表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/53

騎士団長代理、就任発表

セリエ・ユースター

騎士団第3部隊に所属している彼女は騎士団の任務が終了したため、王都パリスイへと帰還していた。


(って言っても、私は大したことはできずに終わったんだけどさ)


セリエはそんな後ろめたい気持ちに持ちながら、ここへと帰ってきた。

エーデルワイスが計画した魔女捕獲作戦。

セリエはその作戦の実行メンバーの一人だった。

しかしレイラとイリスに阻まれその作戦は失敗。

エーデルワイスには二ヶ月の近親が言い渡され、その他のメンバーには特に罰則はなかった。


(それでも、団長が罰を受けたのに私は受けないってのはそれはそれで罪悪感があるんだけどさ)


まぁ、他の騎士団メンバーにも罪の意識を植え付けさせるのも女王陛下の目的だったのかもしれない。

そういえば今日、その女王陛下が直々に選んだという騎士団長代理が直任するらしい。

一体どんな人が選ばれたのか、セリエは少し期待して騎士団が保有する建物、そこに隣接する広い庭に整列していた。

当然ながらセリエ以外にも騎士団のメンバーが整列している。

しかし、ここに整列し待機するよう言い渡されてからしばらく放置されたままだ。


(出来れば早めに終わって欲しい、そしてすぐに帰りたい)


そんな心境になりつつあるセリエだったが、その気持ちは一瞬にして振り払われることとなった。

何故なら……


「お待たせしました」


「……っ!」


落ち着きのある声音。

そこまで大きな声でないにも関わらず、その声は整列している騎士団全員の耳まで確かに届いていた。

声の聞こえた方を見ると、銀色の髪を中背辺りまで伸ばした少女が歩いているのが見えた。

年相応に幼くはあるが、威厳のあるその姿。

王族のみが着ることを許される衣装纏った彼女の名前は女王ユグドシア。

彼女は整列する騎士団の前中央に立つと言葉を続けた。


「騎士団の皆さん。お集まり頂きありがとうございます。本日は騎士団長であるエーデルワイスが不祥事により謹慎処分となったため、その間騎士団長代理を務めて頂く方を紹介しようと思います」


ユグドシアは女王らしからぬ丁寧な口調でそう言った。


「それではシズさん。前の方へとお願いします」


ユグドシア女王陛下はそう言うと右側に避けると半歩後ろに下がった。

そして彼女が元いた位置に立つように一人の少女が歩いてくる。

一体どんな人が代理を務めるのだろうか。

いくら代理とはいえ騎士団長という立場はかなりの多忙を極める。

また、騎士団長である以上はかなりの強さを持ってなければいけない。

何故なら騎士団の任務の一つに国の防衛、治安維持などがある。

当然、悪者を捕らえたり、懲らしめたりといった役割を担わなくてはならない。

ならばそれ相応の実力の持ち主でなければならない。

それに魔法研究省やその他上層部のこともある。舐められないようにするにはトップである騎士団長はそれなりに通用する魔法の力を持ってなくてはならない。

であれば女王陛下が選んだという騎士団長代理はそれなりに……


「わっ!わたひぃが!きょ!きょうをもってきひだんひょうだいいをつとめます!シズ=フェルでふ!よ!よろひくおねがいひまふ!」


………………。


(めっ〜〜〜〜ちゃ噛み噛みやんけ!!)


え?嘘でしょ。

騎士団長代理だよ?それをこの子が務めるって言うの!?

見たところ不安でしかないですけど!

前に立つ彼女は足をガクガク震わせて緊張丸出しだし!

しかもあからさまに顔が強ばってるし!威厳なんてまるでないんですけど!?

ってシズ=フェルタって確か魔女捕獲作戦に選ばれたメンバーの一人だよね?目立たなくてあんまり覚えてなかったけど!

確か魔女であるイリスに怯えて何も出来なかったんだっけ?

そんな人を騎士団長代理に選んじゃダメでしょー!?


そんな目に見えてガクガク震えている彼女の隣に女王ユグドシアは立つと言葉を紡いだ。


「彼女にはこれから騎士団長代理を二ヶ月間務めて頂きます。これから騎士団の要件がある場合は彼女に尋ねるようお願いします」


いやいや!彼女じゃ不安ですって!


そんな騎士団の心情でも感じたのだろうか、ユグドシアは少し辺りを見渡すと言葉を続けた。


「ご安心ください。騎士団長代理を務める以上、それ相応の実力がある人を選んでいます。今は不安かもしれませんが、彼女を信じてあげてください。それでは以上となりますので、解散とさせて頂きます。」


女王ユグドシアはそういうと、来た建物の方へと戻って行った。

セリエはしばしの間、ポカンと口を開けたままその場に立っていた。


「本当に大丈夫だよな?」


先が思いやられると不安を抱き、手を頭の方にやりセリエはため息をついた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