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俺氏、グダグダ過ごす

ほんと、いつも誤字報告ありがとうございます。

毎度毎度申し訳ないス。ありがとうございます。

高次元生命対策本部


本部長の佐竹は、フェアリー対策室室長の影山早紀から報告を受けた。

その報告を聞きながら、佐竹は頭を抱えた。


「つまり、麻田副首相を誘拐したのはオーガの仕業で、その誘拐を止めたのはドラゴン、フェンリル、フェアリーの三匹だというのか。」


「はい、ドラゴン、フェンリル、フェアリーは子供を助けるくらいには善良なようです。」


「しかし、GPSを仕込んだ鞄は麻田副首相のお孫さんに譲られてしまったので、追跡ができなくなったというのか。」


「はい、追跡は不能となりました。ですが、あの3人は危険度が低いと考えます。この動画を見てください。」


影山は、目の前のモニターで動画を再生した。


報告用に撮影した「オーガvsドラゴン・フェンリル・フェアリー」の動画が流れる。

そっと亜里香の頭をなでるドラゴンの動きや、それとなく寄り添うフェンリルの姿を見つめ、佐竹は考える。


(たしかに危険度は低いと判断して良さそうだ。だが、そんな感情論では誰も納得はしないのだがな。)


動画の中では、音声も入っている。

そこで、フェアリーが話す言葉も入っていた。


『あやつがネッシーか。そうじゃのう、気の良い奴じゃったぞ。『鬼とか超ウケるんですけど。しかも妖精に負けるとかまじヤバイ。マジ卍』みたいなこと言っておったのう。半分以上何を言ってるか分からんかったが、気の良い奴なのは確かじゃな。』

『うわー、あの巨体でギャルなんですね。ネッシーさんはいつも体を水に沈めているんですが、その理由は聞きましたか?』

『そういえば言っておったのう。『妖精ちゃんワシ可愛いぃぃ、超ヤバイ。っていうかその服は自作なの?』と聞かれたから、影山に作ってもらったと伝えたのじゃ。そしたら『ちょマジ、ウチも作ってほしいんですけど。全裸だから恥ずかしくてまじヤバイ。海から出れなくてテンサゲ』みたいなこと言っておったぞ。』

『凄いですよフェアリーさん、ネッシーさんに私を売り込んでくれるとか最高ですよ。ありがとうございます、フェアリーさん!』

『う、うむ。影山も喜んでいるなら話が早くて助かるわい。ネッシーに影山に頼んでやると約束したものでな。こちらもありがたい。』


佐竹はまた頭を抱えて、眉間に皺を寄せた。


「このフェアリーの話はどう理解したらよいのだ?」


「私の誠意ある行動により、かなり心を開いてくれたので、友人のネッシーを紹介してくれたと受け取れます。」


「違う、、、いやそれもそうなのだが、、、ネッシーの服を用意するとなると莫大な予算が必要だ。それにネッシーの話し方の部分だが、このギャルみたいな言葉を本当に言ったと思うか?」


影山は数秒で、上手い言い訳を考えて口を開いた。

「おそらく、テレパシーによるやり取りに近いのではと推理します。ですので、イメージで受け取った内容をフェアリーさん流に翻訳しているのではないかと。逆に考えればあのように翻訳したくなるような性格なのではとも考えられます。」


「なるほどな。それは説得力がある推理だ。ところで脇腹の怪我はまだ治ってないのだろう。できれば入院してほしいのだが。」


影山はニヤリとした。

「いいえ、動画を撮影していない時にフェアリーさんが完治させてくれました。フェアリーさんはかなりのポテンシャルを秘めているようです。」


「回復能力か、そういえばフェアリーは自身も瀕死の状態からすぐに回復したんだったな…。この動画ではオーガを翻弄している場面もあるし、最後はテレポートのようなもので海にオーガを捨ててきたという。無力で無害かと思ったが、やはり常識では測れない力を持っていたか。」


