功したところで本来の力の五割も発揮できなかった筈なんだよね。
異界深度を上げるより俺らと手を組んで魔力供給受ける方が有利だってことは理解してたから、交渉は物凄くスムーズだったよ。
神婆ちゃんの仲介があったことも大きかったね。
54:名無しの転生者
むぅ……お互いWin-Winな感じはするけど、ホントに制御できるの?
こっちを無視して好きに暴れ回ったりしない?
55:童帝
俺らに魔力供給を絶たれたら彼らもジリ貧だし、一先ず話は聞いてくれるんじゃないかな。
まあ、あまり行動を制限しすぎると不満が溜まって暴走しかねないから、そこは上手く舵取りしていかなきゃいけないけど。
56:名無しの転生者
ふ~ん。まあ、この世界を本気でどうにかするつもりならこういう神や悪魔との交渉は避けられないし、どうにかやってくしかないってことね。
57:名無しの転生者
アタラ領政府とはどういう付き合いをしていくつもりなんや?
58:錬金術師
基本的には今までアスタ神族が政府と築いてきた関係を引き継ぐつもりですよ。
59:名無しの転生者
というと?
60:錬金術師
我々に対する神佑地の提供と不干渉。
有事の際に我々が対応する見返りとして、政府は内外への情報操作や必要物資の提供といった協力を行う、といったところでしょうか。
61:名無しの転生者
ふんふん。ようは領内に俺たちのシマを用意すれば、何かあった時に守ってやるよっていうヤクザ的なアレね。
みかじめ料とかおしぼり入れさせろとかは言わなくてもいいの?
62:錬金術師
政府から自発的に申し出てくるならともかく、我々から要求するつもりはありませんよ。そんなものがなくとも、十分以上に採算がとれますから。
63:名無しの転生者
そうなの?
64:錬金術師
ええ。ヤクザや神族と違い、我々には自ら富を生み出す能力がありますから。
周囲の目を気にせず自由に動ける土地があればそれで充分です。
65:名無しの転生者
あ~、そっか。
確かに土地さえ確保できれば、懸案だった食料自給率の問題も何とかなりそうだよね。
66:闇商人
そういうことやな。
食料生産部門やそのトップをどうするかって話はこれからやが、毒エルフと教授にはこっちで被害者の治療を行いがてら、そっちの筋道もつけてもらう予定や。
67:毒エルフ
ちょっと待って? そんなブラックな話、今初めて聞いたんだけど?
68:闇商人
今思い付きで言ってるからな。
69:教授
開き直りやがった……!
まあ、話し合ったところで俺らがやるしかないんだろうし、引き受けるっすけど。
70:毒エルフ
でも食糧生産部門の責任者はちゃんと決めてよね?
71:錬金術師
前向きに善処します。
72:名無しの転生者
う~ん、ビジネスマンの模範回答のような考える気ゼロのこの発言よ。
73:名無しの転生者
その辺は幹部の問題なんで置いとくとして、総括すると今回の作戦は大成功やったってことでええか?
特に氷弓兵抜きでもワイらがこんだけ出来るって分かったのはデカいんちゃう?
74:名無しの転生者
確かに。
──ん? というか、今回氷弓兵って何やってたの? 完全不参加?
75:氷弓兵
呼んだ?
76:名無しの転生者
いや、こんだけデカい作戦なのに氷弓兵が不参加って珍しいなって話をしてたとこ。
77:名無しの転生者
ひょっとして、俺らに自信つけさせようと思ってワザと参加しなかった感じ?
78:氷弓兵
いやいや、そんなことはないよ。
純粋に参加しなくても問題ないと思って、他にやりたいことがあったから参加しなかっただけ。
79:名無しの転生者
ホントにござるか~?
80:名無しの転生者
というか他にやりたいことって何?
81:氷弓兵
ああ、うん。帝国ルートでラスボス候補の皇太子殿下と仲良くなって、取り合えず相互不戦のゆる~い同盟を結んできた。
相手が相手だからあまり近づきすぎるつもりはないけど、物資や情報のやりとりとかが発生する可能性はあるから、そういうつもりでよろしくね?
82:名無しの転生者
ふぁっ!? 何それ!! 全然聞いてないんだけど!?
83:名無しの転生者
二正面作戦じゃなくて実はもう一つ作戦が進行してたってこと?
84:氷弓兵
いやいや、独立した作戦じゃなくて管理人救出作戦の保険だよ。
皇太子殿下が本気で動いたら何やらかすか分からないし、念のため動きを抑えとこうってだけ。
同盟の提案自体はその手段の一つで上手く行こうが行くまいがどっちでも良かったし、事前にちゃんと幹部には話を通してたよ。
85:名無しの転生者
……そうなの?
86:童帝
一応ね。不確定要素が大きいのは氷弓兵の言う通り皇太子がいる救出作戦の方だったし、氷弓兵が予備兵力としてそっちに向かうのは悪くないかな、って。
まさかホントに同盟結んでくるとは思わなかったけど。
87:氷弓兵
いやもう不戦同盟ぐらい結ばないと収まらない雰囲気だったんだって。
こんな機会でもないと会えないと思って忍び込んでは見たけど、あれは化け物だね。敵に回したらヤバイ。
88:名無しの転生者
氷弓兵がそこまで言う?
89:氷弓兵
控えめなぐらいだよ。
ひょっとしたら向こうは最初からこっちが自分に接触してくるところまで織り込み済みだったのかもしれない。
90:名無しの転生者
まさか……?
91:氷弓兵
そういう意味じゃ、今回唯一してやられたのは俺なのかもしれないね。
ご報告
元々この話は前の連載が終わった後、次どんな連載を始めようかお試し投稿②として軽く始めたものでしたが、掲示板形式というのが思いのほか書きやすく、気が付けば20万文字以上投稿していました。
ただ書きやすいから書くというのはどうなんだという思いもあり、区切りがよい(?)この辺りで連続投稿は一旦中断し、少し他の話を書く予定です。
今後、この話の続きを書くのか、あるいは書き直すのかなどは他の話を書いた感触を踏まえて決めたいと思います。




