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大妖怪の怒り

短剣を、素手でピタッと止めた月夜。

次の瞬間に冒険者の女が凄い勢いで吹き飛ばされる。

さらに続いてテンを拘束していた2人の男と指揮官も吹っ飛ばされる。

突然のこと過ぎて、ぽかーんとしていると月夜が後ろ手に縛られていた手を解放してくれる。

そして、お姫様抱っこでテンを抱き抱えた。

月夜が間一髪で助けてくれた。

先程までの恐怖と月夜がいる安心感もあり、涙が止まらない。


「うわーん!!づぐよぉ!ありがどぉ!ごわかっだ!!じんぢゃうかとおもっだよぉ!!」


月夜にしがみついてそれはもうギャン泣きする。


「はいはい、怖かったね~。もう安心して良いよ~。私がいるからね~」

子供をあやすようにテンに話しかける月夜。


周りの敵たちは遠巻きに武器を構えてこちらを警戒しているが手を出せずにいた。

それもそのはず、指揮官や強いと言われていた女冒険者達が一瞬で吹っ飛ばされたのだ。

迂闊に近付けば命を持ってかれてもおかしくない。


そのまま硬直状態でしばらく時間がたち、やっとテンの涙が止まってきて月夜から離れたくないオーラを醸し出し始める。

もうずっと怖い思いをしていたテンは無言で、でもしっかりと月夜にしがみついていた。

少しテンは精神が幼児退行してしまっているようだ。

そんなテンの様子に優しく対応しながら月夜が動き出す。


「泣きじゃくるテンちゃんもしがみついてくるテンちゃんも可愛いんだけど。それはとりあえずおいときましょう。さて、私の大事な大事なテンちゃんにこんな酷いことをしたのはどこのどいつだ。」


月夜のドスのきいた声が周辺一帯に響く。


月夜は声と共に魔力を飛ばしており、その魔力量により周り全てを威圧した。


連合軍の大半は一瞬にして悟る。

あ、こっちが本当の大妖怪だ。これにはどうやっても敵わない。殺される。

月夜からどす黒いオーラと威圧が放出され続け、周囲の人間達は次々に戦意を喪失し始める。


「そ、そこのアンタがさっき吹っ飛ばした4人が悪いんだ!!俺たちは悪くない!!」


命惜しさにさっき槍を向けていた冒険者の男が自分のことを棚にあげて叫んだ。

それを皮切りに俺も悪くない、私だって手を出していないわと次から次へと波紋が広がっていく。

所詮は金で雇われた冒険者達、自分達も近くで包囲していた癖に次々とさっき手を出していた者達を生け贄として差し出そうとした。

そんな冒険者達と対称的なのが、部屋の周囲及び外に続く廊下から城の外周に至るまでを包囲するために配置された使い捨て奴隷達による集団である。

彼らは奴隷の魔法契約のせいで許可がないと発言をすることが出来ず黙っているしかなかった。

そして命令がない限り逃げることも叶わない。


冒険者達の醜い命乞いが始まり騒がしくなり始めたとき、


ドンッ!


凄まじい音がして一斉に静まりかえる。


見れば月夜が石でできた床にヒビを入れている


「なるほど。自分達は悪くないと。大方封印がとかれた私を襲撃しに数を集めて殲滅する作戦だったみたいね。だけど自分達は手を出していないから無罪だと?流石に都合が良すぎるわよね。私達を害そうとした時点でこの作戦に関係した者全てが同罪だわ。」


ギロリと怒気をはらんだ口調で周囲に告げる。


周囲は気圧されて何も言えずに黙る。


「さて、この襲撃に対しての落とし前はちゃんと受けて貰わないといけないわ。だって命を狙われたんだもの。まして私ではなくテンちゃんが被害者だし。この罪は重いわよ…〖罪の追憶〗。さあテンちゃんの苦しみを少しでも味わいなさい。」


月夜が魔法の名前を唱えると月夜から波動のようなものが周囲に放たれて、その数瞬後に連合軍の全員が漏れなく倒れた。


「さてと、ほら~テンちゃんもう大丈夫よ。私の魔法でこいつら全員に今罰を与えてるから。」


「うぅ、ありがとうね月夜」


少し弱々しくお礼を言ってくるテンに月夜はキュンとしている。


〖罪の追憶〗

この魔法を受けると術者が設定した内容の苦しく辛い状況を魔法を解除するまで追体験し続ける幻覚を見せるというなかなかえげつない魔法である。


今回はテンの先程置かれていた状況をそのまま再現し、さらにじわじわいたぶられ続け、しかしあくまで殺されず苦しみを受け続ける内容となっている。

しばらく反省してこんなに可愛い私のテンちゃんを怖がらせた事を一生後悔しろ。

そういう想いを込めた選択である。

周りで人々が、倒れながらうなされているが月夜の気が済むまでこの拷問は続くのだ。


「月夜、このあとどうしようか…」


テンは少し落ち着いたので月夜に問いかける。


流石にこんなに大量に人が倒れていては休むことも出来ないし、またいつ襲ってくるかもわからない。

後処理に困ったのでそういう意味で訪ねたのだが、帰ってきた答えは


「そうね、とりあえずご飯にしましょうか。」


という発言が出た。

まあすぐにどうにか出来るものでもなさそうだし。

こうしてご飯タイムが決定した。

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