佐竹は、さらにいろいろ考える。

(この分では、無害だと思われているペガサスも油断できないか。)


そして佐竹が一番注目しているのは、

「ところで影山室長、ドラゴンが成長しているな。10メートルはあるだろこれ。」


「はい、驚きました。もしかすると、危機に会うと急いで成長するのかもしれませんね。」


「くそ、頭が痛いことだらけだ。」


そこに、補佐官の遠山が資料を持ってくる。

あいかわらず、ピシッとした格好でキツイ眼鏡。


「佐竹本部長、悪い事ばかりではありませんよ。今回の影山室長の活躍のおかげで、内閣に貸しが作れて、臨時予算もすんなり通りました。それに反政府活動団体も一つ壊滅させられましたし。」


「そうだな、今回は収穫も大きかった。それで納得するしかないか。」


胃を抑えながら、苦い表情になる佐竹本部長。

危機は増えるばかりだ。


しかし、これはまだ序の口。

なんせ最も胃が痛くなりそうな事案である、影山の裏切りをまだ知らないのだから。

世の中には、知らないほうが幸せな事もある。




ところ変わって麻田邸。


ドラゴン和明、フェンリル薫、フェアリー熊代は、亜里香とトランプをして遊んでした。

大富豪。

フェンリル薫は、前足で器用にトランプをっもって、カードを4枚出す。


『はい革命!』


フェアリー熊代は小さい体で器用にトランプを持って浮いている。

「ここで革命はないじゃろう!ワシが滅茶苦茶に終わってしまったのじゃ。パスじゃ。」


ドラゴン和明も目が泳ぐ。

『う、嘘だろ。俺のキング軍団が・・・ってジョーカーがあった。よし、ジョーカーから連続でキングによる革命返し!キングの力を思い知れ!革命前に戻してやる。キングク〇ムゾン!』


「でかしたぞ和明君。これでワシも乾坤一擲の一撃を放てるというものじゃ。」


白目をむくフェンリル薫。

『おのれえええ!私の革命をキングクリ〇ゾンするとはああ。』


亜里香は楽しそうに、パサリとカードを4枚出した。

「はい、革命返し返しです。そして私はアガリです。」


『ありがとう亜里香ちゃん!よーしココからずっと私のターンだ!』


「うそじゃろう!ワシの優位はしょせん三日天下であったというのか。」


三人は、完全に亜里香の部屋に住み着いている。

そこで部屋のドアが急にガチャリと開いた。


「亜里香ちゃん、誰とお話しているの?」


ドアが開いたところから女性が顔を出す。

亜里香の母親、麻田朱美だった。


その瞬間、フェアリー熊代は体を硬直刺させてフィギュアの振りをし、ポトリとベッドに落ちる。ドラゴン和明は小さくなってぬいぐるみの振りをする。

フェンリル薫は、そのままトランプを捨てて犬の振りをした。


亜里香は、ドラゴン和明を抱き上げる。


「ワンワンさんと、ドラゴンさんのぬいぐるみと、妖精さんの人形とでトランプしてました。」


朱美は娘が、思ったよりも誘拐未遂のショックを受けていないように見え、安堵する。


「そう、それは楽しそうね。ところで聞いていい?」


「何ですか?」


「今、ドアを開けた瞬間に、ドラゴンが小さくなって、妖精がコトリとベットに落ちて、ワンワンちゃんがトランプを投げ捨てたように見えたんだけど、気のせいかしら?」


ドラゴン和明は、亜里香に抱かれながら嫌な汗が流れた。

(そうだよな、一瞬目が合ったきがしたし)


亜里香も目に見えて動揺する。

嘘がつけない子なのかもしれない。


しかも亜里香は、小声でドラゴン和明に話しかけてきた。

「ドラゴンさん、これってどうしたらいいでしょうか?ママに話しちゃっても良い?」


無言で冷や汗を流すドラゴン和明。

(いやいや、ママさんがいるのに返事できるわけないでしょ。しっかりしているように見えても子供という事か…)


