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続1話.知らなかったけどラッキーです

お待たせしました。続編第1話です。

新学期を迎えた。私達は高校2年生になった。兄弟友人知人恋人、誰も留年することなく無事に進級することができた。雅さんの弟で私達の先輩である翔惟先輩も無事に大学に合格し、藤沢家を離れた。

引越しを済ませた後すぐに戻ってきて、ぎりぎりまで彼女と過ごしていたのだが、二人がこれからどうなるのかは私達が口出しすることではないので語ることは無い。


いつも通り、玲奈と学校へ向かう。


「おっはよ~!」

「おはよう、今年もよろしくね」


なんだか新年のご挨拶のようである。

校門に着くと和維くんと健人くんに会う。新学期から朝練ということはなかったらしい。

1年生の真新しい制服が眩しく見える…様な気がする。


「健人、クリーニングのタグが付いたままよ」

「えっ、まじで?どこどこ?」

「嘘よ」


変わらないやりとりが嬉しい。うん、しみじみする。心にじ~んと響く。


「「「……」」」


ああ、今年はどんなことが起こるのだろう。楽しいことがいっぱいあるといい。


「ちょっと、和維、あれどうにかしなさいよ」

「玲奈の担当だろ」

「奈央ちゃん、遠くまで旅に出てるな」


皆ちょっとうるさい。ちゃんと聴こえているよ。トリップ中じゃないんだから。ただ少しだけ、自分の世界を味わっているだけだもん。



今までと変わらない下駄箱。今までと変わらない制服。4階から3階へ変わった教室。四人で教室のドアを開く。


そこには今までと同じ顔ぶれのクラスメイト。


…そう、そうなのだ。持ち上がりだったのだ。今にして思えば、終業式の日、クラスの中も冬休みに入る前と同じような雰囲気だったような気がする。担任の湯川先生だって、「春休みだからって浮かれて勉強おろそかににするなよ、テストあるんだからな。補習や部活がある生徒は忘れずにくるんだぞ。じゃ、新学期、遅刻するなよ」なんて風に軽かった。先生も持ち上がりならそうだって教えてくれたらいいのに。


因みに、そのことを教えてくれたのは翔惟先輩だった。

四人でお参りに行ったあの日、藤沢家の前で翔惟先輩とばったり会った。私達がお参りしてお願いした内容を聞くと、


「あれ、知らないの?1年のクラスのままだよ。俺達が3年に上がるとき説明あったから間違いないはず。

俺達には関係ないけど、来年からクラス替えはなくなったって言ってたよ」


なんでも、2年からは選択科目が増えるし、自由な校風が売りなお蔭なのか、今までもこれといって問題が起きていないことが理由らしい。

確かに、いじめも聞かないし、留年した人達も辞めることなく馴染んでいるし。生徒会に立候補して当選したつわものも居る。『自由』を『好き勝手』であるなんていう勘違い生徒もいないのでいたって平和なのだ。せいぜい、禁止のピアスをしてきて体育のときに没収されたり…これは先生が卒業式の日に安い茶封筒に入れて返してくれる…禁止されているパーマやカラーを注意されたり、絶滅しそうだが酷い腰パンを注意されたり…下げすぎてスラックスの裾がどろどろなのを女の子が嫌うのでモテない。さらにコントのようだが、とある女生徒がうっかり前を歩く男子生徒のどろどろの裾を踏んでしまい、ビタン!と転んだ。運悪くお尻丸出しで。全校朝礼が終わり体育館から教室へ戻るときの体育館の中でのことだった。私は遠目でしか見ていないと言っておこう。


これで全部とはいわないが、先生が目くじらを立てるようなことが少ないのである。あ、勿論タバコは停学です。学校で吸われるよりはいいと思っているのか、愛煙家の先生達も校内は禁煙なので気持ちが分かるのか、禁煙○イポやニコチンガムは黙認だ。ヒゲを伸ばそうとマスクで隠しながら頑張る生徒もいるが、体育の日には剃ってくるし、「似合わない」の一言で直ぐ撃沈する。復活も早いけど。

