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不穏の進軍

主人公吸血鬼改めテンが月夜に看病されているその頃。


その世界にあるいくつかの国は大混乱を極めていた。


禁忌の森。妖封城。


テンが最初に世界に降り立った場所、そして森の中で見つけた城の名前である。


そこには世界を滅ぼし掛けたヤバい大妖怪が封印されている城があり、万が一封印がとかれないように広域に結界を周辺の国々が共同で張り続け、本封印と合わせて2重に封じることで外からの侵入者を拒み続けてきた。


世界に伝わる言い伝えによりもしも大妖怪の封印が破られれば再び世界は滅びに向かうと言われており、各国が先祖代々持ち回りで封印を保っていたのだ。


そんなこんなで数百年にわたり封印は破られず、結界が破られることも無かったのだが、つい3日ほど前に異常事態が発生した。


結界が内側からの魔力により破壊されたのだ。


それはつまり結界の中に侵入者が現れたということ。


数百年も破られなかった結界を破るほど危険な存在が現れたということ。


そして結界を破るほどの実力者であれば目的は恐らく大妖怪の封印の破壊だろう。


森の周辺の各国は大いに慌てた。恐らく大妖怪はすぐに解き放たれる。


止めにいくにも間に合わない。


怨みを募らせた大妖怪は恐らく世界を滅ぼしに、ひいては恐らく近隣国に襲い掛かるはず。


まずい。何とかせねば。


事態を重く見た周辺国の上層部は急ぎ魔法による遠隔会談を実施。


その結果、各国の精鋭達率いる軍による合同の大妖怪討伐作戦を決定した。


危険な存在をなんとか殲滅し各国の平和を守ろう。そう。これは聖戦なのだ。


と言うのが建前、実際には戦力をそちらに割きすぎると他国の侵略の可能性も有るためどの国も最高戦力を出すことは出来ず、指揮官以外は寄せ集めの使い捨て奴隷による兵士達を率いらせた省エネ軍を送ることを各国は画策していた。


また、念のため冒険者ギルドの高ランク冒険者にも討伐参加を依頼、急ぎかき集めた戦力で3日で強弱合わせておよそ1000人規模の連合軍が誕生した。


目指すは危険な大妖怪、九尾。


どれ程の犠牲が出るか、想像もつかない。


しかしやるしかない。


こうして連合軍は禁忌の森、妖封城へ進軍を開始したのである。

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