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(18)路線バス

 長距離バス・夜行バス・観光バス……バスの種類は多々あるが、なんで今さら路線バス。


 私は、アウェイでは路線バスには乗らない。どこに連れていかれるかわからない怖さがあるから。


 鉄道は利用する。っていうか、電車、大好き。線路も駅も地図に載ってるから、大間違いはない。


 ……しかし、バスの場合、停留所というのは結構ころころ移動する。進行方向によって、見付けにくい場所だったりする。大きな交差点のあっちとこっちとか、壮大すぎて余所者(よそもの)には解析不能。地図もそう頻繁には更新してくれないから、現地に到着してから途方に暮れることもある。今ドキの地図アプリはかなり精度が高いが、かつてのものは道路とランドマークぐらいしか記載がなかった。


 ――もう、十年ぐらいまえになるか。


 出張だったので時刻表を調べて万全の準備をして現地入りしたのに、乗りたかった路線バスが運休だったときは愕然とした。


 就学日以外は朝のバスは運休って……そんなローカルルール、余所者にわかるわけがない。路線バスとはいえ、地方では通学という至上命題のため運行している場合も多いので、夏休みとか長期休暇になると問答無用の即運休。


 各地域の固有事情に立ち入るつもりはないが、ネットにアップしている時刻表には掲示しておいていただきたい。


 日常的に利用する路線バス。


 ――これが、都市部出身者と、地方出身者で、傾向が真っぷたつ。


 都営バスとか市バスとか均一料金制を採用している路線が多いので、前ドアから前払で乗車する。


 かたや、遠距離移動を主目的とする地方の場合は、走行距離によって乗車賃も大幅に変わってくるので、前ドアから後払で降りる。


 都市部出身者が乗車時に整理券を取り忘れて降車時に困っていたり(今だとタッチだが)、地方出身者が開かない中央ドアのまえでぽけらーと突っ立っていたり、――今でもたまに遭遇する。


 平成に入ってからは、「コミュニティバス」なる地域住民の近距離移動手段としてのバスもよく見られるようになった。


 行政が運営する、地域の集落をぐるりと回って目的地に向かうやつ。


 ショッピングセンターから駅まで戻ろうと路線バスに乗ったら、たまたまソレに当たって、遠回りして時間も三倍ぐらいかかってやっと目的地に到着した。……急いでいたわけではないから構わないのだが、出来れば最初に教えてほしかった。乗り場が同じというのも、地域住民なら無意識に区分けできてるのかもしれないが、余所者にとっては不親切の極みである。


 令和・平成の路線バスには、「ノンステップバス」「アイドリングストップバス」といった機能面の表示が付されていることがある。


 昭和時代は、「ワンマン」という表示がよく見られた。


 ワンマン――つまり、運転手ひとり。


 ……ということは、かつては乗員が複数名いたことになる。


 乗車賃の精算機が導入されるまでは、路線バスにも車掌さんが乗車していた。


 電車と違って、バスガイドのように可愛らしいおねえさんだったように記憶している。首から蝦蟇口(がまぐち)鞄を下げて、乗客に切符を販売していた。


 きりりとした制服で、帽子もかぶっていて、子ども心にもかっこいいと憧れていた。


 ――さすがに記憶の彼方。


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