人類のために世界を取り戻します
亀よりも遅い投稿と内容のスピード…。
のんびりでも進めていきます。気長に待ってください。
『有難うな』
廊下をできるだけ早く歩きながら、さっき掛けられた言葉を思い返していた。
(ヤバい、ニヤニヤが止まらない……!)
人影が見えなくなってから足を止め、二、三回深呼吸をした。…しかし、中々止まらない。
「な~にしてんのっ」
「うっひゃぁ!?」
「うおっ、ビックリしたあ」
半ば悲鳴ぎみた声を上げてしまったと恥ずかしい思いをしながらも、声のした方へ睨みながら振り向いた。
「…何の用なの」
「んや、なんとなく姿が見えたから。というか、何を考えていたの?」
「なっ何でもないわよ。」
ニヤニヤしながらこちらを見ているこの子は、マリー=アマリリス。
過去には貴族と呼ばれる階級の人だったからか、近くを通ると二度見をしてしまうほどの美人だが、質素とは真逆の好奇心旺盛な少女である。何かと私に絡んできて、そうこうしている内に親友と呼べる仲になっていた。…本当にどうしてこの子と親友になれたのだろう。
「あれ~おかしいな~、司令のことを妄s…考えているとばかりに。」
「ちっ違うわよっ。というか、何で言い直したのかしら?」
「うっ、聞こえていた、だとッ!」
「聞こえているわよ!ていうか、その言い方やめなさいっ!」
えーいいじゃんー、といういつも通りの他愛がない話をしながら自分たちの居住区に向かって歩いていた。
「…今回の計画、うまくいくかなぁ…」
「ん?」
マリーが少し、いや、かなり聞き捨てならないことを呟いた気がする。
「今回の計画が、なんだって?」
「え、えぇ~とぉ…」
「…その呟き、誰かに聞かれていたとしたら…、危なかったわね。というか、そんな事を考えるよりも、考えられなくなるように完璧に仕上げなさい」
「う、うん」
……そう、この組織では上の階級の人の命令、計画は絶対。それに対して意見を通すには上の人に媚びを売る、それしか方法がない。破った人は教育室で教育し直すらしい。
私とマリーはその教育はされたことがないから詳細はわからなが、噂では、その教育を受けたものは戦場でとてもいい戦績を出しているが、それ以外の時はどこに居るのかは分からず、そのことを調べても重要機密Aクラス(E~Sに分かれており、Aクラスは司令官以上の者にしか見れない。)となっていて、下っ端の私たちからは生体兵器になったと言われている。
しかし、教育そのものは存在しており、確かにそれで姿が見えなくなっている人もいるのが現実だ。
「…でも、この作戦がうまくいったら解放されるのよね。私たち」
「ええ、そのためにやっているんだから」
「解放されたらさっ、一緒に世界を見て回ろうよ!人工の国のアメリカ、氷の大地のロシア、四季の土地の日本、他にもたくさんあるし!ここから一番近いのはアメリカだったけ?」
「いいねそれ、ならもっと頑張らないと!」
「うん!」
こんなことから早く解放されて、私ものびのびと旅とかしてみたいな、なんて想いを抱きながら居住区へ歩いて行った。
――――Aha、Ahaa.....Aha..?Ah........Ahaaaaaaaaッ!―――――