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俺氏、真の死因発覚

いつも誤字脱字報告ありがとうございます。

高次元生命対策本部。


本部が首相官邸に移動してきてから、入って来る報告は困ったものばかりだった。


リバイアサン、ネッシー、オーガが一緒に行動を始めた。

ベヒモス、グリフォン、ペガサスが戦ったあと、行動を共にし始めた。


対策本部長の佐竹は、報告書を見つめながらため息をつく。

最近、いつもため息をついている佐竹。


「まいったな。ドラゴン、フェンリル、フェアリーが一緒に活動していると聞いた時より心配だ。」


本部長補佐の遠山彩姫は、眼鏡をチャキっとなおしながらうなずく。

「まったくです。ペガサスはデモの民衆に危害を加えていますし、オーガは副首相邸を襲った実績があります。その個体と意気投合した幻獣たちがどう動くか心配ですね。」


佐竹は手に持った報告書をパラパラ見つつ、眉間に皺をつくる。


「最初にドラゴンとフェンリルを優先的に追いかけたのが裏目にでたな。」


「あの時は仕方なかったかと…」


佐竹はゆっくり椅子の背に持たれる。

「よし、とにかく北海道の幻獣たちの言語解析を急がせろ。影山の成功例もある、交渉できるならそれに越したことはない。」


「はい。では直ちに指示を出してまいります。」


立ち去る遠山。

佐竹は、再度報告書に目を通しつつ、嫌な予感に身をこわばらせた。


(幻獣たちは結束をして何をするつもりなんだ?)


眠れない日々が続きそうだと、またため息をつく。

せめて一息入れようと、コーヒーカップに手を伸ばした時。


「佐竹本部長、ご報告があります。」


見上げると影山だった。

なんとなく、嫌な報告をされそうな気がして胃がキュンとする。


「どうしたのだ影山室長。」


「実はフェニックス達の居場所が何となく見当つきました。」


ガタッ!

「本当か!どうやって見つけたんだ!」


「落ち着いてください。あくまでなんとなくですが、おそらく埼玉山中だと思われます。」

そういいつつ地図を広げる。


その地図にペンで書き込みながら説明を続けた。

「ここがフェニックスが最後に確認された場所。ここがコカトリスの最終発見場所。ここがリッチの最終発見場所です。」


「おいおい、まさかその3体が一緒に活動しているとか言い出すんじゃないだろうな。」


ニヤリと笑う影山。

「おそらくは。現在彼らが見つからないのは、人がいる場所に出てこないからです。移動していないと言い換えてもいいでしょう。ではなぜ動かないのか?」


佐竹は胃をキュンキュンさせながら影山をにらむ。

「なぜだと思うのかね。」


「はい、この3体の移動方向を線で予想すると、このあたりでぶつかります。つまりこの辺りで出会った可能性があるんです。ほかの幻獣たちも仲間を作ると拠点でしばらく活動を止めています。」


「三体は出会ったから、一旦そこに腰を落ち着けた可能性があるというんだな。」


「はい、あくまで予想ですが。」


本当は予想ではない。ドラゴン和明とフェンリル薫の探査能力で見つけたので、確定事項。

しかし『幻獣に見つけてもらいました』とは言えないので、むりやりつじつまを合わせた屁理屈を考えて報告している。

影山は、職務よりもフェアリーやドラゴンを選んだ女である。


そうとは気づいていない佐竹は、影山が指定したあたりを調査するように指示を出す。


「影山の予想通りだすると、こっちも頭が痛いな。幻獣トリオが4組か…。」


しばらく頭を抱えて悩むと、疲れた顔で影山を見た。

「影山室長、どのような対策を取るべきだと思う?」


考えるのにつかれた佐竹は、無意識に影山の意見を求めてしまった。

影山は少し考えて笑顔で答える。


「そうですね、ドラゴンさんチームはのん気な集まりなんで刺激しなければ問題ないと思います。オーガさんはネッシーさんとリバイアサンさんが預かってくれていますので、こちらも気にしなくてよいでしょう。」


「そうか。それだけでも労力が半分になるのは有難いが、ドラゴンたちの居場所を把握しないと不味い。それに関する各方面からのプレッシャーも凄い。せめてドラゴンの居場所を見つけてくれないか?」


(本部長、弱ってますねえ。これはこちらに都合のいいことを吹き込むチャンスですね。)

「これも私の予想でしかありませんが、よろしいでしょうか?」


「もちろんだ、言ってみてくれ。」


影山の灰色の脳細胞が、一瞬凄い速度で稼働して適当な理由をひねり出した。

「フェアリーさんがオーガを海に送り込んだ時に、テレポートのようなものを使いました。あれは異次元を利用する魔法だと思われます。ドラゴンさん達はそのフェアリーさんのその能力をつかって隠れている可能性があるのではと。」


「…なるほど。ありえるな。そうなると探すだけ無駄か。わかった、その方向で話をまとめてドラゴンたちは捜索対象から外そう。」


(やった!)

