(4)トイレのペーパーホルダー
(2022/10/22)元号のカン違いを補正しました。
連載当初からIT関連が続いていたが、今回はちょっと離れて。
ショッピングセンターの家庭用品フロアに迷い込んでしまったら、トイレの模様替えをしたくなって、トイレタリーコーナーに立ち寄ってみた。
驚いたことに、便座カバー、便座シートといった商材はそれなりに揃っているものの、トイレットペーパーのホルダーに被せておく、布製のカバーがない。いや、あることはあるのだが、品揃えがすこぶるよろしくない。
ホルダーの金属フタにタオル地のカバーをかけて、その下にトイレットペーパーをもう一巻入れておけるリング状の布を垂らすという――あのタイプ。
あ、こういうのは通販の独壇場か――そう思って、帰宅してからネット検索してみた。
……予想外に、点数が少ない。
色彩だけで選べばまあまあヒットするが、テイストを考慮すると欲しいものが見当たらない。
――なんで?
そこで、ふと、思い至った。
今ドキの住宅のオシャレなトイレは、ロールペーパーのホルダーもスタイリッシュで、芯棒なんかなくてもスライドすれば設置完了の便利設計、しかもホルダー上部にミニテーブルまで付いていたりして――布カバーなんかなくても、それだけで完璧で最強のコーディネイト。
つまり、ロールペーパーを芯棒に通して、金属製のカラカラ鳴るフタを被せるような昔ながらのホルダーは、すでに絶滅危惧種なのかもしれない。
そのような事情で、私が探している昭和の便利グッズは、もはやレア商品。
トイレを模様替えしたければ、お手製のものを作るか、テイストの違う既製品で我慢するか。
――いや。
いっそのこと、新しい住居に引っ越すか――?
それにしても、平成の時代は駅でもデパートでもトイレには必ず和室がひとつぐらい存在していた。
いまや、オール洋室。和室のあるところのほうが少ない。
それはそれで生活様式の変化なのだから構わないのだが。
洗浄方法が――千差万別。
チェーンを引っ張る――という昭和時代のものはさすがに見かけないが、ハンドルを押す、ボタンを押す、手を翳す、立ち上がっただけで自動洗浄……。
我々日本に住んでてもわかりづらいのに、外国人観光客のみなさん(コロナ禍ゆえ今は少ないかもしれないが)、絶対に難儀すると思うのだ。
メーカーとか業界団体のみなさまで協議して、わかりやすいガイダンスとか出してもらえないだろうか。