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いちごのたくさん乗った特製パフェはお好きですか?

魔法研究所 長官室にてリーシア=クライシスはふかふかないかにも高級感の漂う椅子に座り、近場の少女2人を見やっていた。


「という訳なんだ。ララ、ルルお願いできるかい?」


ララ、ルルと呼ばれた少女は握った拳を胸へと当てる。


「お任せ下さい。私たちが是非ともその2人を籠絡して見せましょう」


「自信はある。きっと大丈夫」


2人は魔法研究省、特有の研究服を身にまとっており、ララと呼ばれた前者の少女はオレンジの髪を単発にしており瞳に自信の色を覗かせていた。ルルと呼ばれた後者の少女はオレンジ色の髪を肩あたりも伸ばしており、長い前髪は彼女の左目を隠していた。ララと違い元気な様子はなく、落ち着いた様子を見せていた。

2人の返答にリーシアは笑みを浮かべ言う。


「では頼むよ。魔女イリスとその彼女と一緒にいるレイラ。二人を生け捕りにしてくれ。恐らく彼女たちはババロン村の隣町、ヴィルフランチェにいるはずだ」


ララとロロ。二人の少女はハッと短い返事をし、頭を下げると部屋から出ていった。




「なんか着せ替え人形にさせられた気分」


イリスは服屋を出ると開口一番にそう言った。


「いやいや!そんなことないって!」


実はあの後、選んだ服以外にもパステルカラーの服とかお姫様系の服とかゴスロリ服とか来てもらっていたのだ。

結論から言うとどれも似合っていた。


「そう?なんか楽しんでる感じだったけど」


「うぐっ!?」


ちなみにめちゃくちゃ楽しんでました。

気を取り直して、デートするべく目的の場所へ向かうことにした。

私たちはババロン村を出て隣町のヴィルフランチェに馬車で向かっていた。

私はイリスをデートに誘うべく、イチゴの沢山のったクレープ屋さんに行こうと言ったのだった。

ちなみにその店は嘘などではなく、ちゃんとある。隣町にだけど。

無事、目的の町に辿り着くと馬車を降り街を歩く。


「それで、そのパフェの店はどこにあるの?」


イリスがやたら食い気味にそう私に聞いてくる。

想像以上の期待に私は思わず後ずさるが、無事その店まで案内した。

パフェ食べ終わったらもう用はないと帰ってしまわないよな。大丈夫だよね?


「ここだよ」


白い看板をピンク色で可愛くデコった店を前にする。


「おぉ!」


イリスは若干、感激した様子を見せると店を指さして言った。


「早速入ろう!」


「分かった分かった」


私はイリスについて行くようになりながらも店内へと入る。


「すみません、2名なんですけど」


私がそう言うと店員はビシッと部屋の奥にある空いた席を指さした。


「どもー」


私たちは席に着くとメニュー表を見やる。

一枚目を開くとメニュー表全体を使ってデカデカと宣伝されたパフェが書いてあった。


「すごい宣伝のしようだな!」


まぁそのパフェを目的に私たちはここへ来たわけなのだが。

まさかここまで大々的だとはな。


「レイラ!早速頼もう!」


イリスはそう言うとすぐさま店員を呼びメニュー表を指さした。


「この、王族のお菓子タイムかってくらいイチゴ盛り盛り初恋のように甘酸っぱいいちごソースしかけの愛する貴方を想い突き刺した鉄杭のチョコ棒つきキュアキュアジャイアントパフェ下さい」


「かしこまりました。そちらのお客様は?」


「……。えーっと、彼女と同じやつで」


「お客様。彼女と同じやつと言われても私たちには理解しかねます。メニューの混合が起こる可能性もありますので、商品名での注文をお願いします。出来れば省略せずフルで」


「……。お、王族のお菓子タイムかってくらいイチゴ盛り盛り初恋のように甘酸っぱいいちごソースしかけの愛する貴方を想い突き刺した鉄杭のチョコ棒つきキュアキュアジャイアントパフェを下さい」


