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はーい、地獄に来たと言っても何もせずにすぐ帰ります。
目を開けると、そこには絵に書いたような『地獄』が広がっていた。それでも驚いて声を上げたりする奴は1人もいなかった。なにせ自殺志願者だったから。
「なんでクリロっちは、わざわざ私たちを生かしたワケ?どうせ死んだら地獄でしょ!?なんかスッゲー暑ーいし!」涼香は寧ろ興奮していた。
「それ決めんの私じゃないんで、悪いっスけど。神様がまだ死ぬべきではないって決めたんスよー。でもこっちのボスにも話通さないとダメなんスって」
「ふーん、でも生きてても何もすることないと思うよ?」「私もそうです。友達に私が勇者だと証明できましたので」「僕もだね、もうしたいことなんてなくなった」「なんだかお2人の動機は似てて、疎外感を感じます」僕らは銘々(めいめい)に口を開いた。
「な、なんか初対面とは思えぬ息の合いっぷりっスね」クリロが引き気味に言った。
「でも、そんなことはないっスよ。日毎に新しい異世界が発見されてるんですから。アンタらには援助に行ってもらいまーす」
「え、援助ですか。私なんかに何ができましょうか……」ターシャは自身なさげに俯いた。
「ダイジョーブっスよ。サクッとモンスター倒すだけなんで」まるで他人事だった。
「来たか……」背丈が人間の3倍ほどある大男は厳かにそう言った。
「こんにちは」クリロはそれだけ言った。
「ねえ、あれって閻魔様?」隣の涼香が聞いてきた。
「違うっスよ。アンタらを生かすかお決めになる人です。人間ではないっスけど」
「俺はそういうことには疎いから聞いてくれるな」僕と書いてきたが一人称は自然なものだ。
「自殺らしいじゃないか。何故に彼らを生かして置くんだ?」
「なにゆえに」とターシャが呟いた。
「ここにいる三人には、かけがえのない力があるんですよ。地獄にいさせるよりかは、世のため人のためになってもらおう、ということです」
「ふむ、確かに」閻魔様、ではないその大男は手元の名簿をめくった。
「あの、お2人は知りませんが、私は全然普通ですよ?」ターシャが言った。
「おい天使、この小娘は自分の能力を知らないのか?」衝撃の事実!クリロは天使だった。まあ予想はついていたが。
「はい、私も、彼女の力が役に立つとは思いませんが、普通ではないので」
「ふうむ、まあいいだろう!後がつっかえてるからテキトーに済ますとかではなく、現世に留まる資格があると判断した!」男の話は全く時間を取らずに終わった。あっけない!!
「じゃあいくっスよー」
特に質問をされるワケでもなく、ただ見ていただけだった。
僕らが戻ろうとすると、何故か涼香だけ動かなかった。
「どうしたんだ?」
「いや、ちょっとね」
真剣な面持ちだった。僕はそれ以上聞くのをやめて先に戻った。
切るとこがなかったんでぶっつりといきました。
前書き後書きの方が書く事思いつきませんわ。
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