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誰にも言えない秘密

人に言えない秘密だなんて、誰しもが持ってるものなんじゃないだろうか。


「それで、私に一体何を望もうって言うの?」


「私たちが望むものなんてただひとつ。セリエちゃんに魔法研究省へ転任して欲しいの」


「な!なんなのよそれは!」


ララの思わぬ発言に、セリエは慌てて席を立ち上がる。


「ん〜?別に変なこと言ってなくない?私は優秀なセリエちゃんを是非とも魔法研究省のメンバーとして迎え入れたいだけだよ〜」


「そんな言葉、私が信じるとでも?」


「酷いな〜、私は嘘なんてついてないのに。君の扱う海洋魔法は使い勝手がいいし、素人がそう簡単に扱えるようなものではない。私たち魔法研究省はその魔法がどういったものか研究してみたくある」


「だから私を魔法研究省に入れるために今の今まで嫌がらせをしてきたわけ?悪いけど、私は研究とかそんなものに興味はないし、協力する気も微塵もないわ」


「あらら〜。そんなこと言っちゃってほんとに大丈夫なのかしら?魔法研究省に入るということは国の中でもトップレベルの魔法使いであることの証明にもなるんだよ?それに今の騎士団よりも地位が高く、入るお金も多い。そのお金があったらさ、君が気にかけてるあの子も救われるんじゃない?」


「あ、あんた!」


「あら、怖〜い。まぁ、考えてみてよ。そうだな〜3日くらいなら返事を待っててあげる」


ララはそう言うとこちらを見てほくそ笑んだ。

セリエはそれに対し、ただ何も言葉を返さず二人を睨みつけた。

その様子を見て、ルルは口を開く。


「あまり、生意気な態度を取らない方がいいのでは?だって、バラされたくない秘密をこちらは知ってるんですよ」


「……それがあんたたち魔法研究省の企みって訳?」


「いや、これは私たちと長官の三人の企みだよ」


ルルの言葉に続き、ララは口を開く。


「ん〜、でも断わるんなら、代わりの条件でも呑んでもらおうかな」


「……代わりの条件ってのは?」


情報を握ってる以上、この二人が何をしてくるかは分からない。

今まではまだ、怪我しない程度の嫌がらせだったが、これからもそうだとは言い難い。

セリエは話を聞くだけ聞くことにした。


「イリスに関する情報提供並びにいりすに対して行う魔法研究省の活動に対しての協力。どう?」


「っ!あんたたちは魔女を利用して一体何を企んでるっていうの!」


「別に何も企んでなんていないよ。それに私たちの目的はあんたたち騎士団と違って魔女を捕獲することが目的じゃないからね。さっきも行ったけど、魔法研究が私たちの目的なんだから」


「それで私にも協力しろっての?」


「私ってお喋りだから誰にどれくらい喋ったか忘れたけど。まぁ単純な話だよ、あんたの魔法は役に立つし、それにエーデルワイスが謹慎処分を食らって大きく勢力図を落とした騎士団。あとはあんたがこちら側に協力してくれ際すれば、こっち側に天秤が傾くわけなのよね」


「……ちっ。これだから権力に酔いしれてるやつは嫌いなのよ」


自分たちの有益が大前提。それに利益を守るために目先の邪魔である騎士団を本格的に潰すつもりなのだろう。


「魔法研究省への移転を認めない以上、これくらいは協力して貰うわよ。あ、もちろんこれは強制だから」


そう言うとララはキャハハと笑う。


「もし……協力を拒んだら」


「そん時は強制的に魔法研究省に移転してもらおうかな。ついでだし、拒んだ分の賠償も請求させて貰うかな」


……なんとしてでもこの協力は結ばせるつもりらしい。


(まぁ、元々あの魔女にはそこまで入り組んでた訳じゃないし)


セリエは分かったと口を開こうとする。

しかし……


「ん?どうしたの、黙っちゃって?」


突然、魔女の隣に立っていたあの馬鹿で向う見ずな奴の顔を思い浮かべてしまい、言葉を発することが出来なくなった。


「……まさかとは思うけど、今更拒む気?」


「……」


「はぁ……騎士団ってのは自分が置かれてる状況も理解出来てないの?」


ここでYesと頷くのは容易い。だけど、そんなことも許さないほどセリエの心には決意が宿っていた。


「……協力しない」


「チッ」


明確に舌打ちをしたララ。


「分かった分かった。んじゃ、あんたはこれから惨めったらしく落ちてもらうから」


セリエを見つめルルは言う。


「残念です。セリエ、協力さえしてくれれば話は早かったのに」


なんで断ったのだろう。

なんて今更ながら後悔が心の内から溢れてくるが、それでもセリエはハッキリと言った。


「悪いけど。簡単に協力をするほど落ちぶれちゃいないのよ」


「はいはい。んじゃ、これは魔法研究省長官に伝えとくから。あんたがこれからどんな目に合うのか楽しみにしてて」


そう言うとララとルルは部屋を出ようとする。

扉に手をかけると立ち止まり、ララは言った。


「……どうせなら、土下座も込みでして貰うから。覚悟してて」


そう言い終えるとララは部屋を後にした。


「あでゅー」


ルルはそう呑気に一言言うと、部屋を後にする。


「……はぁ……」


1人残されたセリエは大きくため息をつく。


「なんであんなこと言っちゃったのかなぁ……」


セリエは窓の外を眺めながら、ある一人の顔を思い浮かべる。


「レイラのやつ……私にあぁ言わせた責任を取らせてやるんだから」


だけど、ただやられるだけのつもりはない。セリエはそう決意し、どう抵抗するか考えることにした。


「まずはあの二人にもう一度会って、確かめてみようかしら」

投稿ペースが結局遅いままですみません……。

みなさん、良き7月を

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