するとフェンリル薫がトコトコときて、ドラゴン和明の肩に手を乗せた。


「わおんわおん(和明さん、ここで暮らすなら大人にも協力者が必要だと思うの。問題は、どの大人を協力者にするかじゃないかな。どうする?判断は和明さんに任せるけど)」


フェアリー熊代からも念話が飛んできた。

<そうじゃな、確かに薫ちゃんの言う通りじゃ。ワシも判断は和明君に任せよう。好きにやってくれ。>


(まいったな、俺任せにしないでほしいところだが。しかし、確かに親御さんには知らせた方が良いかもな。)


諦めた顔でため息をついて、亜里香の腕の中でもぞもぞと動き出した。


「ぎゃおんぎゃおん(では熊代さん、説明よろしくお願いします)」


むくりとフェアリー熊代は身を起こした。

「うむ、任された。さてママさんや、なんぞ聞きたいことがあれば遠慮なく聞いてよいぞ。ワシが可能な限り答えよう。」


動くドラゴンとフェアリーを見て、朱美はゴクリと唾をのみ正座をした。


「もしかして、先日明かりを助けてくれた幻獣さん達でしょうか?」


「うむ、察しの通りじゃ。ワシら3人が先日の幻獣じゃ。できたら内密に匿ってくれると嬉しいのじゃがな。」


今度は朱美が目に見えて動揺する。

「え、目の錯覚であってくれればと思ったのに、本当にあの幻獣?」


「そうじゃ、この屋敷の前で鬼と戦ったあの幻獣じゃ。」


「あわわわ。」


混乱した朱美は、すっとスマホを出してフェアリー熊代をパシャリと撮影。

「これをツイッターにあげればバズるかもしれません。」


『ママさん、落ち着いて!』

フェンリル薫は、素早く朱美からスマホを奪う。前足で。


亜里香が母親の朱美を羽交い絞めにした。

「ドラゴンさん、ママにもピカーをやっちゃってください!そうすれば分かってくれるはずです。」


何となく迫力に押されるドラゴン和明。


『え、いいの?え、え、えっと・・・ママさん失礼します。』


朱美の頭に手を当てて、イロイロ付与した。


朱美の体が光る。

「え、これはなに?亜里香ちゃん!これは何!!」


暴れる母親を見事におさえきる10歳児。

これ、ドラゴン和明の付与した能力のせいで強くなっているためだ。


朱美の体から光が消えると、亜里香は拘束を解いた。

混乱した顔で亜里香に顔を向ける朱美。


「何が起きたの?ママに説明しなさい!」


「ドラゴンさんは、他人に色々な能力を与えられるんですよ。それで、ママにもドラゴンさん達と話せるようになって欲しかったんです。」


「亜里香ちゃん、ちょっと言っている意味が分からないのだけれど?」


『はいはーい、ではこの薫さんが説明しましょう。』


フェンリル薫が割って入ってきたので、朱美は横にいた白い犬を二度見した。


「え?犬がしゃべった?」


『私は初めから話しをしていたんだよ。でも、人間が聞くとワンワンとしか聞こえないっぽいの。ママさんは、いま自動翻訳の能力を付与されたから、私の言葉が分かるようになったわけ。OK?』


