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白き部屋
次に目が覚めたとき、俺は真っ白な部屋の中にいた。
「ここはどこだ?俺は一体どうなった?」
一人つぶやく。すると
『ここは転生の間、君は死んだんだ。』
頭の中に急に声が響いてきた。
透明感のある不思議な声だ。
「!?あんた誰だ?」
『僕はメイル。転生を司る神。理不尽な死を遂げた者に新たな生を授ける者だよ。』
即座に返事が返ってきた。
こんな不思議な状態になってるから今さら神と言われても驚かないが。
それにしても死んだとは一体?
「俺はなんで死んだんだ?」
『君は仕事の帰りに他の世界から追放された殺人狂に殺されたんだ。普段なら次元の狭間に囚われたら抜け出せないんだけどあの人はなぜかあの世界に抜け出してしまって。運悪く目の前に君がいて。殺された。』
まじか。まあストレス社会から脱出できたと思えばましかなぁ。
痛みがなかったからマシだけど、あぁオカン、オヤジ、親不孝でごめんね。
「はあ、んでその転生の神様とやらは何をしてくれるんだ?」
『最初にも言ったけど、僕は転生の神。君を転生させます。』
とりあえず想像通りの回答が返ってきた。