7:ブラッディ・メアリーは傍にいる
目を開けると、私の横に息絶えたレッドウルフが横たわっていた。どうやら、ダサすぎる一撃が届いたらしい。という事は。
「ジャック!!!レッドウルフ!!!倒した!!!」
見様見真似、ジャックの倒し方を見て、瞬時に判断して、そして、私は倒した。レッドウルフ1000ダルを、初めての狩りで倒した。
「あ、ごめんランゼ居るの忘れてた!すげえじゃん、初戦でレッドウルフ狩れるって、才能あるんじゃねぇ?」
「いや、私働きたくないでござる。狩りはお金貯まるまでしかやらないでござる。」
「なんだその変な口調?」
「何でもない、でもまあ、才能あるならこれを主体にしてお金貯められるか!よし!今日はもう帰ろう、私勝ち逃げしかしたくないから!」
しかし、そこで一つの疑問が湧き上がる。
私の手柄のレッドウルフ、一匹。
ジャック無双のレッドウルフ、七匹。
これ、どうやって持ち運ぶの?ソリ?無いけど?馬車も無いけど?
「じゃあ、ちょっと早いけどこれ売りに市場に持っていくか。テレポートポイントまでそう遠くないし、市場まで俺のポケットに入れるけどいいだろ?」
「テレポート!?ポケット!?何それ!?」
「えっ」
「えっ」
どうやら、私がこの世界に来てまだ二日目だという事を、理解していなかったらしい。1から全て説明し、カルさんの口利きでキールさんの部屋を借りて、その旦那さんから剣を貰った所まで話し終えると、ジャックの顔色が変わった。
「部屋貸屋のキール……まさかその旦那って……あのブラッディ・メアリー!?あの街にいたのか!?」
「え、知らない、そうなの?ブラッディ・メアリーって名前?有名人?」
「今の所その記録は塗り替えられていない、伝説の最強の勇者だよ。そりゃその剣も持てるわ!そうか、ブラッディは、あの街に腰を据えたんだな。通りで勇者希望者が後を絶たない訳だ。」
「あの、自己完結してるとこ申し訳ないんだけど。テレポートポイントとかポケットって何?」
ああ、悪いと笑った後、ジャックも丁寧に説明してくれた。
テレポートポイントというのは、世界を繋ぐエレベーターみたいなものらしい。行き先を設定すると、一瞬でそこに着く、と。ポケットは、狩りをして得たモンスターや買った装備品、武器等を小分けにして、それらを簡単に言えば縮小して収納する魔法の入れ物みたいなものらしい。
なんて便利な世界。テレポートポイントは各地に沢山あるらしくて、なんだかバス停みたいだなと思った。