ゲート
捕食者
この世界にはゲートとと呼ばれるものがいる。
ゲートは人間となんら変わらない形で生きている
食べるものも生活用品も変わらない
ただ歳をくうのがはやいだけである。
ゲートの寿命は19歳をすぎると姿はそのままだが余命10日となる。
余命を伸ばすには他者から命を奪うしかない。
ここでは寿命を延ばすことを捕食という。
奪う方法は話し合いなどしない。至って簡単だ。
他者を殺し心臓を喰らうそれだけだ。
残酷か。そうだな。そういえよう。
僕の父も口癖のように繰り返してた。
ゲートを生み出した奴がおかしいんだとね。
およそ100年前、ゲージというウイルスはある博士によって作り出された。
増えすぎた人間を消そうとした。
しかし、研究所は細胞の活性化に耐えられず崩壊したらしい。
ウイルスはその時近くにあった博士の体に寄生したのだろう。
ゲージウイルスは細胞に寄生するウイルスであり寄生されたものはゲートとなる。
今現在ではうまれた子供にはワクチンをうちゲージウイルスは無効化されているが生まれながらに細胞を持っているゲートの子には効かない。
ゲートとして生きる他ないのだ。
「お母さん重いでしょ?ぼくがもつよ」
「あらいいのよそんなに重くないから」
学校の帰り道にまだ小学生ぐらいであろう子供がお母さんの手を引いてあるいていたのを目にした。62. 78. 。
僕もお母さんが好きだった。いつも後ろをついて歩いていたような記憶が微かにある。
僕の父はゲートに捕食された。母は僕を親戚の家にあずけてどこかへ逃げたのか、何をしているのか、13年たった今ではわからない。
「なあ、律今日ご飯いかね?
今日は肉が食いてぇ」
「ああ。そうしようか」
奏多がこちらを向いて笑ってる。 76。
「律お前さ、子供見ると毎回悲しそうな顔するよな子供でもできたか?」
「まだ童貞なんだが。」
またケラケラと笑っている。
奏多といると心が休まった。1人じゃないと言ってくれているようで安心した。
チリンチリン
律は何食うんだ?
僕はいつもの
おい律冗談はよせここは初めてきたとこだぞ。寝ぼけてんのか?
冗談に決まってるだろ。お前は冗談も通じないのか?僕はステーキ200gにするよ。
じゃ俺も。
奏多はいつも僕が食べるものにサラダやらドリンクやらをプラスして注文する。
僕が食べる量では足りないのに僕と同じものをなぜかいつも頼む。
すいませーん。ステーキ200を2つとあ、一つはAセットでパンとドリンクで。
律はドリンク頼むか?
首を二度三度、横に振った
じゃそれでお願いします。
店員さんが注文を繰り返して急ぎ足で去っていった。この時間は忙しいのだろうと思った。
なあ奏多なんでいつも僕と同じものを頼むんだ?足りないんじゃないか?
俺はなお前の体調など全てを管理してるんだ!
体格が似ていてほとんど同じ運動量のやつが食べないとしたらどんな時だ?
体調が悪いとかだろう?
どうやら奏多は僕を心配して勝手に管理していたらしい。普通に食べる量が違うのではと思いもしたが奏多が喋りつづけるのでやめておいた。
って話だ。と一頻り話終えて満足げにドリンクを飲み干した。
このあとどうするか、ゲーセンでも行くか?
気分は乗らなかったがなんとなく暇だったので
ついていくことにした。奏多はよくゲーセンに行くくせに普通のゲームは下手だ。
無駄にクレーンゲームは得意らしい。
僕の鞄についている女の子がつけそうな白いくまは奏多がこないだとった景品だ。
今もガラスに額をくっつけて目分量で位置を確認している。
こいつは脇に入ればいけるぞ。くるぞくるぞ、
ほいきたー。
かなりでかい独り言を言いながら取るのが奏多の主流だ。
「俺さ、女の子とゲーセン来たらモテるわ。」
奏多はかっこいい方だと思う。容姿も整っていて
尚且つ優しい。モテない原因は多分僕だ。
奏多は僕の側を子犬のようにいつも離れない
女子からはうらで「ディサメン」とよばれている。残念なイケメンという意味らしい。
僕以外に友達がいないのか。いいや、奏多の性格ならきっとつくれる。僕のためか。
ちょっと口角が上がってしまった。
何にやにやしてんの?きもちわりーな。
あ、奏多落ちたぞ。
うわぁ!俺のピンクブレードが!
なんだよそれだせーな。
取ろうとしていたのはとてつもなく可愛くないピンクの豚だ。取る景品にセンスがないところも奏多のいいところだと思う。
なんやかんやで僕たちは夕方過ぎまで遊んだ。
じゃあな。
おう。
奏多と別れて家からもう少しの所で背中の上の方に異変を感じた。さっき何か、けがでもしたのだろうとそこまで気にしなかったが、違和感は背中から体全体に移った。なんなんだ。背中に何かいるかのような感覚に襲われた。
ゔぁ。 ゔぁぁぁぁぁあああ
強烈な痛みとともに僕の体から何かがでた。
でたというより破りでてきたという方が正しいのかもしれない。ふと目にしたバックについている白いくまのぬいぐるみを引きちぎって握った。
狂ったほどの痛みに飛びそうになった意識が戻された。地面に這いつくばるしかない僕の横を
コツコツと何人かの足音が横切った。
気味の悪い色の靴が僕の顔の前で止まった。
こいつはあと6日だな。
あ"がぁあああ 針のようなものが僕を刺した。
意識が薄れていくなかで目にしたのは青い眼球と翼を持った化け物だった。0.8
成長したのね律。お母さん先に行くから。
またね。0。
まってよ。なぁお母さん、待てって。
おい、俺を1人にしないでくれぇぇえ