妹に「変態」だと認定された日
ゆっくりしていってください。
「ただいま」
そうつぶやき玄関のドアを開けた。
「お兄ちゃん、おかえり」
涼がたまたま廊下にいたらしく答えてくれたみたいだ。
「ただいま」
今度はつぶやくのではなく妹に言った。
そういうと涼はリビングへ消えていった。
今日はお互い学校が昼までだったが、涼の方が帰るのが早かったようだ。
僕は玄関で靴を脱ぎ2階の自分の部屋に入った。
制服から部屋着に僕が着替えている間、少し妹の涼について語ろうかな。
僕の妹、 霧島涼は料理だけでなく家事など、すべてを完璧にこなしてくれている。
少し前の話。っていっても約3年ぐらい前かな。
親は僕が中学生になると同時に海外に仕事で旅立った。
その日からずっと料理を作ってくれているからである。
そして家事も…….
僕がお兄ちゃんとして頼りないせいで親は心配していたが、
お兄ちゃんは私が面倒見ると当時5年生だった涼がいったのだ。
その時、僕はたまたまリビングで涼と親が話していたのをきいてしまった。
だから、少し涼には嫉妬しているのかもしれない。
親に頼られたのが僕ではなく涼だったということに……
でも尊敬もしている。
5年生でしっかりしていたこともそうだが、あの約束の日から今でも涼はその言葉を実行し続けているのだ。
僕の自慢の妹だ。
ちなみに涼は中学2年生だ。
着替え終わったので、昔の話はこれくらいにして1階のリビングにむかった。
一階のリビングでは涼がご飯を食べていた。
「お兄ちゃん、ご飯は冷蔵庫に入れてあるから、好きな時間に温めてたべて」
「いつもありがとな、涼」
と言って頭を撫でてやると涼は目をとじて幸せそうな笑みをうかべた。
涼の黒いロングのサラサラな髪が手になじむ。
「涼の髪、綺麗だな」
ふと思ったことを口にだしてみると涼は真っ赤になった。
「変態!」
軽く叩かれた……痛い……
そんなやりとりをして僕はご飯を食べるためにキッチンに行き、冷蔵庫にあるご飯をレンジで温めた。
リビングに戻ると涼はちょうどご飯を食べ終わったみたいだ。
「お兄ちゃん、今日学校で起こったことについて話してよ」
「いいよ。どこから話そうかな」
今日起こった出来事や知り合った人などの話をした。
こういうことは涼が中学生に入った頃ぐらいから続いている。
その時に理由が気になったので聞いてみると、涼は僕が変なことしてないか監視して親に心配かけさせないためと言っていたので承諾した。
お兄ちゃんが好きだからみたいな展開を期待していて聞いたのもほんの少しだけあったかも。うん、あったかも。少しだけね……
「ふーん。それでその生徒会会長さんと、いい感じだったんだ……」
「えっ、そんなことないよ。変な人と思われたくらいだと思うぞ」
「まぁ、それだといいけどね」
なぜか生徒会会長が美人な人という話をした途端、涼は不機嫌になった。なぜだろう涼は会ったこともないはずなのに……
「まさか、お兄ちゃんのこと……」
まるで独り言のように、だけど涼があえて聞こえるように言った。
「冗談でしょ……勝手な妄想はやめてもらえる。変態」
「嘘だよ、嘘。ジョーク、ジョーク……」
本気でキレられた……目が怖かった。
僕が高校での出来事を話し終わると
「チェックする人はそれぐらいかな」
涼がそうつぶやいたように聞こえたがその言葉の意味がよくわからなかったので聞き流すことにした。
「今日はこれで終わり。私、自分の部屋に戻るから」
というと涼はさっさとキッチンに皿などを運び、リビングからさってしまった。
妹というのは何を考えているかわからないものだな
僕はそう思いながら僕も自分の部屋に戻った。
自分の部屋に入るとすぐに布団に倒れこんだ。今日は色々なことがあって疲れた。
そう思い込んだ瞬間夢の中へと吸い込まれていった。
「お兄ちゃん。お兄ちゃん」
「ここは?」
いつの間にか見知らぬ場所に来ていた。
見渡す限り誰かの家の中のようだ。
「何いってるの、お兄ちゃん。ここは私とお兄ちゃんのマイホームだよ。やっと買えたね。お兄ちゃん」
ご機嫌そうな涼を前に僕は絶句してしまった。そう、僕が絶句している理由は涼が超絶デレているからである。
「そうだ!お兄ちゃん。定番だけど、ご飯にする?お風呂にする?それともわ、た、し?」
涼は上目遣いで僕を見つめてきた。
この時わかってしまった。これは夢の中だと……
そうだ!考えかたを変えるのだ。夢の中とがっかりするのではなく夢の中だからこそやりたい放題ではないかと……
涼よ、こんなお兄ちゃんを許してください……
「お兄ちゃん、何ブツブツいってるの?そんなことより決まった?」
「うん。決まったよ。全部!」
「もうこまったなぁ〜。お兄ちゃんは欲張りだね。でもそんなお兄ちゃんも大好きだよ」
その瞬間、涼は僕の腕を自分の胸元にうずめた。柔らかな感触が僕の腕に伝わった。
ふくらみは控えめだが中学2年生には少し成長している。などと考えていると
「お兄ちゃん。まずはお目覚めのキス…」
涼はまた上目遣いで僕を見つめ目をとじた。
「涼」
と僕も目を閉じて顔を近づける……
「はっ、やっぱり夢か……」
僕が起きて状況を理解するためにつぶやいた。そうして顔を上げてみるとなんと涼がいたのだ。
「お兄ちゃんって本当に変態だったんだ……」
涼が哀れみの目で僕をみてきた。
「涼!これは、これは違うんだ!涼!」
僕がそう言うと涼は数秒の間無言の威圧を放ってきた。僕はゴクリと唾をのんだ。
涼は無言の威圧を放ったまま部屋を出ていった。
これは生涯、霧島竜の黒歴史となった。
そのあとは大体予想はつくかもしれないがその日の晩御飯は作ってもらえなかった……
初ポイントをいただきました。
ありがとうございます。
正直とてもうれしくておもわず飛び上がってしまいました。
見ていただきありがとうございます。
そしてこれからもどうぞよろしくお願いいたします。




