(14)おでん
近所のコンビニのレジ前に、おでん鍋が登場した。
……まだ暑いのに。
しかし、コンビニでは、本当に寒いシーズンではなく、「ちょっと涼しいと感じ始めたころ」におでんを投入するのだと、いつだったかネットニュースで目にした記憶がある。たぶん、今がその時期なのだろう。
コンビニではポリ製の容器に小分けして販売してくれるが、昔は、商店に小鍋を持っていったものだ。
「おでんのたまごちょーだい」
と言って、金属鍋の片手鍋を差し出していた気がする。
小鍋を持参していないときは、商店のおじさん・おばさんが、備え付けの厚手のビニール袋に入れてくれた。綴じ目が熱で溶けないよう、輪ゴムで底部分を絞ってからよそってくれた。
当然、おつゆは控えめ。
ビニール袋に入れるときはもちろん、お鍋で持ち帰るときも、おつゆがなみなみと注がれていたのでは重いし運搬中にこぼしてしまうおそれがある。なにしろ私はまだランドセルも背負ってない小動物だ。
……実は、自宅のおでんは好きではなかった。
今思うと、おそらく父親の嗜好だと思うのだが、おつゆがやたらと甘かったのだ。――子どもの舌でも「甘すぎ」と感じるぐらいには。
辛子を添えるのは、コンビニで購入するようになってから知った。――美味しい。
辛子のほかにも、柚子胡椒、味噌……どれも美味しい。
具材は、一般人気では「大根」がダントツらしいが、私は実は好きではない。
大根の辛みが幼な心に苦手だったのか、大人になってからも、食べないことはないが好んでは選ばない。
卵と、――圧倒的にお気に入りは巾着餅。
ハンバーグ巻きとかウィンナー巻きとかコンビニの変わり種はついつい一度は購入してしまうが、リピートすることはまれ。
会社帰りにコンビニに寄ると、近所の工場で勤務していると思しき外国人グループ(二~四人ぐらい)に出会うことがある。若いお嬢さんで、会話をしてなければ日本人と変わらない。
コンビニにも個性があるのだが、そこの店舗は、おでん台のまえで(何があるかなー?)と覗き込んでいると、店員さんが「お取りしましょうか?」と声を掛けてくれる。――素晴らしい。
私だったら、「巾着餅・卵・昆布巻き――おつゆなしで」とお願いするところだが、やはり外国人は文化が違う。
とにかく、「おつゆ」を入れてくれという。
しかし、コンビニの発砲ポリスチレン容器には喫水線が示されていて、安全・快適に運搬するためには限界がある。とにかくギリギリまで入れてもらっている。
(……そうか。外国人にとって、おでんはスープなのか)
そのとき、納得した。
さらに。
レジでは。
「お箸お付けしますか?」
なんと、この質問に対しては、おでんなのにスプーンをリクエストしているではないか――!
……その発想はなかった。
やはり、外国人にとっては、おでんはスープなのである。
……驚きました。
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