番外編7 恭子襲来
キリが悪いのですが…。恭子サンの様子です。
奈央達が帰ってきた翌日のことである。
お母さん同様、妊婦になった恭子さんが我が家を訪れた。
付き添いもなく、車でブ~ンである。元々フットワークが軽く、「病気じゃないんだし、仕事だって行ってるんだから大丈夫よ~」と軽い口調で我が家を自宅のように闊歩する恭子さんに私と千里はあんぐりである。いや、口は開いてないので、閉口しているというほうがいいのだろうか。
お母さんと恭子さん。仲はいいと思う。子供の目からはその様に見える。
私と雅さんの関係が順調に進めば、いずれは「お義母さん」になる人だ。立てつつも私の意見をしっかり言えるようにならないと後々振り回されて気苦労が絶えなくなりそうな予感がひしひしと…いや、ひたひたと足音を忍ばせてやってくるような気がする。
…ああ、雅さんの言うとおり私も大概失礼なのかもしれない。ならば、問題ないかな。
そろそろ、現実を見ようと思う。
「ねーえ、香織さん。だ~か~ら~、あなたが男の子生んで私が女の子うむでしょ」
「ですからね、そもそもその仮定がおかしいっていってるんですよ。どっちが生まれるかなんて分からないし、そういう企みに賛成できません」
「だって、雅と奈央ちゃん、これから生まれるこの子に気を遣って、いや、雅は単純に二人きりの生活を送りたくて出て行くと思うの。ねっ、奈央ちゃん」
いきなり私に振らないで欲しい。非常に困る。答えられない。
私の困る姿にお母さんが助け舟をだしてくれる。
「そんな先の話今はどうでもいいでしょう。恭子さん、そんなに熱くならないでください。かっかかっかと…胎教に励むんじゃなかったんですか?」
「あら、そうだったわ。いけないわね~。もう、女の子が生まれるんだと思うと妄想も激しくなっちゃって。
お恥ずかしいわ。うふ♪」
女の子が欲しいといっていたから期待が高まるのはわかる。
でも、申し訳ないが私は思う。きっと男の子が生まれてくると。
恭子さんには心の底から申し訳ないと思うが、私の予想は良く当たる。
ここまで申し訳ないと思うのは、お母さんはきっと女の子を産むと思っているからだ。
お兄ちゃんが私にベタ甘だった以上に千里が生まれてくる妹にべったべたのあっま甘になる姿が浮かぶ。
そして、タイミングが悪いことに「きっと女の子だよ」って言う話をしたのが今日の午前中のことである。
しかも、お茶の用意をするときにお母さんに「恭子さんはまた男の子みたいだね」と話してしまったのである。お母さんは私の予想をある程度信用している。そのくらい当てているのだ。…何故か分かってしまうものはどうしてみようもない。
「でねっ、せっかく末っ子同士が同い年になるんだもの。将来は二人が恋人になって結婚して…。井上家の女の子一人戴くんだから、こちらからも一人お嫁に出して…元々行き来があるから嫁姑のバトルなんかなく、女四人で楽しく過ごすの~!キャー!!もう、想像するだけで、ああ~ん」
お母さんお願い止めてください。
「あら、そういえば千里くんもいたわね。うちの子巡っての兄弟バトル、三角関係!でも、後腐れないようにしてね、親戚になるんだし、長い付き合いになるんだから、うふ♪」
お母さんと目が合う。首を横に振られてしまった。
「恭子さん?もし、万が一、男の子だったらどうするの?もうすぐ、どちらかはっきり分かるでしょ?その時、希望通りじゃなかったら産むの止めるの?」
お母さんのわざと強めた言い方に恭子さんも真顔になる。
「見くびらないで欲しいわ。男の子でも可愛いに決まってるじゃない。三人の息子を育てているのよ。その苦労も私の加齢によって増す大変さも理解し覚悟した上で、それに勝る喜びと幸せがあるに決まってるじゃない。そのくらい私だって知っているわ」
あまりに強い女の子押しだったので心配してしまったが余計なお世話だったようだ。
「見くびっていたわけじゃないんですよ。男の子を三人、うちの子に負けず劣らず素敵な男の子を育てたこと、尊敬しています」
「あらやだ。香織さんも尊敬しているわよ」
その場にいるのに疲れた私はこっそりと部屋を出た。
その後を千里も「姉ちゃんずるい」と小声で言いながら付いてきた。
恭子さんの襲撃に驚いたが、あとで雅さんに話してあげようと思った。
次回は…
ここに追加するか新連載として続きを書くか…
いまだに悩んでおります。
この結果が、恭子サンの話になってしまいました。
予定は決まっているのですが、さてどうしましょうか。
いつも読んでくださり感謝しています。ありがとうございます。




