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瀬戸内移住トレーダーは潮風のなかで相場を張る 〜勝つために来た向島で、削れないものが増えていく

作者:まる助
最新エピソード掲載日:2026/04/12
会社を辞めた。金も溶かした。負けたままで終われない。

南里恒一、三十五歳。かつて金融の現場でオプショントレードを担っていた男は、大きな損失で仕事も自己像も崩し、生活費を削りながら再起するため、瀬戸内の向島へ移り住む。

海が見えるからではない。安い。静か。相場に集中できる。東京へ戻るまでの仮設拠点。そのはずだった。

だが、住み始めた古家は湿気を吸い、雨風は容赦なく入り、島の暮らしは相場の時間では回っていなかった。近所との距離感、修理の手間、小さな商い、橋を渡る感覚。合理と損切りで生きてきた南里は、勝ち負けでは切れないものに少しずつ足を取られていく。

勝てば終わりのはずだった。
一億をつくって、自分はまだ壊れていないと証明する。そのために来た海辺で、削れないものが増えていく。
第1章「海辺の仮設拠点」
海辺の仮設拠点
2026/04/11 17:40
一時間半しか動けない
2026/04/11 20:40
ノイズが多い
2026/04/11 21:40
第2章「島の時間、相場の時間」
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