「私もそれが賢明かと思います。」


影山、上司の丸め込みに成功。

職務よりもファンタジーを愛する女、それが影山早紀。


佐竹の丸め込みに成功した影山は、佐竹に一礼すると自分の席に戻る。


そこで調べ物を始めた。

ドラゴン和明たちが語った、人間だったころの資料を探すために。


まず、佐藤和明、鈴木薫、山田熊代の死因を調べた。


「うわー、これはひどい。どうやら『ネタになる死に方をするのがトリガーだったのでは』というドラゴンさんの推理は正しいかもしれませんね。」


フェンリル薫は、自撮りで落ちそうになった人を助けようとしたら、その人は彼氏に助けられ、そのせいで空振りして体勢を崩して橋から落下して死んでいる。

フェアリー熊代は、痴呆で判断力を失い、携帯電話の電池をかみ砕き、その発火が原因で死亡。

ドラゴン和明は、、、、本人は飛び込み自殺に巻き込まれて死んだと思い込んでいたが、、、

実はセレブな外人大学生が、酔った勢いで彼氏をベランダから突き落とし、その落ちてきた人の股間に頭をつぶされて死んだようだ。

ちなみに落ちてきた男性は、和明に衝突したおかげで一命をとりとめている。オカマになったが。


さらにオーガ肇、ネッシードリーム、リバイアサン真紀子の死因も調べて、思わずクスッと笑ってしまった影山。


「おっと、人の死で笑うなんて不謹慎ですね。でもオーガさんの『アパートのドアを開けたまま、全裸で自分のお尻を叩きながら、ビックリするほどユートピアと叫びながらベッドに飛び乗っているのを宅配の人に見られ、慌ててパンツをはこうとしたら、足が引っ掛かりミラクルな転び方をしてドアから飛び出してしまい、そのままアパートの階段から転げ落ち、パンツが首に絡まり窒息死』って・・・、目撃者が居なかったら絶対解決しない案件じゃないですか。クスクス。」


6人全員の経歴などを調べて、一つの結論に達する。

「死んだ日は同じというわけではありませんが、過去一年以内。それに全員すでに家族はいないようですね。この線で探ればほかの幻獣の身元も割り出せる可能性があるかな。」


そして、ひたすら面白死亡した人を検索しだす。


カチカチカチカチ


キーボードとマウスを無心で操作。

3時間は作業をしている。


ふと後ろに人の気配を感じた。

振り返る。

そこには画面をのぞき込む佐竹本部長が居た。


「ひっ、佐竹本部長。何か御用でしょうか?」


「影山が珍しくPC作業をしているので見に来たんだが…遊んでいたのか?」


(ほっ、勘違いしてくれている。だったらこのまま押し通しましょう)

「すいません、私なりに頭をリフレッシュさせるための方法でして・・・。趣味の作業をしていました。」


不思議そうな顔で外面を指さす佐竹。

「その、なんだ。その死亡者を探すことが趣味なのか?」


極力不自然にならない笑顔で返す。

「はい、面白い死因を見つけるのが趣味でして。この『オナラに火をつけたら大爆発して死亡』とか面白くないですか?」


「面白いが…他人の死を面白がるのは感心しないな。」


「公安時代は、こういう死因をみるたびに『この事件の捜査をした刑事は大変だろうな』と思ったものなんです。報告書の提出をしても絶対ケチつけられますから。そういう目で見ていたらだんだん面白くなったんです。」

口から出まかせが、スラスラ出てくる影山。公安ではこの能力は大活躍したものだった。


「そうか。たしかに自分がこんな報告書を書くことになったらと思うとゾッとするな。だが今は忙しい時期だ、リフレッシュもほどほどにしろよ。」


「はい、ほどほどにします。」


立ち去る佐竹の背中を見送りながら、深く息を吐いた。


(危ない危ない。幻獣さん達が元人間なことは、念のため秘密にしたかったから焦りましたよ。)


そのあと、最近の面白死亡事件を調べながら、現在の幻獣たちの候補を絞り込んでいくのだった。


保健所から犬をもらってきたら、世話が大変で四苦八苦。

犬の面倒程度でこれなのですから、子育てしながら時間を作る人の凄さが分かってきました(汗。

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