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(5)元号とアポストロフィ

 昭和原人は、日付を書くとき、まず「今から日にち書きますよー」とアナウンスしてから記入する。


 つまり、「’22年5月10日」とか「令和4年5月10日」とか。数字を書くまえに、西暦ならアポストロフィ、和暦なら元号を書くことが習慣付けられている。


 昭和原人は、昭和時代、「S64年」とかよく書いたよ。


「S」っていうのは、「昭和」って書くのがいちいち面倒だから、頭文字のS。同じように、明治はM、大正はT。


 PCもワープロもない時代だからね。オール手書きだからね。ひとつぐらいなら書いてもいいけど、いくつも書かなきゃいけないとさすがに煩雑だからね。こういうところで省力化してたんだね。


 しかし、最近では、そのような前置きなしでいきなり「4年5月10日」とか書いてある文書を見かける。社外に出すような正式文書ではないが、議事録・稟議書等の重要度の高い社内文書である。


 ――とても気持ちが悪い。


 時間を表す漢字が入っているから日付だと判別できるものの、「4.5.10」とか書かれてしまうと、なんじゃそりゃあ……って脱力。


 平日は社畜なので、ビジネス文書においては日付は重要なので、正確であることを意識して文書作成する。


 ……でも、最近のご時世では、そういうの、どうでもいいのかな。


 まあ、電子的手段を使えば自動的に記録されるわけで、錯誤のしようもないか。


 こういうトラブルは、日本に限ったことではない。……と思う。


 英文ビジネス文書では、アメリカ式とイギリス式で日付の記載が異なる。


 ……なんとかしてほしい(心の声)。


 イギリス式:10/5/2022

 アメリカ式:5/10/2022


 5月10日か10月5日か、はっきりしろーと、日本人……いや、昭和原人は叫びたくなる。


 May 10, 2022 ……これだとわかりやすい。自分で書くときは、この方式を採用している。かしこまった文書だと日付を序数にするらしいが、そこまで要求されたことはない。


 ……そういえば、「元号」なるものが存在しないからか、外国人が省略するときも西暦の上二桁をきれいさっぱり容赦なく省略する。文化圏が異なるから、悩むことなく西暦だと認識できるのだろう。


 ちょっと羨ましいような。


 ……いやいや、それでも昭和原人は「令和」という今の元号が好きだったりする。


 ラ行で始まるお洒落な音階と、元号という厳かな取り合わせが、たぶん新鮮に感じるのだろう。


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