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僕とヒロインのベタな青春ストーリー  作者: 風翔
揺れ動く日常
10/19

いつも通りの先生とタイミングの悪い九条さん

僕はアラームの音で目が覚めた。

夜ご飯を食べるためである。なぜか僕は朝が弱いんだよな。朝じゃなかったらアラームで起きれるのに……

などど独り言を呟き一階に降りた。

一階のキッチンには水玉模様のエプロン姿の涼がいた。


「似合ってるな。そのエプロン」

「そうかな?ありがと」


僕は涼が以外に素直だったのでびっくりした。変態と言われるおちだと思っていたのだが……

最近は変態、変態と言われ過ぎていたことからそう思ってしまったのかもしれない。


「お兄ちゃん、リビングに座ってて。すぐご飯の準備するから」


涼はスキップしてキッチンに消えて行った。

なにやら機嫌がいいみたいだ。

それから二人でご飯を食べて、今日も学校の話をした。

九条さんについて恐る恐る話しを持ちかけてみた。


「あれからもうそんなに経ったんだね」


涼は九条さんのこと、その出来事を知っているような口調だった。


「涼は何か知っているのか?」


思い切って聞いてみた。


「覚えてないなら九条さんから直接聞いた方がいいよ」


涼に何回聞いても九条さんから直接聞くのがいいと言うだけで尋ねても何も答えてくれなかった。

それに涼の言葉には少し力が込められている気がした。

一番疑問なのは涼が覚えていて僕が忘れていることだろう。


「この話は終わり。お兄ちゃん、話をしてくれてありがと。今日はこれくらいでいいよ」


今までで涼に話をした時間では最短で終わった。

明日九条さんに聞いてみようかな。



次の日学校に九条さんはこなかった。

そして今、僕は職員室にいる。

先生に九条さんの欠席理由を聞きに来たからである。


「失礼します。東先生、東先生はいらっしゃいますか?」


少し緊張しながら職員室のドアを開けて言った。


「なんだ。うーん。霧島だったかな?あってるか?違うような……」

「はい。あってます」


東先生はいつも通りだ。職員室でもこんな感じなんだ。


「九条さんの欠席について聞きに来ました。九条さんはどのような理由で欠席なのでしょうか」


僕は率直に東先生に尋ねた。


「風邪で休みなんだが」


東先生は不思議がらずに答えてくれた。てっきり質問した理由を尋ねてくると思っていた。


「今日の欠席した分のプリントを届けてくれないか……」


さらっと仕事を投げつけてきた。まぁ僕も行く口実になるのだけれど。なぜすぐに答えてくれたのかもわかった。


「でも僕は九条さんの家の場所を知りませんよ」

「それは後で教えるから大丈夫だ」


そんな簡単に個人情報を流していいものなのかな。


「わかりました。引き受けます」




ということで行くことになったのだが家がとてつもなく広い。それは外からでも伝わってくる。本当にお嬢様だったんだ。

僕は九条さんの家の前にいる。改めて考えてみると九条さんの好きなもの、趣味、そして今日まで家の場所も住んでいる地区する知らない。僕は結局九条さんについて何も知らないのだ。そんな僕が家に来ていいものなのかな。今更考えても遅いのだけどね。

僕は九条さんの家のインターホンを鳴らした。数秒すると玄関のドアから鋭い視線のガタイの良い男の人が出て来た。


「誰だ。インターホンを鳴らしたのは」

「僕です……」


なんか僕がインターホン鳴らしたのが悪いみたいじゃないか。てかインターホン鳴らして悪くないよね 。


「制服から見て娘と同じ高校の生徒か。うちに何か用か」

「欠席用のプリントを持って来ました」


そう言いカバンの中からプリントを取り出した。

プリントを取り出している間も威圧で緊張した。この数日で色々な威圧を体験しているな。僕は……まったく嬉しくないけど。


「そうか。ご苦労だったな」


というと僕が持っていた。プリントを取った。


「なんでまだ突っ立ってる。用事は終わったのだろう。帰らないのか?それともまだうちに何か用か」

「九条さんは体調大丈夫なのかなと思いまして」


九条さんのワードを出した瞬間鋭い視線がさらに鋭くなった。もう鋭いではなく視線が刺さっている気もした。


「心配してくれたのは嬉しいのだが。あいにく娘は寝込んでいてね」

「そうなんですか。そういうことなら僕はこれで」


これ以上いたら僕の精神が耐えられない気がした。


「お父様、そこで誰と話していますの?あら竜さんではありませんか。どのようなご用件ですこと」


なんでこのタイミングで九条さんでてくるの……

ややこしくなるじゃん。ほら九条さんのお父さん困ってるじゃん。やめてほんまに視線で

ヒットポイントが0になりそうだよ。


「まさか……お前の名前は霧島竜か?」

「はい。そうです」


どうしたんだろう。


「竜さん少し家に上がっていきませんこと」


それはまずいような……何がまずいかって?

それはね。ほらお父さん怒ってるよ。もともと怒っているようにも見えるけど……


「ほら、いきますわよ」


そういうと僕の手を握り家の中へと入る。

その握った手のあたたかさに心がホッとした。九条さんの顔を見たのは一瞬だったけど真っ赤になっているように見えた気がした。

僕も少し照れくさい。

九条さんのお父さんは僕の名前を聞いた途端その場に立ち何か考えているのが見えた。



遅くなりました。

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読んでいただきありがとうございました。

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