霧島冷戦
チャイムが鳴った。1時間目は数学だ。
机に数学の用意をしているのを確認しておく。こんなことも1週間経つとやってないんだろうなんて……。
1限の時間は65分である。よって朝は3限、昼休みを挟み昼から2限となる。
東先生が入ってきた。数学の担当だったのか。
「よし今から授業を始める。そういやまだクラスの室長決めてなかったな。とりあえず決まるまで俺が言うしかないか……。起立、礼、着席」
高校生活最初の授業が始まった。
この学校は偏差値が高い学校でも低い学校でもない。この学校の偏差値は50だ。
この学校が偏差値高いか低いかは人それぞれである。いきなり矛盾しているだって?おっと今は考えてる場合じゃない授業に集中しなくては。
「えっと、文字の計算からだな。教科書の1ページをあけなさい。とりあえず問題1を解きなさい。中学の復習だから間違えるなよ」
僕はそう言われると同時に問題とりかかった。こうして授業は進んでいく。
「きりっち、きりっち」
後ろから真壁に呼ばれた。
「なんだ真壁」
授業中なので小さな声で返した。もちろん後ろは向かずにだが
「きいてよ。きりっち。昨日」
「真壁の話は授業後にしてくれよ」
話が始まりそうだったので早めに言っておいた。あぶないあぶない
「えーきいてくれっすよ」
「昼休みにしてくれよ」
「霧島うるさいぞ。今は授業に集中しろ」
東先生に怒られた。なんで僕だけなんだ……
「竜さん、竜さん、久しぶりですわ」
「久しぶりと言いたいところだけどまだ思いだせなくて……」
「霧島うるさいぞ。またお前か。静かにしろ」
また東先生に怒られた。
このやり取りが何回か続いた。
「なんできりっち怒られてるんすか?俺は怒られてないっすのに」
「僕に聞くなよ」
さすがに疲れてきた。
「霧島〜!授業中おしゃべりとはたっしゃだな。これで何回目だ。だいぶ態度が大きくなったな。次うるさくしたら反省文を提出してもらうぞ」
これで怒られるの何回目だろう。素直に数えようとしてしまった。それにしてもなんで僕は怒られてるんだ。話しかけているのは僕じゃないのに……これこそ理不尽だ。
「1時間目はこれで終わりだ。予習、復習忘れないように。霧島授業中私語はしないように、以上」
そういうと先生は教室を去った。
「やっと授業が終わったっす。きりっち。授業が終わったから俺の話きいてほしいっす」
「昼休みまで待てよ。次の授業の準備とかあるし……」
「えーーそのために授業起きてたんすよ」
「……」
なんて返せばいいのやら
「竜さんが困ってますわよ」
九条さんはグッジョブみたいな顔で見てきた。確かに助かった。
「俺ときりっちの親友同士で話してるんす。入ってこないでほしいっす。部外者」
「わたくしは竜さんの婚約者ですわ。立場は親友より婚約者の方が上、つまりあなたの方が部外者ではなくて?」
なんかやばいことになってきた。助かったのは気のせいだったみたいだ……。
「きりっちはさっき覚えてないって言ってたっす。よってその婚約は破棄っす。つまりは俺の方が上っす」
「親友とおっしゃってましたが自分の勝手な思い込みではなくて?」
僕はどうしたらいいんだ……。ややこしくなる前にここから去ろう。忍者のようにこっそり退場しよう。気づかれないように椅子から立ち上がりその場を離れようとすると二人に腕をつかまれた。助けてくれ〜
「きりっちが嫌がってるっすよ。離れてほしいっす」
「それはあなたの方ではなくて?」
あまり力入れて引っ張らないで……。腕が痛い、痛い……。ちぎれる……。
アニメの主人公はこんな体験を毎日しているのか……。主人公も大変なんだな。考えただけで胃が痛い……。
二人はお互いを睨みあっていたがチャイムが鳴りそれぞれの席に座った。
2時間目に入った。国語である。先生が入ってきた。国語の担当の先生はどんな人だろうと思いきや東先生だった。国語も東先生みたいだ。
「朝の3限終わった〜」
そう誰に言うでもなく呟いた。
「やっとっすね。ほんと、授業だるいっすね」
やっぱり真壁が絡んできた……。
真壁はあくびをしつつ眠そうな声で話しかけてきた。
「自称親友さんは2限目と3限目の間は寝てて授業受けてないのではなくて」
「自称親友さんとは失礼っすね。あなたこそずっときりっちの方を見てるっすね。ストーカー」
「はは」
また睨み合ってるよ……シンプルに怖い……。
「そんなことより、きりっちご飯を食べるっす」
「竜さんは私とご飯を食べるでよろしくて」
「まぁまぁ、二人とも落ち着いて一緒に食べような……な……」
争いが始まる前に止めておかなくては……
「きりっちがそういうなら……しょうがないっすね。心の広いきりっちに感謝しなさいっすよ。ストーカー」
「あなたこそ。器の大きい竜さんに感謝ですのよ。自称親友さん」
僕のために争いはやめてくれ〜とか言った方がいいのかな。アニメのように……
でもそんなこと言うとさらに争いが激しくなりそうだったのでやめておいた。
「きりっち、きりっち聞いてほしいっす。昨日の帰りの話っすけどある家から小学生ぐらいの子がいきよいよく走って出てきたんすよ。なんだろうと思うじゃないすか。それで見に行ってみると家の中から50代ぐらいの人が出てきていきなり俺に怒ってくるんすよ。さすがに俺に怒っていないなと思うじゃないすか。なので俺の後ろに誰かいるのかなと思って後ろ振り返っても誰がいるわけでもなくて本当に焦ったんすよ。後から聞いた話っすけど小学生ぐらいの子がピンポンダッシュしてたらしいっすけど、今日はたまたま俺がしたと思われたみたいと言われてショックすよ。俺、ピンポンダッシュするようにみえるっすか……」
「まぁ、ぼちぼちかな……。なんて」
否定できないところもあるな……。
「あれ?九条さんがいない。どこ行ったんだろう」
「ストーカーなんかほっといたらいいんすよ」
九条さんは真壁に対して一番に話に突っ込んできそうなのにそれがなくてびっくりした。どうしたのかな。
「ちょっと探してくる」
僕はそう言い立ち上がった。
「きりっち。まだ話の途中すよ……」
そんな真壁の声が聞こえたが教室を出た。
真壁の話を聞かなくてすむのもあるかもしれないが、僕にはいきなり何も言わずにいなくなった九条さんが心配だった。
…のところに丸打つのって違和感ありますか?
どうなんでしょう……。
こんな感じです。
作品を読んでいただきありがとうございました。




