第三十一話:挿れたまま、夢見ていいですか?
ここから先は、“夢か現実かわからない”領域――
でも、確かに気持ちが繋がりはじめる回だ!!
午前3時、誠司の部屋。
薄暗い画面に、打ち込まれた原稿が光っている。
そして、その隣には――
三ツ谷がいた。
「先生、ここの台詞……ちょっと入れ方が雑です」
「え、どっちの意味で?」
「“作品”の方ですよ。……多分」
お互いに、膝を突き合わせて、
ノートPCを共有しながら進めるプロット作業。
会議室でも喫茶店でもない、
“誠司の部屋”という密室。
「……不思議ですね。
いつも通り、ただ一緒に書いてるだけなのに……」
三ツ谷の声は、わずかに震えていた。
「なんでこんなに、**“心臓の音が大きく聞こえる”**んでしょうね」
誠司は、ゆっくりと答える。
「たぶん……挿れたまま夢見てるから、じゃないですか?」
その言葉に、三ツ谷はピクリと反応した。
「……“物語に入りっぱなし”ってこと、ですよね?」
「……はい、“物語”のことです。“物語”ですからね?」
「それ以外に意味なんて、あるわけないじゃないですか」
「……絶対、あるでしょ……!!」
ふたり、なぜか同時に笑う。
そして、言葉では触れないまま、
ふたりの肩は自然と、少しずつ近づいていった。
「このまま、挿れたままで……
ちょっとだけ、“同じ夢”、見させてください」
つづく
次回予告:
第三十二話『あなたの中に、入り込んでました』
ついにふたりの物語が、重なり始める。
三ツ谷視点で語られる、“もう一つの挿入”とは――?
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