悲しみ
悲しみがある。休日が終わるのだ。
俺は今月死ぬほど堕落した生活を送っていた。眠たくなったら布団に入り、満足するまでぐっすり眠る。そんな日々だった。
俺の心は平和に侵されていった。
このままじゃだめだと思い立ったのが一昨日。なにかやらなきゃ俺は俳人になってしまう。そういった恐怖からの行動だった。
では何をするべきか。俺の趣味は本を読むことだ。それだけは続けてきた。では大きく違う事を始めるべきではないだろうか。日本人は新しいことを始めるのにものすごく躊躇する傾向がある。俺もそうだが、そういった殻を破らないことには人間的成長はない。
思えば今まで読んできた物語の主人公たちも己の殻を破ることで成長を遂げてきた。俺もそれに倣うことにした。
俺は格闘技を始めることにした。
小さいころから人が戦うのを観るのが好きだった。漫画、小説、映画、あらゆるジャンルのアクションもので傑作と呼ばれているものはみた経験がある。今度は俺がアクションする番だ。
何の格闘技をやるかは少し悩んだが、キックボクシングをすることにした。かっこいいからというのも大きな理由の一つだが、最大の理由は近くにキックボクシングを教えてくれるジムがあったからだ。
昨日俺はジムに足を踏み入れた。そしてちょっと体験させてくれるというので、やってみた。
俺の初手はローキック。トレーナーの膝を完璧に砕いた。そして前蹴り。狙いは顎だ。
だが俺の前蹴りはガードされる。そのまま足を掴まれて、引っ張られ、俺の背中は地面につく。
「俺の膝を砕きやがって! 死ねクソガキが!」
倒れた俺の顔面目掛けて必殺の正拳突きが突き刺さる。
「う・・」
文字通り必殺の一撃を受け、俺は地獄に行く。
そして、今日一日かけて地獄から帰ってきました。結構大変でしたが、やりがいのあることでした。
そんなこんなで休みが終わろうとしています。とっても悲しいですが、最後にいい経験ができたので、総合的には良かったかなって感じです。ありがとうございました。