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デートも終盤戦

その後、様々な場所を巡った私とイリスは最後にと夕焼けに照らされた街を一望できるという高台の展望台へと来ていた。


「うわ〜、すっごい綺麗」


夕焼けに照らされた街は実に壮観であり、見た者全てを癒せるのではないかと思わせるくらいには綺麗だった。


「街全体を見れる高台があるなんて知らなかったな。こんな場所があるなんてね」


イリスはこういう場所に来たことないのだろうか。

不思議そうに辺りを見渡していた。


「隣街はあんまり来たこと無かったから私もここに来るのは初めてだね」


私はすぅーっと息を大きく吸い込む。

すると新鮮な空気が肺に入って来るのが分かりとても気持ちがいい。


「今日は楽しかった?」


私がそう問いかけるとイリスはこくりと首肯してみせた。


「うん、楽しかった。外の世界になんて興味を持ったこと無かったけど、今回で案外良いところもちゃんとあるんだなって分かったよ」


「そっか!なら良かった」


イリスも楽しかったみたいだし、私も隣町を見てまわれてとても楽しかった。


「ねぇ、イリスこれからも……」


「あーあー!まじ最悪なんですけど」


「……え?」


「……っ!」


私が喋りかけている最中に、後ろからイリスとは別の声が聞こえ強引に意識がそちらへと向けられる。

声のした方を見ると同じくらいの背丈をした少女が二人いた。

一人はオレンジの髪を短髪にした少女。喋っている口からは八重歯がちらりと見えている。そしてもう一人オレンジ色の髪を肩あたりも伸ばした少女。その長い前髪は彼女の左目を隠していた。

そして、その二人を私たちはすでに見かけたことがあった。


「あなた達は……パフェの店とアクセサリー屋の時の?」


そう前者の少女は私とイリスがパフェを食べに行った店で話した少女であり、目の前でずっこけたから起こしてあげその後、おすすめのアクセサリー屋を教えて貰っていたのだ。

そして後者の少女はそのアクセサリー屋で店員として働いていた子だった。確かお釣りとして受け取ったお金に呪いがかけられていてそれをイリスが取っぱらったのだ。


「そうそう、全くこっちは真剣にあなたたち二人を捕えようとしてるのにのらりくらりと回避してくれちゃって」


「さすがに警戒した。やはりあなたたち二人は危険」


「えっと、危険?」


二人の言ってる意味が分からないが私たちはただ街を観光していただけなのに危険と言われるだなんて理解しかねる。

というか、前髪で左目を隠した子には確かに仕掛けられたが、もう一人の子には何も仕掛けられてないよな?


「まぁいいや。ここで捕らえれば何も問題ないし」


「うん。私たち、ララ・ルル姉妹にかかればどうということは無い」


捕える?

そういえば以前、エーデルワイスやセリエら騎士団がイリスを捕らえようとしていたよな。

もしかしてその残りか?


「まさかあなたたち騎士団の人たちだって言うの?」


「は?騎士団?くっははは!あんな馬鹿共と一緒にしないでよねー!」


「同意。あんな汚い人たち一緒にされるだなんてララ・ルル姉妹の名に泥がつく」


だがその考えを二人にあっさりと一蹴されてしまう。

しかも騎士団のことを心底馬鹿にした口調で。


「いやー、でもあんたみたいな平民らに高潔な血を持つ私たちが分かんなくても仕方ないか。ま、別にいいよ。あんたらはここで捕えられ実験の贄とされるんだから」


「ララ。それを言ってしまうと私の目的がバレてしまう」


「おっとそういやそうだった」


騎士団じゃないなら一体?

そういえばセリエが言ってたよな、騎士団と仲が悪く魔女を狙っている組織があると。

なるほど……そういうことか。

じゃあこの二人は。


「あなたたち、魔法研究省の差し金?」


「ん〜〜?なんだ知ってたんだ。っていうか気づくの遅すぎ」


「しかしその様子だと本当にルルたちのことを寸分の疑いも持たず信じきっていたようですね。さすがにお人よしがすぎるのでは?」


「確かに疑うべき要素はいくつかあったかもしれないけど、それでも信じることは大切だと思うからね」


魔法研究省か。

しかしセリエになんとなく話を聞いただけで詳しいことは何も知らないんだよな。


「なんか聞いてて馬鹿らしくなるわ。あーあー、馬鹿がうつっちゃう。とりあえずあんたのその口、しばらく動かなくしてあげる☆」


ララ。であろう少女はそう言うと不敵に笑い私たちを見つめてくる。


「待って。私だけならまだしもなんでレイラまで狙われる必要があるの?」


すると二人に発言を不思議に思ったのか、イリスがそう口を挟んでくる。


「ん?なんか、リーシア様が付き添いのこいつも連れてこいって言うからさ。全くこんな平民の何がいいんだか」


おいおい。酷い言われようだな。

そう思い呆れ顔を浮かべているとイリスは若干怒気を孕んだ声で言った。


「命令すれば何でもするっていうの?言っとくけどレイラは付き添いなんかじゃない。まぁ誰であろうと見下しているあんたらには分からないかもね」


「へぇ、んじゃあ一体何だって言うのよ?」


「レイラはちゃんとした友達だよ」


「友達……?っく、くくく。あはははははははははははははははは!!友達ぃ!あんたなんかに友達一人も出来るかよぉ!そんなこと言ってないで現実見ろよ!この魔女がよぉぉ!!!」


「なんとでも言えばいい。ただレイラには手を出させない」


「じゃあやってみせなよぉ!テメェみたいな下等生物なんかに負ける訳ねぇわ!」


「肯定。あなたたちには反吐が出ます。早急にゴミ箱にでも入る用意をしてください」


「イリス……」


私は不安になりイリスの方へ声をかける。


「大丈夫。私に任せて」


「ううん。そんな発言を聞きたいんじゃない。ただ……」


私はそう言うと私は胸ポケットからカードの束を取り出すと、魔法研究省の二人をキッと睨みつけた。


「私も戦う。あの二人にしてやられたままなんてそんなの許せない」


イリスは私の発言に少し驚いた表情をしたが、すぐに顔を綻ばせると言った。


「分かった。背中は任せた」


「うん!」

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