「かしこまりました。少々お待ちください」


店員は注文を受け取ると去っていき、私は手を膝に置きプルプルと身体を震わせた。


「どうしたんだレイラ?いつもはあんなに堂々としてるのにこういう時だけやたら恥ずかしそうにするなんて」


「あっったりまえでしょうがぁぁぁぁ!」


イリスは恥ずかしがる時は恥ずかしがるのにこういう時は一切恥ずかしがらない。何だか、イリスのことが分からなくなってしまいそうだ……。




「あれか……」


私、ララはリーシア様からの名を受け魔女と付き添いの二人を捕えるべくやって来た。

今は近場の席で二人を見やっている。


「まぁ、手っ取り早く済ませるとしようかしら」


店員が二人の机へ、コップに入ったお冷とスプーンを置き去っていく。

それを見やると私は二人の席に近づき、足をつまづいたフリをして盛大にずっこけた。


「ちょ、大丈夫ですか!?」


すると席に座ったピンク髪をポニーテールに纏めた少女がこちらを心配して駆け寄ってくる。

レイラ=ユリウス。ターゲットの一人だ。


「ごめんなさい、あそこで転んじゃって」


私はわざとらしく謝ると立ち上がり二人を見やる。


「いやー、心配して下さってありがとうございます。おや、お二人さんあまり見ない顔ですね」


「あはは、分かります?ここの店のパフェを食べに隣町から来たんですよ」


「あぁ、なるほど。隣町から来られたんですか。でしたらあのアクセサリー屋さん寄りました?」


「アクセサリー屋さん?」


「えぇ、あそこの店なんですけど」


私は窓の外を指さすと二人はそちらへと顔を向けた。


(今だ!)


私はその瞬間、ポケットに用意していた袋から白い粉を取り出すとコップの中に入れる。


「あそこの店。物珍しいアクセサリーを沢山仕入れていて、良かったらどうですか?」


「そうなんですね。ありがとうございます!言ってみます」


私は二人の元を離れ席へと戻った。


(これで計画通り!)


私が入れた粉は睡眠薬。しかも即効でかなり強力な。これであの二人はすぐさま気を失い、そこを私が連れ去るという寸法。

ふっ。我ながら完璧な計画だな。





「アクセサリー屋良さそうじゃん、イリスも見て行くでしょ?」


「まぁ、良いけど」


私たちはさっきの転んだ人が紹介してくれたアクセサリー屋さんへ行くことにした。

そんな話をしているうちにパフェが届いた。

いちごが盛り盛りと盛られ、いちごソースがたっぷりかかっており本当に豪華で巨大なパフェだった。


「おぉ!これはすごい!」


イリスはそのパフェが届く否や、目をキラッキラッのお星様に目を輝かせた。


「すごい量だ。それに美味しそう」


私たちはさっそく口をつけるといちごの食感や甘さが口全体に広がった。


「「美味しい!」」


私たちはそう声を張り上げると、私たちはスプーンをすすめた。

いや本当にすごく美味しい。

見た目も良いだけでなく味もいいとはこのパフェ最強では?このパフェを作った人に是非賞を授けたいくらいだ。どうでしょう、いちごパフェ美味しいよ賞とか。

だが、流石に喉が渇いてきたな。

そう思い、私は手を伸ばそうとした。

そして、コップを掴むと……。


「ぎゃお!」


きっとウキウキしすぎていたのだろう、ブンブンと前後に動かしていたイリスの足が私の膝に直撃した。

思わずコップを離してしまい、水をこぼれてしまった。


「あ……」


「ご、ごめん!レイラ!」


「いや、全然いいのよ……楽しいことはいいことだし」


店員さんに謝り、拭くものを借り零れた水を吹き上げる。

まぁイリスも楽しそうでいるようだし、別に怒るほどのことでもないためパフェを食べ進める。

そうこうしているうちにイリスはパフェを食べ終えたようだ。


「食べるの早いね。そんなに美味しかった?」


「もちろん。こんな美味しいパフェなかなか食べる機会ない」


そう言うとイリスはコップを受け取り、水を飲むと……。


「ブゥッーーーーーーーー!」


突然、その飲んでいた水を横へと盛大に吹き出した。



「なっ!?」


私、ララは目の前の惨状に驚きで声を上げていた。

睡眠薬を盛った水が零れるわ、吹き出されるわで計画が失敗に終わってしまったのだ。


「そ、そんな馬鹿な!?私の計画は完璧なはずだったのに!?」


ララは頭を抱え、席に蹲った。




いきなりイリスが水を吹き出したものだから、驚きで声を上げてしまっていた。


「ど、どうしたの!?」


「いや別に。なんかいつもの悪寒が走ってしまったみたいで」


「そ、そうですか」


イリスは店員に謝り、吹き出した水を吹き上げた。

そうこうしてるうちに私もパフェを食べ終わった。


「美味しかったね。ていうか結構量あったしもう満腹だよ〜」


「私も。ありがとう、この店に連れてきてくれて」


「喜んで貰えたようで何より。それで次の予定は」


「アクセサリー屋でしょ?行こ」


「……!うん、行こう!」


まさかイリスから次へ行こうといってくれるなんて!

このデートを楽しんでくれているようで何よりです。

私はそう思いながら、次の場所へ歩を進めた。



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