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休日は神官戦士!  作者: 森巨人
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これはきつい…

「「「「………」」」」


 四人とも絶句状態。


 うん、まあ嫌な予感はしてた。


 【リア】の【能力値】を決めて、HPを決めようとした辺りで、


「(あれ? 【魔術師】のHPってそういえば…)」


 と気が付き、けどまさかそこまで酷くはなるまいと楽観視(現実逃避ともいう)していたら案の定。


「…龍っち、この場合どうなんの?」


「GM次第、かな…?」


 二人の神妙な会話と、私に縋り付くような視線を向ける紫。


 …さて、どうしようかしら?


 四人の視線の先には、揃って1の目を出した二個の四面体のサイコロの姿があった。



 執務室で【俺】は一人、【リア】の処遇について思案をしていた。


 【知力】は素晴らしいし【死霊術師】ゆえ【信仰心】も申し分ない。なろうと思えば【賢者】にすら成れるだろう。


 だが、如何せん体が弱すぎる。【黒妖精】である事を差し引いても平均以下だ。


 あれでは戦場はおろか、ちょっとした探索クエストすらこなせまい。


 かと言って部屋に閉じ込めておいたら、いつまでたっても上達はしない。したとしても微々たるものだ、実戦の学びには到底及ばない。


 【俺】が「さて、どうしたものか」と考えていると、腰の【魔剣】から【声】が聞こえた。


『勿体ないし可哀想じゃない。貴方【魔王子】なんでしょ? どうにかしてあげたら?』


 …ふむ、まあいいだろう。ものは使いようと言うしな。



「という訳で、魔剣【アトワイト】はあたしがやるね♪」


 楽しげな鏡子の声。私も演じるNPCが減るのはありがたかったりする。


 それはともかく、これどうしましょう。


 紫の振ったサイコロの出目は1と1、【耐久力】修正値が-1だから、双方から1を引くと0。


 じゃあ【リア】のHPは0になるのか? と言うと、そういう訳ではない。双方とも最低1は残る。


 だから【ネクロマンサ―】2レベルの【リア】はHP2でスタートという事になるのだが…


「きついなぁ…これ3レベルになってもHP3とかの恐れがあるよ?」


 という龍治の言葉通り、(1~4)-1だと50%で次も1だ。


 本人のストレスもあるし、GMの私としてもうかつな事が出来ない。下手に範囲攻撃するモンスターや罠なんて出したら確実にってしまう。


「下駄を履かせる…? でもそうすると他のキャラとの兼ね合いがあるし…」


「「1レベルは最大値」とかにすると他のキャラはかなり違っちゃうね」


 私の言葉に付け足す龍治。


 そうなのよねぇ…今まで積み重ねてきた物語が変わっちゃうレベルなのよ。


「あ、この【特技】取ればいいんじゃない? ほら、この【鍛錬】ってやつ」


 打開策を求めてプレイヤーズ・ガイドブックを見ていた鏡子の声。


 ああ、良いわよね? その【特技】。1つ取るだけでHPが5点も増えるんだもの。


 だが…


「鏡子、よく見なさい? その【特技】の【前提条件】は何よ」


「え? …【耐久力】12以上…ってダメじゃん!?」


 うむ、ダメなのだ。【耐久力】が低いから取りたいというのに、【耐久力】が高くないと取れないのだ。


 体が強い人が更に鍛えて得るものであって、虚弱な人はそもそも鍛えられないというオチ。


「ううっ…何か世界から否定されてる気分…やっぱり【ダークエルフ】で【ネクロマンサー】だからでしょうか?」


 いや、単に種族修正で【耐久力】が-2されるのに「とりあえず10で」と言った紫の甘さと、サイコロ運の悪さが原因なんだけど。


 まあ言っても仕方がない。GMとしてしてあげられるのは、これくらいかしらね。



『すまんなガグ、よく連れて来てくれた』


『へぇ…あんまり気は進まないんですがね?』


 執務室にガグが連れてきたオークが3人。だが、珍しいと言っていいだろう。


 何せ3人ともなのだから。


『まあ部族でも鼻つまみ者でやしたから。ったく、女なんざ飯炊いてガキ産んでりゃいいってのに…』


 そう言って立ち去るガグの言葉に、一瞬殺気立つ女たち。


 だが何も言わない。極端に男尊女卑なオーク一族で、族長に逆らう事など出来んからな。


 しかしそんな中でも、男と同じように武に憧れる者は居る。


 だから今回は【リア】の護衛として、そういう奴らをガグに見繕って貰ったという訳だ。


 ガグが部屋から去った後、一番体格の良いオーク女が【俺】と隣にいる【リア】に宣言する。


『アンリ様、リア様。此度は我らに活躍の機会をくださり有難う存じます。以後、存分にお使いください』


 いい言葉だ。まあ、替えは効かなそうだから注意せんとな。



「という訳で、リアには護衛を付けることにしたわ」


「真輝さん、ありがとう!」


 紫の感謝が心地よい。うんうん、有難がりなさい?


「これで5人PTかぁ、洞窟探検とかも出来そうだね」


 そうそう、シナリオの幅も広がるってもんよ。


「龍っち良かったね~完全にハーレム状態じゃない、うりうり♪」


 からかいつつ龍治を突っつく鏡子。ふ~ん、そういうこと言うんだ(冷笑)


「ああ、この3人は【能力値】も【職業】も何も決まってないから、鏡子お願いね? シナリオ中のロールプレイも任せたわ♪」


「え~~っ!? 聞いてないよ~~!」


 そりゃ、今決めたんだもの♪

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