まあ、そんな学校である。


新鮮さはないけど、安心感はある。選択科目が増えるから、実際このクラスのメンバー全員で揃って受ける教科はそう多くない。それでも、いってみれば「ホーム」を持つようなそんな安心感だ。

ホームルームも終わり、テストも全校集会も終わった。

まだ部活見学も始まらないし、今日は部活動も休みだと決められている。私達も帰ろうと玲奈と二人で教室を出ると呼び止められた。


「玲奈ちゃん、奈央ちゃん!良かった~、帰る前に会えたぁ」


写真部に入っている友達だ。


「どうしたの?」


余程急いだのか息が切れてぜぇぜぇいっている。落ち着くのを待って話を聞く。


「あ、歩きながらで大丈夫だよ、ぜぇぜぇ」


じゃあ、お言葉に甘えましょう。


「あのね、部長から伝言。部費確保できるくらい新入部員捕まえたから、もし、退部したかったらOKだって。籍、置いてくれてありがとうだって。用紙預かっているけど、どうする?あたしは正直、辞めないで写真にも興味もってもらえたら嬉しいなって思っているんだけど、駄目かな?」


せっかくのお願いだけど、そう思ってくれる気持ちは嬉しいけど、玲奈と顔を見合わせ頷いた。


「ごめんね。そういってもらえるのは嬉しいんだけど、部長さんがそういってくれるならやめることにするね」

「玲奈ちゃんも?」

「うん、ごめんね。やっぱり、興味湧かないんだよね」

「そっかぁ。だよね。残念。あ、用紙渡すね。…あ、今書いてくれればあたしから渡しておくよ」


それに横には首を振る。


「ううん、明日部長さんのところに出しに行くね。せっかくだから挨拶したいし」

「うん、わかった。そう伝えておくね。引き止めてごめんね。バイバイ」

「こちらこそありがと。明日あたしも自分で言うけど、お礼言っておいてくれると嬉しい!」

「うん、いっておくね。じゃ、行くね」


こうして、幽霊部員を卒業できることになった。今後、人生でくる面接のときに写真部の事を聞かれたら困るなぁって思っていたので、肩の荷が下りた気分である。


「ねぇ、奈央。今日は魔王サマの日?」

「うんっ」

「うわっ、すっごい嬉しそう。なんかムカつくかも」

「そりゃ、…大好きな…雅さんに会えるんだもん。嬉しいに決まっているでしょ」

「そうやって、惚気のろけてあたしをないがしろにするんだわぁ。浮気してやるぅ~」

「ふふっ」

「ははっ」


二人できゃははははは…とお腹を抱えて笑ってしまう。

うん、いつもと変わらない日々の始まりを告げている。

そして、日々は変わらないようで変わるのである。


続編はそう長くはならない予定です。

今回は説明回になりましたが、次回から物語が進みます。


お馴染み四人は同じクラスのままです。

奈央と玲奈は帰宅部になりました。

健人と和維はバレー部のままです。

翔惟は卒業し、一人暮らしを始めました。

雅、海斗、千里、夕菜は無事進級しています。

香織と恭子は妊婦です。恭子のほうが約ひと月早く妊娠したことになっています。

湯川先生はクラスが持ち上がりであることを生徒に話し忘れています。

しかし、そういう話って聞かなくてもなんだかいつの間にか耳に入っているもので、クラスでも半分以上の生徒が知っていたので、特にクラスの目立つ人…目立ちたがり屋は全員知っていたので話題にも上りませんでした。ので、そういうことにやや疎い彼らは知りませんでした。勿論、彼らと同じくクラス替えを知らない子達の中には、同じように不安になったり、「藤沢君と同じクラスになれますように!」と祈る子も居たといっておきましょう。あ、これフラグじゃありませんから。


それでは、また次話もよろしくお願いします。

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