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物語

熱い血の通った歌を

どこかで 落とした


つばめともぐらと

青い魚が探してくれた


けれとどこにも見つからず

悲しんでいた朝に


私は冬に出会った……黒い髪と瞳を持つ

雪の飾りを散りばめた若者に


青ざめたはだは ひえびえとして

くちづけも まなざしと同じに冷たかった


その余りの冷たさに

私の魂は奥底まで凍えてふるえた


けれどその時

私の心臓からほんの一滴


ルビーのように赤い なくした歌のひとしずくが

こぼれて愛の歌を歌った


そのたったひとしずくが

伝い落ち 流れ流れて


舞い狂う雪の中に

荒れ狂う風の中に 扉を開き


世界から歌を呼びおこした(古い けれども常に新しい歌を)


歌は冬を打ち負かし

美しい若者は くずおれて消えた


燕ともぐらと青い魚が

帰ってきて世界と共に歌った


そして若者が消えた後には

ただ一面の


愛の歌だけが残った



プロローグ扱い、という事で。この時のお題は、『舞い狂う雪の中に』の一言を入れて作品を作りなさい、でした。

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