月夜サイド スキル暴走まで
尻尾をベッド代わりにしてあの子を寝かせている。
尻尾に感じる重さすらも嬉しく思える。
当たり前の事がとても幸せだ。
自分が普通に動いていることにしばらく感動していると可愛らしい声が聞こえてきた。
それから自己紹介をして、女の子について尋ねたけど種族以外は覚えてないみたい。
どうやら記憶を失ってるみたいでしかも家族がいないと。
なにか辛いことがあったのかしら。
私もずっと一人だったからわかるけど、寂しいよね。
私は思わず彼女を抱き締めた。
小さくて、あったかい。生きていることが実感できて安心する。
そうしていると安心したのか彼女は眠ってしまった。
あら、可愛い寝顔。
また尻尾に寝かせてあげましょう。
私は貴女の味方だからね。
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それから起きた彼女は外に出て食べ物を探そうと言ってきた。
お世辞にも彼女はまともな装備をしていない。
外に出たときに少しでも安全なように私ははるか昔に集めていた装備を引っ張り出すことにした。
というかもうこの子に宝物庫の中身全部あげてしまおう。
私が持ってても宝の持ち腐れ感が強いし。
あ、あの装備は強力な装備だった気がするわ。
なんか昔すぎて良く覚えてないけど何か追加効果があった気がしたけど。
そんな事を考えていると彼女の装備の見た目が変わった。
可愛すぎる。
どうしましょう。ドストライクなんですけど。
男の子とか言ってるけどそんなはずないわ。
こんなに可愛いんだもん。
どうしましょう。変な扉が開きそう。
愛でたい。愛したい。なでなでしたい。抱き締めたい。
なんか思考回路がピンクに染まってきてなんか良くわからなくなって。
そこからしばらく記憶がとんだわ。