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初めての吸血

さて、とは言え吸血治癒ってどうすればいいのか。


字面からして血を吸えば使えるのだろうか。


そもそも当たり前ながら血など吸ったことはない。


ドラマとかアニメで吸ってるのをイメージするなら首筋当たりにがぶりだろうが大丈夫かな。痛くないかな。まあやってみましょ。


現在の状態はお互い正面の向きで抱かれており身長差があるのでちょうど今、月夜の…胸に顔が半分埋もれていて正直幸せいっぱいではあるんだけど…いやいやそんなことを言ってる場合じゃない。


なんとか月夜の首を噛めるように下からターゲットポイントを見つめる。


よし、なんとかいけそうだ。


月夜、今治してあげるからね。


申し訳なく思いつつ身をよじってまずは埋まってる顔を上に出す。


なんか月夜の熱っぽい声が聞こえたけど気にしない。


「ごめんなさい、月夜首を噛ませて!」


そう言ってなんとかギリギリ届いた首に噛みつく。


転生してから伸びた犬歯が肌を突き破る感覚がある。


貫通したところから溢れてくる血液。それをとりあえず吸ってみる。


何これ。とても甘くて美味しい。血ってこんな味だったっけ。


吸う度に口の中に幸せな味が広がり、飲み込む度に身体に温かく気持ちいい感覚が通り抜け、何だか感覚がふわふわとしてくる。


え、やばいこれ。凄く気持ちいい感覚。お酒なんて目じゃない。


力が沸いてくる感じがし、身体は火照ってきてるけどいくらでも飲めてしまいそう。


ってそうじゃなくて月夜は大丈夫だろうか。吸いすぎただろうか。


危うく自分の欲に負けて血を吸い続けそうになってたところを自制して口を離す。


すると少し拘束が緩んだ。やり過ぎてしまって月夜に何かあったらどうしよう…そう思いながらハっと上を向くと。


顔を赤らめて恥ずかしそうにこちらを向く理性が戻った目をした月夜の顔がこちらを向いていた。


どうにか吸血治癒は発動していたようだ。


「良かった!ごめん急に首に噛みついて!痛くなかった?」


「いや、むしろ気持ち良かったけど…ってごめんなさい。私、なんか急激にあなたが可愛くてしょうがなくなって気が付いたら愛でること以外考えられなくなってて…」


やはり超魅了の効果で理性がふっとんでしまったようだった。恐るべし、超魅了。


「いや、こっちのスキルが勝手に発動しちゃって月夜に迷惑かけちゃったんだ。むしろこっちがごめんなさい。」


流石にこれは全面的にこちらが悪い。


主にスキルを制御できてないこちらに非がある。


「本当にごめんなさい月夜。」


「そんなに謝らないで大丈夫だよ。私もこんなに強い魅了に掛かったのは初めてだからしょうがないわ。ん~状態異常系の耐性は多少自信あったのにな~」


とのこと。


こんな事になっても怒らない月夜、良い人過ぎる。














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