「わたし、頭がおかしくなったのかしら…。」


ドラゴン和明が申し訳なさそうに頭を下げる。


『なんか亜里香ちゃんの勢いに押されて、能力付与しちゃってごめんな。ママさんが嫌なら付与した能力を外すけど。』


すると朱美は、あわあわと手を振り、慌てて返事をした。

「いえいえ、折角いただいたものですので、大事にさせていただきます。それよりも、もしかしたら先日、我が家と娘を助けてくれた幻獣さんたちえしょうか?」


ドラゴン和明は照れながらうなずく。

『まあ、成り行きでね。亜里香ちゃんとは仲良くなったしさ。」


「やっぱり。…そうだ、何かお礼をさせてください。我が家と娘を助けていただいて何もなしでは申し訳ありません。何が良いでしょうか?」


『礼をしたいなら、俺たちをペットとして家においてくれないか?こんな姿だから人目を避けながら暮らすのが難しくてさ。』


「そんな事でよいのですか?もちろん構いませんが、もっと何かお礼がしたいのですが。」


『じゃあ俺たちの事は、一切秘密にしてもらえるかな。それこそ家族にも。それだけで、ホント助かるから。』


朱美は、ドラゴン和明、フェンリル薫、フェアリー熊代を見た後、しばし考えてからうなずいた。

「わかりました。私が責任をもってペットとしてお迎えいたしましょう。ですがついでと言っては何ですが、いくつかお願いがるのです。」


フェアリー熊代が飛んできた。

「うむ、なんでも言っておくれ。一宿一飯のお恩義には報いさせてもらうつもりじゃ。」


「図々しいお願いで申し訳ないのですが、亜里香をこれからも守ってもらえないでしょうか。祖父と父がVIPですので何かと危険が多く。」


「うむ。ワシらが責任をもって守ると約束しようぞ。」


「ありがとうございます。それともう一点よりでしょうか。」


「遠慮なく申すのじゃ。ワシらは衣食住が落ち着けば暇な身よ。多少仕事があった方がよいくらいじゃ。」


「ありがとうございます。実は亜里香には友達が少ないので、遊び相手をお願いしたいのと、できれば家庭教師も可能な範囲でお願いしたいのです。」


「友達が少ない子には見えんがのう。明るくて素直でよい子であるぞ。」


「いえ、VIPの子ですので普通の子供と友達になりにくいのです。それと同じ理由で家庭教師も身元調査で、ちゃんとOKが出た人しか雇えなくて困っていたんです。」


「うむ。ワシはそれで構わんが、家庭教師はどのくらいできるであろうか。ワシは漢字や古文などは得意であるぞ。裁縫、料理、育児などもソコソコわかるが。」


フェンリル薫がシュタっと手を上げる。

『はいはい、薫さんは美術や音楽得意です。英語もいけるよ。っていうか多分中学生くらいまでの勉強なら全部行けると思う。東大合格できるくらいの学力あるから。』


ドラゴン和明がおののく。

『マジか!薫さんは馬鹿だと思ってたのに、ショック!ちなみに俺は工学部に入学できる程度の学力はあると思う。こう見えて理系なのだよ。ただ問題は歴史だよな。アレは俺たちの知識と違うらしいぞ。鎌倉幕府も『良い国作ろう(1192)』じゃないらしいし。』


「うそじゃろ!なんで歴史が変わるんじゃ!」


『うそでしょ、じゃあ本能寺の変はどうなの?もう『行こう、ヤスケと共に(1582)』じゃないの?』

(注:ヤスケとは信長が可愛がっていた黒人奴隷の名前。腐歴女が時々BL展開させるキャラ。)


『薫さん、なにその語呂合わせ。本能寺の変は『テンション 天然  囲碁ハニー(天正10年 1582年)』でしょ。』


「和明君も薫ちゃんも何を言っておるのじゃ!本能寺の変のゴロ合わせは『十五夜(1582)に、信長自害 本能寺の変』であろう!」


朱美が割って入ってきた。

「ちがうと思うの。本能寺の変は『信長 イチゴパンツ(1582)で本能寺』がポピュラーじゃないかしら。」


そこでドラゴン和明、フェンリル薫、フェアリー熊代は声をそろえて


『『「それはない」』』


心が一つになるのだった。


なんか収拾がつかず、ぐだぐだと夜が更ける麻田邸であった。


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