表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/26

熱帯魚の専門店へ

「うわぁ。」


 初めて熱帯魚ショップに入って、まず目に飛び込んできたのは、たくさんの木と石だった。


「これは…、流木ってやつだ…。変な形。それになかなかいいお値段…。」


 いくつかに枝分かれした形のやつや、小さめの切り株みたいな形のやつ、大小様々な色んな形の流木が陳列されていた。


「溶岩石…、風山石…、古葉石…。」


 流木のとなりには、いろんな種類の石が置かれていた。しゃがんで手に取ってみる。それぞれ名前も見た目も違うし、大きさや形も全然違う。


「いろんなのがあるんだなぁ…。向こうには何があるんだろ。」


 奥に進むと、空の水槽やいろんな機材が雑多に陳列されていた。


「ここは水槽とかのコーナーかぁ。エーディーエー?エヘエイム?これって何に使うんだろ。」


 この辺は、まだあまり知識の無い私にはよくわからない分野だった。

 さらに奥に足を進めると、たくさんの水槽が置かれた部屋があった。


「あ、ここが熱帯魚のコーナーかな?」


 カラカラと音を立てるスライド式のドアを開ける。


「うわっ…、蒸し暑っ…。それに何の匂いだろ。」


 むわっとした暖かくて湿度の高い空気に混ざって不思議な匂いがした。


「水の匂いなのかなぁ?まぁ、嫌な匂いじゃないか。それにしても…、すっご…。」


 部屋の中でずらっと並んだ水槽に少し圧倒される。

 大きな水槽は二段、小さめの水槽は三段の棚に並べられて、それぞれ違う種類の魚が泳いでいた。


「ネオンテトラ…、カーディナルテトラ…、ブラックネオン…、ハチェット…、アルビノグローライト…。」


 それぞれの水槽で、同じ種類の小さい魚が群れで泳いでいる。どの種類も見た目は全然違う。名前も難しい…。


「あ、グッピーだ。めっちゃたくさんいるなぁ…。あ、ちっちゃいのもいる。赤ちゃんグッピー?」


 大きめの水槽にたくさんのグッピーが泳いでいた。尾ひれがヒラヒラしてて派手なのが雄で、地味なのが雌だった気がする。


「ん?国産グッピー?うっわ!なにこれすっごいきれいなグッピー!」


 大きい水槽の隣に並んでる小さな水槽には、大きい水槽にいるグッピーの何倍もきれいなグッピーがいた。


「ブルーグラス…、めっちゃきれいな青色…。うわっ、レッドグラス…スワロー?すっごいきれい!ひらひらだ! イエロータキシード…、レースコブラ…、いろいろいるんだなぁ。レッドアイ…アルビノ…フルレッドってすっごい名前だけど見た目もすっごいなぁ…。」


 国産グッピーのコーナーは小さめの水槽に数匹の雄と雌が泳いでいるだけだけど、雄が凄くきれいで見惚れてしまう。


「バルーンプラティ…、モーリー…、レインボーダニオ…、オトシンクルス…。あ、エンゼルフィッシュだ。」


 まだまだたくさんの水槽が並んでいる。ほんと、見ていて飽きない。


「コリドラス…?」


 今までの魚とは違い、コリドラスは水槽の底を泳いでいた。


「へー、かわいい。赤コリ、白コリ、パンダ…、ステルバイ…、ジュリー…。あ、ピグマってやつ小さくてかわいいなぁ。」


 コリドラスにもいろんな種類がいた。なんとなく小さい魚の方が好きかもしれない。かわいいし。


「プレコ…?どこにいるんだろ? あ、いたいた。流木にくっついてる。へー、かわいいなぁ。」


 ほんとにいろんな魚がいて楽しい。水族館みたいだ。


「うわっ、こっちは大きなやつがいる。アロワナ…、ガーパイク…、オスカー…。やっぱり大きいのは怖いなぁ。飼えないし…。」


 部屋の奥の方には、凄く大きい水槽の中をゆっくり泳ぐ大きな魚がいた。迫力が凄くて少しビクビクしてしまう。


「あ、この辺は水草コーナーなのかな?」


 横に長い、大きい水槽が二段の棚に並べられて、たくさんの水草が植えられていた。


「は!?水草ってこんなに高いの!?」


 水槽には1pot¥5,200や¥3,500と黄色のペンで書かれていて、中には小さな鉢に植えられた水草が並んでいた。


「えぇ…、こんなの買う人いるの…?えーっと、ホシクサ…?sp?…謎だ。」


 水草が高額過ぎて少し放心してしまう。さすがにこんな高い水草には手を出せない。


「あ、よかった。300円とかの水草もあるじゃん。それにしても、魚もいろんな種類があったけど、水草もすごい多いなぁ。」


 手前に植えられてる背の低い水草や、奥には背の高い水草、葉の形も色もそれぞれで、どれもきれいで小さな気泡がキラキラしていた。


「あ…、この水槽…。凄い。めちゃくちゃきれい。」


 その水槽は、水草コーナーの端っこ、熱帯魚が居る部屋の入り口近くにあった。


 さっきみた何とかテトラや小さなエビが泳いでいる。大きな流木には濃い緑の水草が絡みついて、地面には背の低い小さな葉のきれいな水草がたくさん植わっている。


 水草からは小さな気泡がぷつぷつと浮き上がり、照明に照らされてきらきらと輝いている。

 赤と白の小さなエビはこしょこしょと手を忙しなく動かして動き回り、青と赤の小さな魚は小さな群れを作って水面近くを泳いでいる。


 その水槽に私は目を奪われてしまった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