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作戦開始

セリエと別れた後、イリスと話をするためカフェへと戻った。

イリスはクッキーを食べ終わったのか、机に肘をついてぼーっとしていた。


「おまたせイリス」


イリスは気怠げな瞳で私を見つめてきた。

なんだがちょっと怖いな……


「レイラ、作戦の事なんだけど……」


「分かってる。でも協力させて貰うよ」


「…………ごめんね」


「ん?今何か言った?」


「いや、なんでも……」


翌日

同場所 カフェ店「リベレッタ」にて


私レイラ=ユリウスは、今日もイリスに会うべく支度をしていた。

しかしそんな支度の最中に、下のカフェ店で働いてる最中のカモミールさんから声がかけられる。


「レイラちゃん、イリスちゃんが来たよ」


「……まじか」


まさか、私が向かう前にイリスの方から来てくれるとは思わなかった。

私は2階の自室から階段を下り、1階のカフェ店へと向かった。

するとカモミールさんが言った通り、お客用の扉の中にイリスが立っていた。


「やっほ。来てくれたんだね」


「……レイラ。あれから、少し考えたんだけどやっぱり私には着いてこない方がいい」


「え?」


私は思いがけない言葉に足を止めてしまう。

いやいや、いきなり何を言ってるんだ。


「やっぱり一般人であるレイラには危なすぎるよ」


「いやいや、そんな心配いらないよ。ただ私は……」


「レイラは!何も分かってないよ」


レイラは私の言葉を遮るように言い放つ。

まるで私を突き放すかのように。


「レイラは信用できない。だからもう着いて来ないで」


「なっ……」


もう着いてくるなって……


「一体何を言って」


「どうもこうもないよ。やっぱりレイラは信用出来ないって思っただけ。ただそれだけだよ」


「……」


思わぬ言葉に私は何も言えずただ黙ることしか出来ない。

きっと今、私の顔は引きつってることだろう。


「話はそれだけ、それじゃあ」


そう言うとイリスは扉を開け出ていく。


「待って……」


私は追いかけようとするが、肩に手が置かれそれを阻止させる。


「ちょっと、カモミールさん!?」


「だめだよ。追いかけちゃ」


「……!なんで」


「これは……あの子が決めたことだから……」


「あの子が決めたって……じゃあなんで!」


なんでイリスはさっきの言葉を私に言った時。


「なんであんなに泣きそうな目をしてたんですか!」


それを聞くと、カモミールさんは図星をつかれたような顔をした。

きっとカモミールさんもイリスの事が心配なはずだ。

それでもカモミールさんは、イリスの心配よりもイリスの言い分を優先することにしたんだろう。

カモミールさんにとってイリスは大事な人だから。


「カモミールさんも分かってたんじゃないんですか!大丈夫な人はあんな目をしないって!もしイリスが心配なら!今ここでするべきは、イリスを追いかけることじゃないんですか!?」


カモミールさんは歯を食いしばったような顔をした。


「やっぱり……レイラちゃんはそう言うよね」


「カモミールさん?」


「ごめんね……」


そう小さく言うと、カモミールさんは目を閉じ覚悟を決めた顔をした。

私は何が起こるか分からず、少し後ずさってしまう。

すると左足が机へとぶつかり上に乗っていた花瓶が倒れ、床へ落ちてしまう。

そして花瓶が床に落ち、割れる直前のことだった。


「青の結界」


カモミールさんがそう呟く。

するとその瞬間に、世界が青色へと変わった。

私とカモミールさんを覗いた全ての物が青色と変色したのだ。

そして先程床へと落ちた花瓶はずの花瓶は、1枚絵のように床に激突する直前で静止していた。


「なっ……」


「これは結界内を1枚絵のように閉じ込める魔法。あぁ、でも結界外では普通に時間は流れているから心配する必要は無いよ。ごめんね、事が済むまでここに閉じ込めさせてもらうよ」


これは厄介なことになった。

本当は今すぐイリスを追いかけたいが、閉じ込められたとなると、どうにかしてここから出ないと。


そして別場所。

ババロン村、入口の門から少し離れた平原にて騎士団とその団長であるエーデルワイスは佇んでいた。

まるで、誰かを待っているかのように。


「来たか」


エーデルワイスはそう呟く。

目の前にいるのは短い白銀の髪に、サファイアのような青い目が特徴的な、魔女イリス。


「久しぶりだね。元気にしてた?」


「話すことなんてないでしょ。そっちの目的はもう分かってる」


「……そっか、じゃあ始めようか」


そう言うとエーデルワイスは騎士団メンバーに指示を出す。


「総員。構え」


魔女イリスと騎士団を率いるエーデルワイス。

かつて先代の魔女に育てられた2人がぶつかろうとしていた。


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