表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

とある男性の話②



あ、漢字を間違えた。

はぁ、最初から書き直しか。

俺は書類や資料の作成は得意じゃないんだよな。

修正液で消してやろうか……やっぱり無理か。

紙がもったいないが仕方ない。




勉強にはなったな。

ああいう商売は法律すれすれのグレーゾーンを平気で渡っていく。

思ったより皆頭がよかった、中には有名大学の法学部を卒業した人もいたしな。

法律の隙間をかいくぐっていかなきゃいけないんだから、そりゃあ知識のある人が多いわけだ。




毎日のニュースはもちろん、法律の最新バージョンもチェックしなきゃいけないし、同業者には挨拶行ったりパソコンの知識を身につけなきゃいけないしで大変だよな。

なかなか真似できない仕事だな。




俺が仕事を度々休んでいたのは、お客と相談するなんかで忙しかったのもあるが、組織から離れる口実をつくらなければいけなかったのが一番の理由だ。

不自然でないのがクビにされることだから、そのふりをしていたんだが、どうやらばれなかったようだな。




あ、電話が鳴ってる。




はい、もしもし、こんにちは。

ええ、昨日クビになってきました。

そんなに心配しなくても大丈夫ですよ、はい、そうです。

想定の範囲内でしたしね。

まぁ、もっとねばれるとこっちは考えてたんですけどねぇ。




はは、慌てないでください。

あらかたプランはできてます。

信じてくださいよ。

以前話した内容に新たに付け加えたんです、結構自信がありますよ。





それでは、来週の土曜の2時にということで。

はい、お待ちしております。

えぇ、ありがとうございます、それでは来週に。

はい、失礼します。




ふぅ、少し休憩だ、手が疲れた。

ノートパソコンで作成できるんだろうけど、俺はパソコンが使えないからな。




また岡井さんに怒られるんだろうな。

岡井さん優秀だから、これくらい大したことないんだろうが、いつも何でできないんですかって、頭ごなしに俺に当たるからな。

でも、いなくなったら困るから、俺が我慢するしかない。




よし、再開だ。

あれも記述しといたほうがいいのか?

自己啓発セミナー商法とかいう名前だったな。




確か、あれはセミナーに参加させて受講者から受講料を受けとる商売だった。

本とかを買わせるんだが、金額自体は小さいが積もりに積もるからなぁ。

最終的には返済ができずに、自分も勧誘マンにさせられたりするケースもあるらしいし……もういいか。

自己啓発の悪徳商法なんか書かなくても、この組織の悪行は大分羅列できたし。




やった、完成した。

いやぁ、長かったな。

久々にこんな長い文章を、書いたぞ。

これで誤字脱字があったら立ち直れない……よかった、なかった。




あとは、これを岡井さんにデータベース化してもらって、それで依頼者と確認すればいいな。

依頼者は随分とこの会社のせいでかなりひどい目にあったみたいだから、これだけ証拠が揃ったことを伝えればきっと喜んでくれるはずだ。




写真は忘れてないよな、よし大丈夫だ。

中でもこれは決定的なものの一つだから、なくしたら組織にもぐって捜査した苦労が台無しだ。




あの依頼者は結構金を持ってるみたいだから、調査料をもっとつり上げてもいいだろうか?

そこのところも含めて岡井さんと話してみるか。




あぁ、もうこんな時間だ。

次の依頼者が待ってる。

満樹です、閲覧ありがとうございます。


詐欺グループ会社に潜入し摘発しようとする探偵さんのお話でした。

ちなみに、電話以外の描写は独り言ではなく頭のなかで考えてることです。

依頼料つり上げって、あんさんも大概ですなー


次回は怪談チックです。

苦手な方はご注意ください。


感想、コメントお待ちしてます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