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君の笑顔がうれしくて  作者: 武島睦月
3/8

第三話


「なにみてんだ?」

「?!」


いつの間に近づいてきていたのか、私の机のあ前に立っていた清水君が話しかけてきた。

突然の出来事に驚いた私は、つい机の上にあった日直日誌で顔を隠してしまう。

たぶん、無意識のうちに自分で切った前髪への自信のなさも現れてしまったんだと思う。


(なんで急に話しかけてきたの?!)


混乱した私が顔を隠したままであたふたとしながらちらりと様子を見てみると、清水君は左手をあごにつけるようにして考えているようなポーズをとっていた。

それから何かを思いついたような顔になったと思ったら、私が顔を隠すのに使っていた日直日誌を取り上げた。


(?!なにしてるの?)


頭の中にハテナマークが増えていく中、清水君は私の顔をジーと見つめてきた。


少しすると何かわかったのか驚いたような顔になり、右手の人差指で自分の髪を指しながら「切った?」と聞いてきた。


髪を切ったことに気づいてもらえたこともうれしかったけど、それよりも「切った?」と言いながら聞いてくる清水君の顔が笑顔で、そっちに気を気を取られてしまった。


清水君の可愛さに頭が爆発したような影響を受けてしまった。

ふと、清水君はどうしてるのだろうかと見てみると日直日誌で口元を隠すようにこちらを見つめながら不思議そうな表情を浮かべている。


そういえばお礼を言ってなかったと思って、精いっぱいの笑顔を作って「ありがとう」と伝えると今度は清水君が驚いたような表情をしてからにっこりとほほ笑むような表情になった。


つられて、私もなんとなくほほ笑んでいると、どちらともなく笑い出してしまった。


一通り笑いあった後、日直日誌を返してもらい。

バイバイと一緒に手を振ってから清水君は自分の席に戻って行いった。


◇◆◇


清水君と話すことができたことを喜びながら家に帰った私は自分の部屋でファッション雑誌を読んでいた。

流行のトレンド特集のなどの記事をぺらぺらとページをめくりながら読んでいく。


恋愛特集のようなページを開いてみると「男子はやっぱり『ゆるふわ』が好き!!」という見出しで男子にモテる髪形について変えてあった。


「なになに、ナチュラルなヘアーはこなれた雰囲気で女性らしさアップ?」


「ゆるふわ…」


(思い立ったが吉日!さっそく挑戦!)


ヘアアイロンを取り出し、鏡を見ながらモデルの人の髪形を見本にしながら早速やり始めてみる。

が、普段ヘアアイロンなんて使わない私に『ゆるふわ』ヘアーは難しすぎた。


最初のうちは鼻唄なんて歌いながら髪をくるくると巻きつけてやっていったのだが、長く当てすぎたのか巻き方が下手だったのかカールした毛が四方八方に向かってしまい。

びょい~ん、という効果音がつきそうなあれ具合になってしまった。

思わず鏡に映った自分の姿に茫然としていると、


「わぁ~。お姉ちゃんの頭爆発してる~」


という声が聞こえた。

後ろから聞こえた声に振り返ると、ドアを開けて弟がこちらを覗いていた。


台詞だけで考えると小学2年生くらいのような気もするが弟は今年で6年生だ。

わざわざ口調を幼くしてまでからかっているのだ。


「うるさいなっ、これはちょっと失敗しちゃっただけだもん!」

「えぇ~それはちょっとってレベルじゃないと思うけど。それに明日になったらまた寝ぐせで崩れてるじゃん」

「今やってるのは練習だからいいの!」

「さいですか…」

「もう、あっちいってて!」

「あれ、いいの?飯できたからよんで来いって言われてきたんだけど」

「え?もうそんな時間?」


近くの置時計を確認してみると、いつのまにか時間がたっていたようでいつも夕飯を食べる時間になっていた。


「わかった。じゃあ、この髪なんとかしたらいくから先食べてて」

「りょーかい」

「かーさん、姉ちゃん先食べててだって」と大きな声で叫びながら歩いてく弟を横目に私はクシを取り出して髪の復旧作業を始めた。


クシクシ、クシクシととかしていると昔やっていたアニメのキャラクターを思い出す。

ハムスターがとっとこ走ってケージを抜け出して仲間と遊ぶ、みたいな話だった。


(懐かしいなぁ、後で調べてみよ)


そのあとはひらすらとかしていく作業を無心でこなし。

櫛でとかし始めて10分後髪型も大体元に戻ってきた。


(あとは、最後にちょっと整えて…)


「よし、完成!」


ピョコン!


出来たと思った瞬間、ひと房の髪の毛がアホ毛のように飛び出た。


(…はぁ。早くごはん食べたいのに…)


※このあと無事アホ毛を倒し、美味しいごはんを食べました。

次回も7時頃の更新となります。


あと、読んでくださっているかたがおりましたらブックマークしていただけると幸いです。


誰も読んでくれてないんじゃないかと不安になるので…

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