表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/37

(29)事務デスク

 オフィスの事務デスクが新しくなった。


 それまでは、昭和のお仕事ドラマから飛び出してきたような、昔ながらの灰色の5号デスク。


 使い込まれた(そで)ヒキダシはどこか傷んでて引き出しにくい。潤滑油を差したら改善するという次元ではすでになく、()けたはよいが、閉じるのにもコツがあって、特異点を意識しながらスライドさせないと収まってくれない。長年付き合ってきた相手でないと使いこなせない、困ったデスク。


 ……でもね、昭和原人は、骨董品のような相棒に愛着持っていたのです。


 長い間、お世話になりました。


 ――ともあれ、新年から、新規格の真白いデスクでワークしている。電子化邁進の世の中なので、コードダクト付きの便利モノ。今ドキのオフィス家具って白色が基調なのね。昭和のように灰色一辺倒でなく、いろいろなテイストが選択できる模様。


 しかし、これが、また……昭和原人には微妙に使いにくい。


 まず、センターヒキダシが浅すぎる。昭和の規格は結構深かったので、ここに文具類をまとめて収納できた。昭和原人の社会人デビューは平成に突入していたが、配属先の事務机には当然のようにここに算盤(そろばん)が収納されていた。……今は入れるものが想定できない。「A3用紙がラクラク入る」のが売りのようだが、……いや、今ドキ、紙媒体のこと言われてもなあ。ノートパソコンの収納には適しているかもしれないが、センターヒキダシに限って施錠が出来ない。……なんだかなあ。


 そういえば、数年前になるか、オフィス商社の営業さんから聴いたことがある。センターヒキダシを浅くして、机本体を高くして、地震で揺れたときに潜り込めるスペースを広くしたのだと。――本当のことかどうか、定かでない。


 新規格は奥行も充分で、袖ヒキダシの収納量がアップした。――そこは素直に嬉しい。しかし、やっぱり使いづらい。もっとも収納スペースの大きい下段には、書類をドッサリと入れておく。昭和のレトロ机は人間工学的に取り出しやすい高さに設計されていた。袖ヒキダシの下には脚部が付いていて、つまり、ヒキダシの下にはデッドスペースがあった。……もちろん、オフィスの達人はここもスリッパ置いたり便利に使っていたのだが。


 ところが、新規格では、このデッドスペースをなくして袖ヒキダシに充当しているため、下段の位置がとにかく低い。ヒキダシから書類を取り出す都度、少々(かが)まねばならないという。


 ……いえいえ、世の中はもうフリーアドレスとかテレワークとかの時代ですから、今さらオフィスデスクに愚痴をこぼす時代でもありません。今のワーク環境に適していればよいと思うのです。昔ながらの弊社も、そのうちにフリーアドレスとかになるんだろうなあ。


 ……ひとつ。昭和原人としては。


 コタツ式のオフィスデスクがあると嬉しいかもしれない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