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僕は本当に彼女のことが好きだった
次第に亡くなる彼女の記憶
忘れたくない
薄れさせたくない
毎日怯えながら暮らしている
悲しいはずだった
彼女が居ない世界は嫌だった
だけどくだらない冗談で笑う
自分が居てそれも嫌だった
悲しみ続けることは難しい
彼女の消失に慣れてしまったから
悼んでいるつもりだったのに
心の穴が埋まってしまった
僕は本当に彼女のことが好きだった
嘘ではないはずだった
だけど悲しみは次第に亡くなっていく
ゆっくりと亡くなっていく
言葉を尽くしても
偽りになってしまうなら
嘘つきになってしまおう
僕はそれしかできない