表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
8/37

第八話:先っちょだけ読ませてもらいました

翌朝、LINEの通知音で目が覚めた。


眠い目をこすってスマホを見ると、

昨夜送った“無題(仮)”に、三ツ谷からの返信が届いていた。


メッセージは、たった一行。


【先っちょだけ読ませてもらいました】


「……いや言い方ァァァ!!!」


ベッドの上で思わずのたうちまわる。


三ツ谷、おまえそれ絶対わかってて言ってるだろ……!!


しかし、しばらくして次のメッセージが届いた。


【……って書くとふざけてるように見えますけど】

【最初の5ページ、正直、めちゃくちゃ良かったです】


誠司の時間が、止まった。


スマホを持つ手が、微かに震える。


“ふざけたメッセージの奥に、真面目な言葉”


あの三ツ谷らしい二段構えだった。


【あの書き出し、ちゃんと“先生の声”で始まってた】

【“出す怖さ”が、そのまま言葉になってる感じがして、すごくよかったです】


誠司は何度も読み返して、

「保存」と「スクショ」と「念のためコピペ」を繰り返した。


その後に続いた一言で、

彼はちょっとだけ泣きそうになった。


【続きを“本気”で待ってます。】

【できれば、タイトルもそろそろ欲しいです】←ここだけ業務連絡っぽい


誠司はPCを開き、原稿の続きを読み返した。


「今日、僕は夢を見た――」


その一文が、昨夜よりも、少しだけ胸に響いた。


永田さんの声が、棚の奥から聞こえる。


「おーい誠司くん、タイトル考えたか〜?

“もっこり卒業記”とか、案外ウケるかもしれんぞ〜」


「却下です!!! 全力で却下です!!!」


でも心の中では、


“まだ“仮”です。本番じゃありません”


というふざけたファイル名に、

もう少しだけ付き合ってみようと思っていた。


つづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