ご飯タイム
さて、ところ変わって今テン達はキッチンにいた。
というのも、さっきのベッドルームでは人が沢山倒れていて落ち着かないのでキッチンで作って食べようということになったのだ。
どうやら水道もコンロも魔力を使えば使えるようなのだが、調整が出来ないと大変なことになるとの事で今回は月夜に全てお願いすることにした。
お腹がほぼ空っぽのテンはキッチンにあった椅子に座りテーブルに突っ伏して待っている。
するとだんだんと懐かしい香りが漂ってくる。
この優しい日本人の心に響く香り。
ああ。これは。
しばらくして月夜が料理を持ってきた。
「はい、しばらく何も食べてないだろうからお腹に優しめな料理にしたよ!大丈夫?お箸使える?」
どんぶりが置かれ、湯気をあげながら出汁と醤油の良い香りを撒き散らすそこに置かれた料理の名前は。
きつねうどんだった。
しかもちゃんとお箸を用意してくれている。
異世界来て最初のご飯が和食とは。
でもめちゃくちゃ嬉しい。
「大丈夫!ねえ、もう食べて良い?」
目の前のご馳走によだれが止まらない。
「ふふ、良いよ。たんと召し上がれ」
「「いただきます!」」
まずは一口うどんをすする。
ふわぁ!少し柔らかめに茹でてくれたうどんに出汁が絡んで空っぽのお腹に染み渡る。
汁をすすりお揚げにかぶり付く。じゅわぁっと広がる甘辛い幸せのお汁。
からのうどん!
うんま!きつねうどんってこんなに美味しかったっけ!
もうやめられない止まらない。
この世界にきて初めての食事ということもあり、それはもう夢中で食べる。
気がつけばうどんは無くなり、汁も最後の一滴まで飲み干していた。
「はぁ~、幸せ~!ごちそうさまでした!」
「はい、お粗末様でした。そんなに美味しそうに食べてくれるなら作った甲斐があるってものよ」
空腹なのもあっただろうけど実際とても美味しいきつねうどんだった。
美味しいものを食べて幸せに溢れている。
身体が小さくなったのもあって、一杯でもお腹一杯だ。
ご飯を食べれるのは幸せなことだね。
ついさっきまで泣きじゃくっていたのが嘘のような満面の笑顔が溢れる。
それにしても食文化が日本と同じなのは嬉しい。
お陰で心が安らぐしシンプルに美味しかった。
きつねうどんにより精神的にも体力的にもかなり回復出来たのだった。




